靴下の 穴繕ひて 宵ひとり 暮らしごととは 斯ることとぞ
街夜空 求むるこころ 果てもなく 更なる光 星のあはひに
返り咲く 狂禍の人と 取り巻きや ヴォルデモートと デス・イーターか
急きし朝 しばし鎮めと 金雫 紋に広がる 茶の香りかな
暇日の 滋味沁み渡る 微睡みの 只味はひに 身を浸しけり
朝早く 起きたりし子を 労えば 「父尚早し」と 労い返さる
A 搔垂(かきた)るる 氷雨雷(ひさめいかづち) 冬空の 清(さや)か怒りと 思ふ暮方(くれかた) B 雷(かみなり)も 霰(あられ)も打てよ 爽やかに 夜(よ)の不条理を 冬の東京
つとめごと 心渇くも 慰まん 死屍累々の 過去と比べつ
日流れて 月満ち行かむ 睦月の夜 見上げ慄く 冴え空の下(もと)
若人ら 集い音編む 吹奏の 上野夕暮れ 熱気たゆたう