発熱はいつ受診させるかという悩み

子供が熱を出すという事は、基本的に世の中に蔓延している病原性のウイルスや細菌と接触して抵抗力を身につけて行く過程であり、正常な発達だと考えています。無論、敢えて病気にかかる必要なんてないし、ワクチンで予防できるものはワクチンを接種してしまった方が健康上のリスクは少ないと信じています。

正常な発達とは言え熱が出るという事は異常事態のサインであり、たいていの場合は自然に治まりますが、成り行きによっては障害が残ったり生命にかかわる事態になる可能性もあります。
だからと言って「熱が出た」と直ちに医療機関を受診する必要があるかと言えば、そうでもありません。特に風邪やインフルエンザの流行期に医療機関に熱で体力を消耗した子供を連れて行く事は、逆に病気を貰ってしまう恐れもあるのです。保護者は「子供やその他の状況を見極めて、適切なタイミングで受診させる」という難しい判断を要求されます。
タイミングが早すぎると「このタイミングだと検査で分からないかも知れないし、原因が判らないから薬も出せない。もう少し熱の推移を見てからもう一度受診して。」と言われる事もあり、遅ければ「なんでこんなになるまでほっておいたんだ?」と叱責を受ける事もあります。心の中で「丁度よさそうなタイミングの時にお前んところ休診(やった)やん」と毒づいたりしながら頭を下げるのも良くある話です。

熱を計るという行為に至るという事は、子供から普段と比べて元気がない。咳をしたり鼻水が出ている。体に触れると熱い。下痢をしているなどの異常を感じたからだと思います。また、クラスで流行性の感染症が流行っているので念のため計っているというケースもあるかもしれません。保護者が感じる異常が強いものであれば、体温に関わらず受診にいつながるでしょう。困るのは高熱が出ているのに食欲もあって元気だったり、ちょっと咳が出るなどの軽い症状の時です。

これから熱以外の症状が出てくるのか?
このまま熱は下がっていくのか?
高熱が持続する事によって痙攣などを誘発しないか?

最初に脳裏を過るのは”異常の成り行き”に関してでしょう。

仕事の調整をどうしよう?
子供の登園登校をどうしよう?
兄弟姉妹や家族との接触をどうしよう?
かかりつけの医院や病院の診察時間はどうだったかな?
クラスで何か病気が流行っていたっけ?

次に考えるのは”とりまく状況”でしょう。
ここで受診をするかしないかを決断しないといけません。今か、明日に判断を延ばすか。たったこれだけの事ですが、身体の小ささと未成熟さのため予備能力の乏しい子供は容態が急激に変化する事もあり、予想が外れると悪い状況の中で駆けずり回る事になります。私は利用した事がありませんが、あんぱんマンのポスターでお馴染みの”こども医療電話相談事業”に話を聞いてもらう事も助けになるでしょう。

不安な夜を超すたびに、何となく成り行きが読めるようになって来ますが、
乳幼児を抱える保護者にとって、身近にあって悩まされ続ける問題なのかも知れません。



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