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ドラマ『ドクターX』麻雀シーンまとめ

アニメ映画とグルメ映画に押されて、劇場版『ドクターX』は、とうとうランキングから姿を消してしまいました。さすがに今週中には観に行かなきゃなあ……。
というわけで、映画鑑賞前の最後の記事として、ドラマ『ドクターX』全シーズンとスピンオフの『ドクターY』の麻雀シーンをまとめました。闘牌ベスト3と、出た役満の数等の集計、それから、今さら何の意味があるんだという劇場版の麻雀シーン予想を書いています😌

映画.com「国内映画ランキング」(2025/01/20)

1.『ドクターX』闘牌ベスト3

第1期 第4話 初の役満放銃

これまで、『ドクターX』の麻雀シーンについて、何本も記事を書いてきました。しかし、このドラマにおいて、麻雀シーンというのはそれほど重要ではありません。本来のストーリーが進行する合間の箸休めのようなものであり、普段はキリッとしている主人公・大門未知子(米倉涼子)が、高い手に振り込んで「ぐにゃあっ…」となるギャップを楽しむためのコメディパートとして主に存在しています。
そのため、『ドクターX』の麻雀シーンは、普通に見ていれば、倍満や役満が派手に飛び交う大味なものにすぎず、「闘牌」と言えるほどのものではありません。しかし、画面の隅を細かく見ていくと、脇の目立たない人物が実は高い手をテンパっていたりと、スタッフが仕掛けた闘牌らしきものがたまに目に映ります。目を凝らすことでようやく浮かび上がるステレオグラム(立体画)のようなものですね。

ここでは、そんな麻雀シーンの中から、闘牌の妙を味わうことができるシーンをベスト3(+1)という形でピックアップしました。細かい話は各シーズンのレビューで書いたので、ここではダイジェスト版でお届けします。

選外 純正九蓮宝燈は死の誘い(第3期 第10話)(『ドクターY』第7弾)

第3期 第10話

九蓮宝燈というのは特別な役満で、めったにアガれないことから、「アガった者は運を使い果たして死ぬ」という伝承があります。『ドクターX』第3期第10話と『ドクターY』第7弾では、この伝承を元に純正九蓮宝燈が死亡フラグとして使われました。純正九蓮をアガった神原さん(岸部一徳)とミッチー(役名は楠田)は、その直後に重病でぶっ倒れ、死にかけています。

第3期 第10話
『ドクターY』第7弾

『ドクターX』では珍しく、麻雀シーンがストーリーにからむ意義深いシーンではありますが、闘牌的には、役満が出ること自体はよくあることなので選外としました。

第3位 猫の手も借りたい(第5期 第10話)

ギャグではなく、犬が人間に混じって真面目に麻雀を打つ『無法者』(1988~90年連載)というマンガが、2015年に初めて単行本化されました。このマンガに影響されたのではないかと思われるのが、2017年に放送された第5期第10話の猫麻雀の回です。

残念ながら、『無法者』の主人公犬・ジョーとは違って、この雀猫・ベンケーシーは、飼い主の神原さんに打たされている感が非常に強かったです。もっと能動的に打ってほしかったけど、まあ、猫だからしょうがない。麻雀卓の席にじっとしていなくて、しょっちゅういなくなっちゃうけど、それも猫だからしょうがない。

最終的に、ベンケーシーは国士無双の十三面待ちをテンパイしますが、未知子のアガリによって役満成就は阻止されます。しかし、アガった人以外の牌姿がちゃんと映ることが少ない『ドクターX』の麻雀シーンには珍しく、このベンケーシーのテンパイは、5秒くらい画面に映っていました。「見て! 猫ちゃん、国士テンパってるよ!」という制作陣の思いが伝わってきてほほえましいですね☺️

この後出てくる1位と2位は、はっきり言って、麻雀マンガを読み慣れた人以外には死ぬほどどうでもいい話なので、麻雀にあまり詳しくない人にとっては、この猫麻雀が文句なしにベストの闘牌と言っていいでしょう。

第2位 純チャンの流れを感じ取れ!(第4期 第9話)

手牌のアップもなく話が進むので、気づきにくいけれど、よく見れば闘牌的には面白かったのが、この第4期第9話の麻雀シーンです。

リーチをかけた後で、⑨筒をつかんでしまった原先生(鈴木浩介)は、下家の未知子の役満・国士無双にぶち当たります。

「リーチ後なんだからしょうがない」。そんな声が聞こえてきそうですが、原先生の手牌を見れば、そうでもないことがわかります。

リーチで手牌に蓋をせず、⑥筒と入れ替えておけば、国士放銃は避けられたんですね。しかも、⑨筒が入れば、この手は純チャン三色含みになるので、5ファンも高くなったことになります。

麻雀マンガなら、テンパイ一巡後に⑨筒と入れ替えて、⑥筒切りリーチ。国士をかいくぐって、9索を一発ツモしていそうです。原先生の手牌が全然見えないので気づきにくいですが、いろいろと想像が広がるシーンでした。

第1位 これは麻雀技術の初歩だな(第1期 第6話)

1位はこれしかないでしょう。この一連の記事を書くきっかけとなった思い出のシーンです。しかし、改めて見ると、1〜3位までずっと国士の話になってしまいましたね。

第1期第6話では、普段は振り込んでばかりの未知子が、珍しいことに⑨筒待ちの役満・国士無双をアガります。

アガリの直前に、未知子は、「発を切るか? 中を切るか?」の選択で発を切っています。実は、このとき、下家は中待ちのメンホン七対子の大物手をテンパイしていました。つまり、中を切っていれば、役満成就はなかったことになります。そういった闘牌の綾だけでなく、このシーンは麻雀の手筋としても理にかなっていました。

下に貼った麻雀マンガ『勝負師の条件』で説明されているとおり、捨て牌にある第一打の⑧筒切りは、未知子が⑨筒を持っておらず、当たり牌になっている可能性が高いことを示しているんですね。

この『勝負師の条件』の主人公・桂木さんなら、当たり牌の⑨筒をビタ止めして、「⑧筒が早くでたのは⑨筒が無いからだ―」

と言ってくれたはず。

第7期 第10話

ちなみに、最終シーズンである第7期の最後の麻雀シーンでも、未知子を元に作られたアンドロイド「未知子ロイド」が国士無双をアガっていました。セルフオマージュなのか、このときの捨て牌も第一打は⑧筒でしたね。なお、この国士無双は北待ちであり、⑨筒が当たりというわけではありませんでした。

2.『ドクターX』『ドクターY』役満・手役集計結果

『ドクターX』『ドクターY』の麻雀シーンから、出てきた役満とその他の手役を集計した結果が以下になります。

一番多く出た役満は国士無双

第1期 第6話 初の国士無双

まずは、「麻雀の華」役満の集計結果から。

■『ドクターX』役満集計結果

■『ドクターY』役満集計結果

『ドクターX』全7期で、役満が出たのは26回。そのうち、実に15回を神原さんがアガり、19回を未知子が放銃しています。さらに、『ドクターY』の麻雀シーンは役満しか出ないので、この5回分(放銃はすべて加地)を加えると、役満の総出現回数は31回になります。

よく出る役満ベスト3は、「国士無双、大三元、九蓮宝燈」でした。通常の麻雀なら「国士無双、大三元、四暗刻」が頻出役満ですが、『ドクターX』は、未知子に振り込ませるために麻雀をやっているようなものなので、ツモアガリがきわめて少なくなっています。そのため、四暗刻はロンアガリできる四暗刻単騎にならざるをえず、出現回数が少なくなっています。

ちなみに、オンライン麻雀ゲーム「天鳳」で、今月出た役満の統計データが以下になります。やっぱ大分違いますね。九蓮宝燈がこんなに出るわきゃねーよな。

2025/01/23 23:18時点の天鳳統計データ

純チャン三色多すぎ問題

第1期 第1話 初の純チャン三色

そして、役満以外の手役をざっと集計した結果が以下になります。

■『ドクターX』手役集計結果

特筆すべきは、純チャン三色の出現回数の多さです。タンヤオ三色と同じく8回出ていますが、端っこの牌しか使えない純チャンは、実際の麻雀では出現頻度がきわめて低いんですね。『ドクターX』の赤なし麻雀とは異なり、赤ありの統計データになりますが、天鳳では、全アガリのうち、タンヤオの割合は21.9%だったのに対し、純チャンの割合はわずか0.3%でした。

2025/01/23 23:18時点の天鳳統計データ

なぜ、『ドクターX』では、こんなにもチャンタチャンタしているかと言えば、赤なし麻雀では、タンヤオ系よりもチャンタ系の方が、リーチしなくても点数が高くなりやすいことが理由だと思います。

未知子「誰もリーチしてないし、何でも切っちゃうぞ!」 → 「ロン」 → ぴえん🥺

という黄金パターンに、純チャン三色は、役満と並んでうまくハマったからではないでしょうか。

3.劇場版『ドクターX』麻雀シーン予想

それでは、最後に劇場版の麻雀シーンを予想してみます。しかし、公開から一月以上たってから、予想とか言ってるこのズレっぷりよ……。やっぱ公開前にちゃんと書いとかないとダメだよね……🥹

役満予想

『ドクターY』第4弾 ブラック牌での国士無双

ドラマでは、一番多く出た役満は国士無双でしたが、劇場版では、どんな役満が飛び出すのでしょうか。

実は、上に貼った予告ですでに、神原さんが未知子から国士をアガることは確定しています。「はい、解散」という話ですが、予告を見なかった体で予想してみます。

Mリーグ公式ルール(◎は面前役)

Mリーグ公式ルールでは12ある役満のうち、ドラマでは10の役満が出ています。出ていないのは、「天和」「地和」の2つだけです。「天和」「地和」が出なかったのは、『ドクターX』の麻雀シーンの定番が、「会話しながら麻雀を打っている途中で未知子が振り込む」というものだからでしょう。「天和」「地和」では、会話の間が取れない上にツモアガリしかないですからね。

というわけで、すべてを語り尽くしたエンディングで、今まで出ていなかった「天和」「地和」が出る可能性はあるかなと思っています。

手役予想

第2期 第8話 唯一のツモアガリの純チャン三色

劇場版の予告を見るかぎり、復讐劇に過去話に海外ロケ(?)とストーリーは二転三転しており、過去キャラも新キャラもいっぱい出てくるので、麻雀シーンはほとんどなさそうです。
神原さんが国士をアガってしまうので、あってもあと一つくらいだと思いますが、できれば、『ドクターX』の麻雀シーンの顔である純チャン三色は出してほしいですね。

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