マフラーに お好み焼きが 残ってる
引き留める あの手この手で 外は雪
待ちわびた 破顔一笑 雪解けだ
後ろ向き 一月の雨 傘回す
シャワーなら 42℃の 冬の君
冷え切った ハンドルふたり 手を重ね
窓の外 春めく陽射し ひとりじめ
吐露の熱 受け止めきれず 溶ける雪
鼻歌は 春一番に 乗せられて
日をまたぐ 寒くてここを 抜け出せず
朝6時 冬のトイレで 脳走る
苦しいなあ つぶやく友の 冬の恋
冬重く 一縷の望み 絶たれるか
節分の 豆 個包装 手渡され
雪ならず 君は留まり 湯を沸かす
冬の恋 たぶん出口は ぬかるんで
冬の波 誘う流木 ひきとめて
遊歩道 ロウバイの角 猫と君
北風を さけて駅ナカ 小説と
冷え込みを 温めうるか 笑み交わす
ささくれを 守りに入る 大人たち
まだ残る イルミネーション あの想い
われひとり 年末に向け つんのめる
手袋を しない意味さえ 測りかね
そのネイル まずは気づいて 聖夜だね
つま先を 毛布で包み くすぐって
お雑煮の 餅抜き頼む お年頃
失敗が 胸に寒くて 声が出る
七草を 空で唱えて たまごがゆ
初夢は なぜかバスケで 足がつる
鏡餅 蜜柑じゃ少し アンバランス
ただ呷る フォームミルクに 冬日差す
曇りなき 一月四日は 君のもの
誘う手の 甲は冷たく ぎこちなく
手をつなぐ 次第に冷えて ゆく指よ
たそがれに 手をさしのべて 初もうで
緊張か 寒さか長い 指ふるえ
ああそうか ほぼ水の泡 大晦日
惣菜を 残して冬の 朝助く
反芻が 反省を生む 大晦日 ありがとうございました 8^₎
モーニング でかい皿にも 冬は寄る
さよならに タイムフライズ 背にイルミ
冬はカフェ デート気分で 友を待つ
吐く息の 白さに乗せて 過去にする
手袋が 抜けて笑ける 好きすぎる
左手の 白いコートを 上げて笑み
ハイ ファイブ 入試に君を 送り出す
ほどければ ただ愛される 梅の花
高い背に 同じ月見る とか言って
友だちに 紛れて送る 雪だより