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HHKBのある生活

HHKBを使うようになって1年以上が過ぎた。

重さは気にならないけど、それなりにかさばるので持ち運ぶときにはバッグがちょっと大きくなる。

えと。それ以外で気になることはあるかな。

無線で使えば、イスにゆったり座りながら膝の上において、モニター見ながらコトコトできる。ちょっとかさばるけど、外に持ち出しできる。なのでいつでもどこでも快適なタイピングができる。キーマップ変更してショートカットキーを覚えれば、トラックパッドを使わずに、ホームポジションでほとんどの操作をできる。iPad ProとWindowsでの切り替えがすぐにできる。日本語と英語の切り替えを、トグルではなく、かなと英数にそれぞれ設定したキー押しのみで確実にできる。

かなでる音が、何か心を落ちつかせる。今思い出した。秋の山。岩のまえで寝てるとき、ふいに落ちてきたどんぐりが、土の地面に落ちたときの何ともいえない柔らかい音ににているんだ。「ぽす」でもない。「ぽと」でもない。その間のようで、どちらでもないようで。きっと、太古のむかしから、人々が好きだった音。

大きさがちょうどいい。手に持っているときも、打っているときも。手にとてもなじむ。親ねこでも、子猫でもない、その間ぐらいの大きさで両手にすっぽり入るぐらいのねこをなでている感じ。ねこも心地よく、ぼくも心地いい。いつまでもなでていたい。

打っているとき、指がとても心地いい。指が感じるこの感じ。なんだろうな。なんで心地よく感じるんだろ。何かにているんだろうな。人が心地いいと感じる何かに。なめらかで、指をやさしく包んでくれるような感覚。いや包むではないか。指の先で感じることのできる心地よい反発。いや思い出せない。けど、ただただ心地いい。それしかいえない。
あ。そうか。多分、木だな。木で作られたおもちゃで遊んでいるときの感覚ににているのかも。おだやかなさわり心地と、やわらかい音。なめらかに作られた木どおしがこすれるときの感じ。多分そうだ。無垢の木で作られたおもちゃで遊んでいたいのと同じ感覚だ。そうだ。木だ。無垢の。うちにあるのはけん玉だな。

無刻印のすっきりさと、墨の色がとてもいい。主張せず、静かにそこに座っている。まっくろではなく、どこかに淡さを持った「くろ」。まさに墨だ。

機能的なよさである「できる」と、感覚的なよさの「いい」をあわせ持ったHHKB。高いかと、言われればたしかに高い金額。でも買ってしまえば、そんなことは忘れて、ただただ心地いい世界を提供してくれる。

こんなすばらしいものを作ってくれた人たちに感謝するしかない。


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