まぼろし座の座長

バーチャル劇団まぼろし座、座長 本職:脚本家・ゲームシナリオライター Mail:actman617@gmail.com

まぼろし座の座長

バーチャル劇団まぼろし座、座長 本職:脚本家・ゲームシナリオライター Mail:actman617@gmail.com

最近の記事

Skeb納品作品:その神は完璧だった。

人は神をこのように語り継ぐ その神の名はなく、完全にして完璧を現していた。  邪なる神によって荒れた世界を救うべく、我らが祖の求めに応じて降りしその神は、決して姿を現さず、その御言葉のみで世を救った。 「其方らの迷いを与えぬよう、我が姿は秘するものとする」 「我が声は其方らを導くもの。我が心は其方らのものとならぬもの」 「幸いを目指し生きよ。それは神の望みである」  神がそうお唱えになると、人々は戦いを止め、懸命に努力し、荒れた大地を耕した。神の御言葉に沿って世界が富むと、我

¥100
    • 久しぶりにnoteみたらフォロワー数めっちゃ増えてて笑った 近い内にフリードリヒの最終回書きますね

      • 演劇という「空間」をご提供致します

        演劇は常に一期一会。 いなせな男優が繰り広げる快刀乱麻の活躍も、花も恥じらう女優の紡ぐこの世を禊ぐような歌声も、幕が降りればもう二度と相見えることはない。 そんな当たり前を覆す試みこそ、今回のお芝居「星の数ほどの彼女」です。 今回のお芝居の形式、「立体保存演劇」についてざっくり説明しますと ・VR空間上に演劇舞台を設置 ・ボタンを押すことで何度でも再生可能 ・観劇後、ユーザーは観たお芝居を「舞台ごと」Boothで購入可能 ・購入したユーザーは、自分のコンテンツに購入した舞

        • 【聖騎士フリードリヒ、星の海を越える:破】

          『遥か昔、この球状星団が人工衛星と連結し、古の星々をテラフォームする前のこと。  ここは射手座と呼ばれ、インセクトノイドとヒューマノイドの間の子が百発百中の星間射撃を披露していたそうだ』 「だからぁ……っ!?」 『この星雲のヒューマノイドは射撃が上手い』  もう十何発目かの狙撃を防ぎながら私、聖騎士フリードリヒ・ヨーゼフ・ルートヴィヒ・カール・アウグストはエリーゼと共に建物から建物へと天井伝いに移っていた。  この狙撃によって神聖ドロイド帝国軍の精鋭が何度も陽電子頭脳を換装

          ¥200

          【聖騎士フリードリヒ、星の海を越える:序】

          「ねぇ、生きてるの?」  くたばり損ないにかかる声は、軽薄で、甲高いヒューマノイドの声だった。    神聖ドロイド帝国によるM28球状星団への聖戦は失敗に終わった。  M28球状星団に生存するヒューマノイドによる激しい抵抗があったのは事実だが、実際は神聖ドロイド帝国内の政治闘争によるグダグダが軍に波及した結果である。  西暦4022年になろうが兵站が崩れれば軍が機能しないのは必然であり、現に帝国軍十個師団は半壊し、軍部は文字通り“頭脳”を抱えて我先にと逃げ出した。  私のよ

          ¥200

          【聖騎士フリードリヒ、星の海を越える:序】

          フレッシュ魔法おじさん AROUND☆FYFTY!!――14

           陽のあるところに陰があるように。  ホワイト企業が存在する裏に、必ずブラック企業は存在する。  そしてそれは決して対等ではなくーーホワイト企業が一筋の光ならば、ブラック企業は夜の帳が如く世を覆っているのであった。 『何、JKの間で魔法少女がバズっている……?』 「はい、CEO。主にラインを経由して、徐々にツイッターへとバズりが広がっているようです」  アッシュマン・タイムズ・ホールディングス。  それは世界有数の大銀行であり、証券取引業であり、その他多種多様な側面を持つ

          ¥100

          フレッシュ魔法おじさん AROUND☆FYFTY!!――14

          ¥100

          バーチャル劇団まぼろし座第一回公演「電子の大海」脚本

          (当脚本はyoutubeにて配信しているVR演劇、バーチャル劇団まぼろし座第一回公演「電子の大海」で実際に使用した脚本となります) (当脚本の著作権は私、 ハシビロコウ◆.jWOXYLbLoに帰属するものとなります。当脚本を用いた公演を希望される場合は、必ず購入したことを証明する画像・スクリーンショットを御用意の上でご連絡ください) 【第一回公演:電子の大海】作:ハシビロコウ ◆.jWOXYLbLo []:ト書き(舞台の動きに関する説明文。役者・舞台装置の動きはこれに

          ¥500

          バーチャル劇団まぼろし座第一回公演「電子の大海」脚本

          ¥500

          キャラクターをどうやって作るか考えよう――基礎となる考え方メソッド

           こんにちは、ぼくは魔法おじさんなる小説をnoteで書いている命知らず、ハシビロコウというものです。  今日はnoteの偉い人に「魔法おじさん面白かったけど、特定の界隈の人たちがめちゃ助かるもの書くのオススメだよ^^」と言われたので権力に屈してHow to記事を書きます。  勿論嘘です。ぼくが好き勝手して儲けに繋げるの大好きだからです。  ジョークもそこそこに、本題に入りましょう。  この記事は「キャラクターをどうやって作るのか」、その考え方についてまとめたものです。  作

          キャラクターをどうやって作るか考えよう――基礎となる考え方メソッド

          フレッシュ魔法おじさん AROUND☆FYFTY!!――13

           魔法おじさんチャロ☆アイトは娘を持つ中年おじさん美少女であるッ!  彼は息子に惚れられ多くの疲れ切った社会人をガチ恋勢を増やし続ける、恐るべき魔法おじさんなのだ!!  しかし、そんな経験を経た彼の精神を大きく揺るがす一言が、今まさに実の娘、節奈から解き放たれたッ!!!   「……カレシに、フラれたんです」  こうかは ばつぐんだ!

          ¥100

          フレッシュ魔法おじさん AROUND☆FYFTY!!――13

          ¥100

          フレッシュ魔法おじさん AROUND☆FYFTY!!――12

           業務を終え、慰めのつもりでケーキを買って帰った後。  節奈は既に自室に籠もり、帳を落としていた後であった。 「夕飯もまだだっていうのに……」 「あなたのゼリーかっぱらっていったから大丈夫じゃないかしら」 「俺の?」 「あなたの」 「そうかぁ……」  ちゃんと食べる元気があったことに安堵すべきか、ちゃんと名前を書いておいたのにと落胆するべきか。  とっておきのいちごゼリーという尊い犠牲に涙しながら、文雄はできたてのオムライスにありついていた。  冷えた内臓にオムレツの熱が

          ¥100

          フレッシュ魔法おじさん AROUND☆FYFTY!!――12

          ¥100

          フレッシュ魔法おじさん AROUND☆FYFTY!!――11

           子どもと会話するコツは、とにかく共通の話題を作ることである。  単純なようでいて、これは中々に難しい。歳を取れば取るほどに、新しいことに手をつけるのは難しくなっていくからだ。  だがしかし、魔法おじさんは自身の肉体と他者からの認識を若返らせることで、それを刷新することができる。 「化粧は肌の保湿くらいでいいんじゃないかい?」 「えー。なんか地味じゃない?」 「若い内は素材を活かした方がいい。化粧の匂いは結構肌にクるよ」 「意見がおじさんくさーい」 「えぇ? 口臭いのかなァ

          ¥100

          フレッシュ魔法おじさん AROUND☆FYFTY!!――11

          ¥100

          フレッシュ魔法おじさん AROUND☆FYFTY!!――10

           おつかれライブは成功に終わった。何一つ失敗もトラブルもなかった。  疲れ切った老若男女の心のオアシス、古き良き飲み会やキャバクラの華やかさを踏襲しながら、今時のささやかな時の過ごし方に倣う暗闇でのやり取りは、訪れた人々の心に確かな彩りを与えた。  しかし文雄はそのことの全てを喜べず、一抹の不安を抱えざるを得ない。 「息子が私の水玉コラをいいねしてる……」  魔法で人を幸せにできても、魔法少女へのガチ恋とツイッターの雑仕様を終わらせることはできないのだった。  業の深い話

          ¥100

          フレッシュ魔法おじさん AROUND☆FYFTY!!――10

          ¥100

          フレッシュ魔法おじさん ラブリー♡プロファイル

          《魔法おじさん》:愛と勇気と魔法で美少女になることができるマジカルでミラクルなおじさん達だ!          ちなみに童貞じゃなくてもなれます。魔法使いじゃなくて、魔法おじさんだからね! 【魔法おじさん:田中 文雄(たなか ふみお)/魔法少女:チャロ☆アイト】 年齢:47/14(外見年齢) 性別:♂/♀(肉体的には内部の想像が甘いため無性) タイプ:現実逃避・献身型 身長:175cm/146cm 体重:75kg/39kg 3サイズ(C/B-W-H):75-75-89/7

          フレッシュ魔法おじさん ラブリー♡プロファイル

          フレッシュ魔法おじさん AROUND☆FIFTY!!――9

           「息子の推しが実の父」という昨晩の事件は、魔法おじさん達に決して少なくない衝撃と戦慄、そして世知辛さを与えた。  長い時間を生き、数多くの経験を積んだ彼らでも家族に、それも同姓の同姓にガチ恋されるなどという経験はあった試しがない。  魔法少女としての姿に懸想されているのがまだ救いであった。もし同性のままであれば——勿論、そういう愛の形もあると彼らは知っているものの——身内に魔法少女生命を絶たれることすら覚悟しなければならなかった。 「息子が非行に走るよりもキツい……ッ」

          ¥100

          フレッシュ魔法おじさん AROUND☆FIFTY!!――9

          ¥100

          フレッシュ魔法おじさん AROUND☆FIFTY!!――8

          『今日のお昼はかつ丼です。おいしそう』  簡潔な一文と共に、写真を一枚。  とても簡単な手紙をネットに流せば、さざ波のようにいいねが返ってくる。  リツイートが少しずつ少しずつ、より多くの人々へ拡散していく様は、まるで電子の海に流すボトルメールだと、魔法少女チャロ☆アイトは想いを馳せた。 「ブログはやったことあるけど、こういうのは新鮮だなァ……」 「おや、ツイッター始められたんですか?」 「はい。所長に勧められて」  写真撮影の許可を貰った店主にお礼を言って、チャロと夜

          ¥100

          フレッシュ魔法おじさん AROUND☆FIFTY!!――8

          ¥100

          フレッシュ魔法おじさん AROUND☆FIFTY!!――7

           人生は何が起こるかわからぬもの。  晴天は霹靂となり、おじさんは魔法少女になる世の中である。  そんな文雄に息子、段からの催促があったのは、悪徳経営怪人を退治してから間もなくのことであった。 「え、小遣いがほしい?」 「あぁ……そう。出来れば、二万円くらい」 「そりゃいいけど、何に使うんだい?」 「それは……」  金の無心とはいえども、最近は親子らしいやり取りもご無沙汰であった文雄である。  ちょっとだけ詮索しても構わんだろうと、やや意地の悪い笑みを浮かべて続きを促した

          フレッシュ魔法おじさん AROUND☆FIFTY!!――7