『玉と石の神話76』 本宮に大きな損傷を与えぬよう、地は少しずつ動いていた。 (少しずつ下がっている…) 揺り籠を押さえ振動に耐えながら、金剛は潮の香と波音が近づいているのを感じていた。 王達の力が及ばぬ離宮はトパーズの火に焼かれ、恐らくそのまま波に飲まれ、粉々に流されただろう。