何故すた丼屋に行くのか
すた丼がすき。
大学近くに『すた丼』の本店(2店舗あります)があって、週1で食していた。すた丼を好きになった理由は単純明快で、
量多い、豚肉たっぷり、安い
体力を持て余す動き盛りの大学生には、打って付けのドンブリだった。
気がつけば、すた丼は私のソウルフードになった。
社会人になり、勤務地が愛知県内になった。自然とすた丼を食する機会が減っていったのだが、社会人10年目となった今年、名古屋に伝説のすた丼屋があることを知った。久しぶりに口にして、気が付けば月1で通うようになった。
すた丼をもっと身近に食べたい、と思いすた丼を自作してみることに。YouTubeですた丼 レシピ と検索したら、やっぱり色々ありました。
その中で選んだ動画がこれ。
3回目くらいで店のすた丼と同じくらいの味になりました。私の作ったすた丼を妻も美味しい、と気に入ってくれて、すた丼は我が家のメニューになった。
すた丼が自作できるようになった。これで禁断症状が出ても店に行かずに対処できるようになった。
すた丼を店で食べなくて良いのか
が、である。本当にすた丼屋に行かなくなるのか?
いや、行くね。私はすた丼を食べに行かなくてはならない。
何故か?私なりに考えた理由は3つある。
すた丼屋のすた丼こそ、すた丼
本物のすた丼とは何か?それは勿論、名物 スタ丼 サッポロラーメン 国立本店か伝説のすた丼屋各店舗(以下『すた丼の店』)で食べる、あの丼ぶりが本物のすた丼である。
豚肉の柔らかさ、ニンニクと醤油ベースのタレのガッツリ感、豚肉と白米の間のノリの食感、そして丼に添えられた沢庵、それらが合わさった集合体である。
私が自作したすた丼は100%あの味を再現しきれない。80%再現できれば、すた丼を食している気分にはなるが、本物の味を求める気持ちがなくなることはない。逆に、ホンモノの味を確かめたい、という思いが強くなっていく。
本家本元が絶対的に確立している状態では、他のモノは二番煎じだし偽物でしかないのだ。
すた丼屋で食べるすた丼こそ、すた丼
すた丼を食べたい、と私が考える時、私が求めているのはあの豚肉が載ったボリューム満点の丼だけではない。
本物のすた丼とは前述したとおり、すた丼の店が作ったすた丼である場合、すた丼を提供してくれる、店もすた丼の一部なのである。店の入口を開けたときに臭うタレの匂い、忙しなく店員が行き交う厨房とそれに面したカウンター、若干ヌメリ気のある店内、セルフサービスの水と一緒に食すすた丼こそが「本物のすた丼」なのである。
あの雰囲気を味わわず食べるすた丼は、漏れなく偽物である。
勿論、テイクアウトしたすた丼も本物のすた丼である。袋や容器からもすた丼の雰囲気を感じることが出来るからだ。
すた丼屋に行く体験がpriceless
私が求めているものがハッキリした。
すた丼の店に行って、
すた丼を食す。
ということである。
この2つの要件を満たす体験をすることで、すた丼を食す、という欲求を満たしている。それ故に自作のすた丼では決して満足することが出来ないのである。
つまり、私がすた丼に求めているのは食欲を単純に満たすだけではない。すた丼の雰囲気を感じることも含めてすた丼を食すことであり、すた丼を食べることはその一部分に過ぎない。
私は、すた丼というモノを食べることではなく、すた丼屋に行くコトに対して価値を見出しているのである。
自分の中のすた丼という体験価値をアップデートするために、これからもすた丼に通うのである。
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