権力と大衆 -国民の分断による統治-

第一回コラムのテーマは「権力と大衆」にする。

近頃、芸能人の大麻取締法違反で逮捕のニュースが相次いでいる。その記事を元に、大麻合法化賛成派と反対派の激しい論争が繰り広げられているのが散見された。

大麻賛成派の最も大きな主張は、
「大麻取締法に科学的な根拠がないから良くない」という点だ。

大麻反対派の主張は、
「ルールは守らないといけないから守れ」「大麻は危険だから罰するべき」「吸いたいならお前が法律変えてみろ」など。

しかし、実際のところこのような議論に価値はあるのだろうか。


法改正について


まず、法改正のプロセスを確認しよう。

立法事実

見直し条項・附帯決議

行政計画・予算要求

有識者会議

法案の作成

与党審査

法案提出

国会審議・成立



これらのプロセスを経て、法律は改正される。
我々大衆が、法律改正に関与できるパターンというのは、

1、騒いで問題にする
2、法律改正のお願いを提出する
3、議員になる

このいずれかではないかと考える。
だが、騒いで問題にしたり、法律改正のお願いを提出するのがほとんどの効果をなさないことは皆さんのご存知の通りだ。
つまり法律を変えるには、議員になるしか現実的な手段が用意されていないことになってしまう。

先進国の大麻事情



日本では違法な大麻だが、他の先進諸国では大麻の非犯罪化・合法化が次々進んでいる。日本も時代にフィットしていない法律の妥当性は即座に考え直すべきではないのだろうか。形式上、法律は改正することを可能とするが、実際変えるのはすごく難しい。なぜなら、議員になるにはかなりの労力とお金が必要だ。

法律を簡単に変えられないのも問題だが、大衆と大衆が対立していることの方が問題だ。

日本の分割統治


第二次世界大戦後の日本において分割統治が行われていることはあまりにも有名だが、この日本の大麻政策についても同じことが言える。

権力者は国民に嘘の情報を与え洗脳する。
真実を知る者達は被洗脳者と対立する。

この大衆⇄大衆という対立構造を、権力⇄大衆に変えなければ日本は成長しない。

対立構造そのものを変えるには、国民一人一人が、


・疑問を持ったことについて世界中から情報を仕入れる
・人から聞いた情報を鵜呑みにするのではなく、自分で調べる

これらを意識するのが大事だ。


最後にデカルトの『方法序説』からひとつ引用して締めくくる。

「賛成の数が多いといっても何ひとつ価値のある証拠にはならない」






参考文献

ルネ・デカルト(1997)『方法序説』(岩波文庫)

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