朝日杯フューチュリティステークス 2022 回顧
【レース展開】
H(ハイ)前半型 SP持続型 45.7-48.2
12.4-10.4-11.3-11.6-12.1-11.7-12.0-12.4
前半からある程度流れる展開からのSP持続力勝負の展開。直線は加速面よりもSP持続力と共にある程度パワーも問われた印象。
ドルチェモア 1着
【決め手】前半要素の強み見せる・Hペースでも末脚自慢を封じる
好発で一気にハナに立ったが控えて好位内目追走の形。道中は前半34.1秒の流れを好位でスムーズに追走し、4角から直線入口を持ったままの手応えで迎えて直線へ。直線序盤で少し外目に持ち出してようやく追い出しを開始。追われてからそこまで鋭い反応では無かったがジリっと伸びると、残り1Fで先頭に躍り出る。そのまま最後までしぶとく伸びきる形でゴール前で2着馬の追撃を受けたが、これをクビ差退けて押し切り勝ち。
前走のサウジアラビアRCはハイペースも離れた2番手で実際にはスロー寄りという流れで結果を出したが、今回はハイペースの3番手追走で明確に前半要素を引き出す形になった。あまりの好発で一気にハナに立ってしまうなど先行力の高さは見せたし、前半34.1秒という流れを追走しても末脚が削がれることは無かった。流石に最後は2着馬(ダノンタッチダウン)に詰め寄られたものの、前半要素の強みを生かして長い直線で押し切る競馬を見せたのは高く評価されていい。特に2歳のこの時期に明確に前半型での強みを見せたのは好材料だし、ダノンタッチダウン(2着)、レイベリング(3着)と言った末脚自慢の馬を封じた意味は大きい。現状ではマイルがベストという感はあるも、距離延長となっても対応できそうな雰囲気はあると思う。
ダノンタッチダウン 2着
【決め手】二の足?、前半追走に苦労?・後半要素の強み引き出す
若干出負け気味で序盤は押しての追走から中団内目の位置を確保。3~4角を内々を通すことになり、若干包まれ気味なのか前が詰まり気味で少し位置取りを下げる形に。4角で動いて直線序盤で内目からジリっと伸びを見せるも少し追い難そうな感じ。半ばで外目に誘導されて明確な進路を得ると伸びを見せ始め、最後の1Fで思い出したかのようにエンジンが掛かって前との差を一気に詰めたが、勝ち馬にはクビ差届かずの2着まで。
少し出負け気味という事もあったが、二の足がイマイチで前半の追走に少し苦労したかなという印象。勝負所で包まれ気味になって直線序盤でも進路取りにも苦労した感じだったが、やはり追われてからの反応と加速面でも少し見劣った感じはする。ただエンジンが掛かった最後の1Fでグンと加速していて、最後はそれなりの伸びを見せたが差し届かずという形。見事なまでに前走のデイリー杯とほとんど同じ内容であり、やはり今回も前半要素を起因とした位置取りの差が出た印象は強い。ただ前走と比較しても明確に速いペースを追走してのものだし、これでも結果的に0.1秒差の2着と後半要素での強みは見せて来た。流れる展開でも確実に末脚を使えるという所を見せた意味はあったと思うし、やはり本質的にもう少し距離が欲しいタイプだと思う。
レイベリング 3着
【決め手】好位追走で流れに乗る・Hペース追走も後半要素で見劣りせず
発馬五分から中団前目の外から好位外目追走。道中は好位外で流れに乗る形から、4角から直線入口で外からジワッと押し上げて直線へ。直線は序盤で追われて伸びを見せるも少しジリっぽい印象。それでも半ばから最後の1Fでもしぶとく脚を使う形で先に抜け出した勝ち馬(ドルチェモア)追いかける格好。最後も決して止まってはいないがゴール前では外から来た2着馬(ダノンタッチダウン)に交わされて3着まで。
中団前目から好位外目で流れに乗る形で、最後までしぶとく脚を使って来た感じ。新馬戦の瞬発力型のイメージとは真逆の内容を示しており、大きく進境を見せたのと同時に地力の高さを証明した形にもなった。懸念された前半要素の課題も前半34.1秒の流れを好位外目という位置でスムーズに追走して問題としなかったし、その流れに乗って流石に加速を引き出すことは出来なかったが持続力を見せて後半要素でも一定の内容を示した形になる。最終的に2着馬に交わされたものの、その2着馬(ダノンタッチダウン)は後半要素を引き出す形で好走したのに対してこちらは前半要素で見劣りせずで、前後半の要素を共に引き出した事になるのは今後大きな意味を持つと思われる。
キョウエイブリッサ 4着
【決め手】終始スムーズさを欠く内容で?・直線で長く末脚を使う
好位内目追走も3角の手前で少し寄られて下げる形で中団内目追走。3~4角をそのまま内々を通してくるが、4角手前で気合い入れの為か謎のムチが飛ぶも4角で前が詰まって仕掛けを待つ形のまま直線へ。直線序盤から内を衝く形でジリジリ伸びを見せるが脚色はそこまで目立ったものでは無い。最後の1Fで勝ち馬の直後を取るとそこから更にもうひと伸びを見せ、最後は上位3頭には0.2秒離されたが単独の4番手を確保してゴール。
終始内々を回って直線も最後までしぶとく伸びきる形で0.2秒差の4着善戦。ただ終始乗り難そうと言うか明確な理由が無い感じで何故かスムーズさを欠いた…というような感じのレース。3角の進入で下がるし、4角では謎のムチ。直線序盤も進路はあるのに伸びあぐねる感じだし、最後の1Fで思い出したかのように伸びを見せて…と外から見た感じではよく分からないギクシャクした感じの内容だった。まぁ少し内にモタれ気味…という感じも見受けられ、終始追い辛そうというか真面目に走ってないと言うか、とにかくスムーズな感じが無かったのは気になる。しかしそれでいて0.2秒差の4着は地力の表れだと思うし、前走の感じからも長い直線は合うタイプだと思われる。ちょっとマグレの激走とは思えないので次戦以降も要警戒となるだろう。
バグラダス 5着
【決め手】Hペースも後半要素を引き出す・直線半ば進路詰まり気味で
好発から好位集団の中でレースを進め、3~4角は内々を回して直線へ。直線は最内を衝く姿勢を見せて果敢に最内に突っ込んでいくが、前のオールパルフェ(6着)がフラフラとした走りで明確な進路を得られない感じの追い出し。最後の1Fで完全に前が開けてそこからグンと伸びを見せたが、外から来た馬の脚色が良くて5着止まり。
前々で流れに乗って直線は最内を衝いて伸びを見せたが、半ばで前の馬に引っ掛かって少し待たされる格好になったのは痛い。最後1Fで前が開けたものの、外からスムーズな加速態勢を得た馬との脚色の差は大きく、最後は若干ではあるが脚を余したような格好になると思う。結局は4角からは勝ち馬(ドルチェモア)の後を追うように進出していて、直線序盤で外目に持ち出した勝ち馬に対して、こちらはあくまでもインを衝く形に固執した分の差が大きく出た印象。まぁこれでも直線半ばで狭くならなければ勝ち負けに持ち込めた可能性は十分にあって、この辺りは鞍上対してもあまり責められないかなという感じ。流れる展開でも上位馬と同等の後半要素を引き出せたという事、さらに距離延長を問題としなかった事を最大の収穫とすべきだろう。こちらも次戦は要警戒の馬となる。
オールパルフェ 6着
【決め手】好発、主導権握る・直線序盤~半ばで伸びる・最後1F止まる
オオバンブルマイ 7着
【決め手】出負け致命的、後方待機・前半追走苦労?・直線鋭伸も届かず
ティニア 8着
【決め手】中団外目追走・直線伸び負け・最後1F脚色鈍る
コーパスクリスティ 9着
【決め手】出負け、後方待機・4角他馬に体当たり?・直線伸びるも届かず
グラニット 10着
【決め手】好発、好位追走・直線序盤で伸びるも・最後1F余力なく
ニシノベストワン 11着
【決め手】最後方待機、直線勝負・直線半ばまで進路探し・時すでに遅し
ドンデンガエシ 12着
【決め手】後方待機・直線内衝くも殆ど追わず・進路取り噛み合わず?
スズカダブル 13着
【決め手】中団待機・直線追われて内にモタれ通し、伸びきれず
ミシェラドラータ 14着
【決め手】好発、控えて中団・直線半ばで挟まれるも・直線半ばで一杯
ウメムスビ 15着
【決め手】好位外目追走・道中掛かり気味・直線半ばで一杯、失速
フロムダスク 16着
【決め手】出負け、最後方待機・直線勝負に徹するも・直線半ばで余力ナシ
エンファサイズ 17着
【決め手】出負け、中団外目追走・4角で他馬に弾かれ?・直線半ば余力ナシ
【見直しの余地アリ】
キョウエイブリッサ 4着
(終始スムーズさを欠くギクシャクした走り・不利は無いが次戦に注目)
バグラダス 5着
(直線半ばで前が詰まり気味で脚を余した印象)
オオバンブルマイ 7着
(出負け致命的、直線結構な脚色で伸び見せるも差し届かず)
ニシノベストワン 11着
(最後方待機で直線勝負も進路取りが後手後手。もう少しやれても?)
ドンデンガエシ 12着
(直線内衝く形も直線殆ど追わず。進路無くてヤメたのか異常発生か?)
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