◆個別性の深度を強めれば強めるほど、泉が沸き出でるように内包はどんどん豊饒化する。知性作用はこれに逆行し違うものを同じとみなす方向をとる。抽象度の階梯を上下に移動し、その都度レンズを使い分けているのが私たちの日常である。同メカニズムを見抜き、賢しらな知性主義者に流されないように。
◆ファウストは「時よ止まれ、お前は美しい」と言って肯定したかった。しかし「誰にも時は止められない」(Robert Nesta Marley)。 ゆえに原子の力を、すなわち何ものをも恐れてはならない。 説明は難しい。時の異名こそ生命であり、如如として来たるものだから。