橋本洋一

小説家志望の橋本洋一といいます。 幕末魔王伝 ~織田信長が新選組の厄介になるそうです~ を書いております。 よろしくお願いします。

橋本洋一

小説家志望の橋本洋一といいます。 幕末魔王伝 ~織田信長が新選組の厄介になるそうです~ を書いております。 よろしくお願いします。

最近の記事

幕末魔王伝 ~織田信長が新選組の厄介になるそうです~ ④

第4話信長、着物を買う 「ノブさん、朝ご飯食べたら早速行きたいんですけど」 「であるか。儂もこのような恰好でいるのはあまり好まぬ」  八木家が用意した朝食を手早く食べた信長は、沖田を伴い京の市中に出向いていた。  その際、永倉に「揉め事は起こすなよ」と忠告をされた。京の治安維持が目的の組織の人間が無用な諍いを起こすのは本末転倒である。信長は軽く頷いて了承した。 「おっさん、髭が伸びっぱなしだけど、剃らねえの?」  その買い物には原田も参加していた。当人は見張り役だと永

    • 幕末魔王伝 ~織田信長が新選組の厄介になるそうです~ ③

      第3話信長、長篠の戦いを語る  信長は近藤に会わせろと副長二人に要求したが叶わなかった。  既に夜分遅くなっているし、まだ近藤にも報告していなかったからだ。  山南の提案で今日のところは休んで、明日の午後に場を設けることとなった。 「総司。こいつの世話をしてやれ」 「いいですよ。まずは……風呂に入りましょう。寝巻姿で外歩いたんで土埃が酷いです」 「そうだな。本能寺でもキンカン頭の兵どもと戦った後だ。汗もかいている」  信長の言葉に土方は鼻を鳴らす。  そして沖田に連れら

      • 幕末魔王伝 ~織田信長が新選組の厄介になるそうです~ ②

        第2話信長、湯漬けを食らう 「総司の野郎、変な奴連れて来やがって! この忙しいときに!」 「まあ土方くん。そう目くじらを立てずともいいじゃないか」  京の壬生村にある八木邸。  壬生浪士組が間借りしている一角の廊下を歩いている二人の男。  一人は物凄く怒っている。目つきがかなり悪く、端正な顔立ちではあるがどことなく危険な雰囲気を醸し出していた。  もう一人は対照的に穏やかな顔つきで、知性のある賢そうな印象を受ける。隣の者とは異なり、今起きている状況に余裕がありそうだ。

        • 幕末魔王伝 ~織田信長が新選組の厄介になるそうです~

          第1話信長、死ななかった 「敵の旗印は――桔梗の紋! 明智勢にてございます!」  小姓の森乱丸の報告を聞いた、戦国の覇王にして第六天魔王である、織田信長は「……是非もなし」と呟いた。  信長はもはや逃げられぬと覚悟を決めた。目の前に広がる大勢の敵兵もそうだが、光秀には手抜かりなどないと長年の経験から判断できた。 「乱丸。儂は奥の間にて腹を切る」 「……っ! 無念にございます!」 涙を流す乱丸の頭をそっと撫でた信長は「お前逃げて生きよ」と優しく告げた。 「お前の親父に