2020年度版W12が終了。その結果は?
皆さんこんにちは。エンジョイジャパンの橋本です。今年最後の中国ショッピング祭りである「W12 」が、12日までで終了しました。今年は、W12でセールを実施した各ECプラットフォームが売上額を発表しておらず、中国では今回の「W12」を「悄悄来,快快走(静かに訪れ、素早く消え去った)」と表現しています。本日は、その2020年度版「W12」の結果についてお話したいと思います。
今年の11月11日に行われたW11は、天猫の1日の総売り上げが4,982億元(約7兆9千億円)という新記録をたたき出し幕を閉じました。日本でもニュースに取り上げられるほど盛り上がるW11とW12の広告・宣伝量を比較すると、「W12」はかなり物足りない印象を受けます。さらに今年は、例年セールイベントを実施した後に実施される、「促销返场(※)」を実施する店舗が少なく、一部のショップは年明けに実施される予定の「年货节(春節のためにあるショッピングイベント)」の方の準備に専念していました。
※促销返场:メインセールが終了した後に、まだ盛り上がってると見せるために、追加セールをすると意味。
ではなぜ各店舗が、そこまで「W12」に力を入れて宣伝しないのかを簡単に解説します。
①飲料系メーカーの店舗
飲料系は、一年で最も売上が高い時期は6月から9月までの夏から秋にかけての期間と、春節頃です。6月から9月にかけての暑い時期に飲料が売れるのはなんとなく想像がつきますよね。春節は家族や友人とパーティー等、大勢で集まる機会が多いため、売上が伸びる傾向です。そのため、夏場に実施されるセールイベントの「618」と、年始にある「年货节」の期間中に売上を伸ばそうと毎年力を入れて宣伝しています。
②食品メーカーの店舗
W12の前に実施されるW11の割引率が高く、その際まとめ買いする消費者が多いため、W12時は食品に対する需要が減ってしまう傾向があります。なので企業としても、W11は力を入れるけど、W12はそこまで力を入れない、という傾向のようです。
③服飾系の店舗
年末になると、服飾系の店舗は在庫処理するために割引率を引き上げることを消費者は知っているので、W12を過ぎても割引されることを知っているため、わざわざW12に合わせて買い物はしないようです。
各ECプラットフォームのセールイベントを一年間通して見てみると、ほぼ毎月セールに関するプロモーションが実施されています。大きなセールイベントである「女王節」、「春夏新风尚(春夏セール)」、「618」、「秋冬新风尚(秋冬セール)」、「W11」、「W12」、「年货节」等のイベント以外に、年間を通じて100以上のセールイベントが各ECプラットフォームで実施されています。様々な「“主题”活动(テーマイベント)」を開催し、クーポン券で消費者を買い物に引き付けています。このようにセールイベントがあまりにも多いので、割引率が高いイベントの際に買い溜めをした消費者は、なかなかすぐには購買意欲が上がりません。なので、今回のW12のように、大きなセールイベントの次に訪れるセールイベントでは、なかなか買い物をしなくなってしまいます。
これまで、W12はW11より、売上規模が小さい傾向でしたが、商売チャンスを最大限に生かすのが中国ですので、これからもこの状況が続くとは限りません。今後の動きに注目していきたいと思います。
気になることがありましたら、ぜひ橋本までご連絡ください。
メール:hashimoto@enjoy-japan.jp
【公式youtubeチャンネルでもW12について解説しています】
5分でW12について分かりやすく解説しています。ぜひチェックしてくださいね。