現代企画室/ギジェルモ・カブレラ・インファンテ/寺尾隆吉=訳『TTT』話。ある歓楽街に集まる人物たちの物語と言うのは簡単だが、この遊びに遊びをかさねた言語的実験の塊を語るにはものたりない。翻訳が困難な構造。ハバナの空気を彩る語呂合わせ。全編に渡る巧妙にして奇怪な表現が面白すぎる。
先述に関して。ガルシア=マルケスやバルガス=リョサに合わせるなら、ギジェルモ・カブレラ・インファンテより、ギリェルモ・カブレラ=インファンテ(Guillermo Cabrera Infante)表記の方が調和する。小生人間は不統一の方が好きでも装幀や表記には統一感を望む方なので。