選挙と熟議 〜成田市長選挙を振り返って〜
12年ぶりの成田市長選挙では、有権者の44%に当たる45,755人が票を投じました。
結果として、現職の小泉一成さんが、5期目の信を得ました。
今回の選挙は、久しぶりの選挙ということもあってか、熱い議論が交わされました。これが、課題感に基づき物事の両面を見た上での〈熟議〉であれば健全な民主主義の発露と言えましょうが、中には、一方の候補者に対して強い不信を抱くがゆえに、もう一方の候補者を応援するという構図も見られました。
(両陣営ともに言えることです)
当然のことですが、選挙が行われれば、票を投じた候補者が当選する人と、落選する人とが生まれます。しかし、選挙の目的は、決して有権者の分断ではありません。立場や思想は、民主主義の一要素にしか過ぎないからです。
民主主義の眼目は、住民の熟議にあります。
この観点から、12年間無投票だった市長選がこの度結ばれたのは、いずれの候補者に票を投じた者にとっても、また白票を投じた者にとっても、善いことであったと言えましょう。政治への参画感を高め、熟議を促す、またとない機会だったからです。
しかし、ここでまた無関心に戻っては、熟議は成りません。残念ながら、今回の市長選の争点の中には、熟議を経てこなかったものもあるように感じました。
選挙の時に文句を言うだけでは、民主主義は空回りするだけです。
生活する中での気づきをみんなに共有すること、そして課題を解決するためにどうしたら良いか専門家に忖度なく議論させること、そしてその議論を踏まえてみんなで政策の功罪を理解した上で意思決定することすることを、次の市長選まで繰り返して行くことが肝心です。
成田市長選挙の次に行われる選挙は、4月9日の千葉県議会議員選挙です。
この千葉県議選も16年間無投票でしたが、私、橋本みきひこが新しい選択肢となる決意をしました。
あと100日余しかありませんが、まだ時間があります。熟議の土壌が少しでも豊かになるように、問題提起し、提案して参りますが、皆さんもいろいろなご意見を出し合っていただければ幸いです。
目下の困ってることはもちろん、10年後100年後を見据えた社会を、熟議の上でつくれればと願います。