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スタートアップの方へ!日本政策金融公庫について解説します。

皆さんは「日本政策金融公庫」という単語を聞いたことがあるでしょうか。スタートアップ企業や中小企業が資金調達のために利用することが多い金融機関で、経営安定化や事業拡大に大きな役割を果たします。

私は資金調達の相談を受けることも多いのですが、「一般的な金融機関から借入をする前に、日本政策金融公庫についても検討してみてはどうでしょうか」と提案することが多いです。

知らない方も多いと思いますので、詳しく解説してみたいと思います。


日本政策金融公庫とは

日本政策金融公庫は、国が100%株式を持つ政府系の金融機関で、国民生活金融公庫・農林漁業金融公庫・中小企業金融公庫・国際協力銀行が前身となっています。それぞれの役割を引き継いでおり、国や地域の経済の発展や中小企業の成長を支援する目的で設立されました。

一般的な銀行とは異なり、預金業務を行っておらず、融資を主とした金融機関です。特に中小企業や個人事業主に向けた支援策が充実しており、金利や融資条件においてもスタートアップや中小企業にとって心強い制度が数多く用意されています。

日本政策金融公庫のメリット

融資の審査が通りやすい

日本政策金融公庫の融資審査は、一般的な金融機関と比べて通りやすいとされています。具体的なビジネスプランや将来性を重視した審査を行っているため、未だ実績が少ない創業間もない企業でも融資を受けることが可能です。

会社としての実績や企業規模を重視しないというだけで、審査が甘いというわけではありません。事業計画や資金計画に説得力があるか、事業主自らしっかりとそれを説明できるか、事業主本人の信用情報に問題がないか(支払い遅延など)、事業主個人に業務経験があるか、など、しっかり審査されます。

無担保・無保証人も可能

無担保・無保証人での融資が可能な場合があります。具体的には、信用保証協会による保証の制度を利用することで、無担保・無保証人でも融資を受けられる場合があります。担保や保証人の準備が難しい創業者や中小企業でも融資を受けやすい仕組みになっているのです。

金利が低く返済期間は長め

日本政策金融公庫の融資の金利は、一般的な銀行融資に比べて低く設定されています。例えば、中小企業向けの一般融資では、基準利率が年1.5%~2.4%となっています。ビジネスローンでは10%を超える場合もあることを考えると、だいぶ低いです。返済期間も最長で20年と長めに設定されているため、借り手の負担を軽減することができます。

スタートアップ・中小企業におすすめな制度

新規開業資金

新たに事業を始める人または事業開始後おおむね7年以内の人を対象とした制度です。新規の事業を始めたり、事業を開始した後に必要となる資金の融資を受けることができます。設備投資などの初期費用だけでなく、運転資金にも活用することが認められています。

融資限度額は7,200万円で、そのうち運転資金4,800万円まで認められています。返済期間は設備資金が20年以内、運転資金が10年以内となっており、長めに設定されています。

資本制ローン

正式には「挑戦支援資本強化特別貸付」という名前の制度です。財務体質の強化や、民間金融機関からの融資円滑化を後押しする目的で設けられた特例制度の1つです。

金利の低さや返済期間の長さも大きなメリットですが、最大のメリットは借入金なのに金融機関の査定では自己資本とみなされる点です。自己資本比率を下げることなく資金調達ができるため、民間金融機関からの追加融資を受けやすくなるのです。

新規開業資金(再挑戦支援関連)

あまり知られていませんが、日本政策金融公庫では「廃業した方」への融資制度もかなり整っています。それが新規開業資金(再挑戦支援関連)です。

最大の特徴は、前事業に関わる債務を返済するための資金としても使える点です。当然ながら無条件で借りられるわけではなく、国が指定する創業塾や創業セミナーなどへの参加や中小企業会計の適用、自ら事業計画書を作るといった条件があります。あくまで返済のためではなく、再チャレンジして挽回するための制度で、挽回できるスキルと計画がある人が対象ということです。

さいごに

政府系からお金を借りると聞くと「面倒な手続きが必要なんじゃないか」と思うかもしれませんが、必ずしもそうではありません。柔軟で使い勝手の良い制度が用意されています。
もちろん手間のかかる部分はありますが、事業計画や面談など、どこの金融機関でも求められる程度のものばかりです。

とはいえ、お金を無計画に借りるのも良くありません。ぜひお近くのスタートアップ専門税理士に相談して頂き、事業計画を共有しながら、借りるべき金額や使うべき制度を相談してください。私としては、税理士の役割はこうした経営者さんの「壁打ち役」になることでもあると思っています。

橋本美菜税理士事務所は、
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