【 販売の極意 】 ~心理カウンセリング技法を大衆のために~ [上巻] <part1/3>
ずいぶん昔に書いて電子書籍として販売していた内容をnoteにもアップしてみました。まだ「メンタルボディケア Hashimoto.biz」と名乗る前ですね♪
文章は若いなりなので、お手柔らかにお願いします(笑)
【 販売の極意 】
~心理カウンセリング技法を大衆のために~
[上巻]
「心理カウンセリング技法でおもしろいほど
よく売れる!仕事が楽しくなる!」
Hashimoto.bizカウンセリングルーム
代表 ハシモト マサトシ
はじめに
この本は「こういうときはこうする」といったようなマニュアル本ではありません。そういったマニュアル本的なものは巷にあふれていますが、実はこれらは本質をついたものではないことが多いです。「マニュアル通りにはいかない」という感想を持つ方が多いのではないでしょうか?
某量販店に勤務していた著者は、なんと1人で1日1台以上、平均単価10万円でカラーレーザープリンタを販売するという実績を叩き出しました。年間約380台、内12台(月1~2台)が100万円前後のプロ向けプリンタです。売上額はなんと約5,000万円/年、消耗品での粗利を考えると相当な利益になります。
この実績は“商品知識”や接客術だけでは到底なし得ない実績です。縮小市場であるプリンタ販売の真っただ中で、著者が担当したメーカーの売り上げ台数はウナギ登り。他社から嫌がらせを受ける程でした。
それでも売れるわけです。それまであまり目立っていなかったメーカーをどのようにして売ったのか?モノ・サービスを売る極意がカウンセリング技法の中にはあるのです。
「悪い循環(マイナス・スパイラル)」を断ち切り、「良い循環(プラス・スパイラル)」を引き起こすことです。あらゆる事柄は「連鎖」して起こります。プラス・スパイラルを引き起こし、強化し、安定させ、マイナス・スパイラルに入らないようにする。
一見難しそうなことですが、「誰にでもできる」カウンセリング技法を利用し、これを実現する手引きになればと思います。
また、新しく入ってくる販売員の教育などもしてきましたが、カウンセリング技法を交えて教育をすることで、あっという間に販売のコツをつかんでいくことを目にしています。それも踏まえた上で解説しています。
プリンタや家電の接客販売以外でも、この「技法・知識・在り方」は存分に応用可能です。ぜひこれを読んでいただいた方が日々楽しく仕事に向かえるよう活きればと思います。
○ 悪い循環がありませんか?
営業・販売に関わっている人の多くは日々「売れないなぁ」と思っているのではないでしょうか?確かに「売る」という行為は「買ってもらう」ことなしに成立しませんし、「買ってもらう」ということはなかなか簡単なことではありません。
しかし、まず始めに大切なことは「売れない」と思わないことです。「売れない」と思っていると、簡単にマイナス方向の循環(以下「マイナス・スパイラル」)が構築されます。
「売れない」→「商品に自信を持てない」→「接客・営業の内容が悪くなる」
→「売れない」・・・・・
このスパイラルに気づき、どこかひとつを変えることで、いい循環(プラス・スパイラル)を作り出すことが可能です。「売れない」と思っていることは先入観、そしてそこから発生する「商品に自信を持てない」は商品分析、「接客・営業の内容が悪くなる」は接客自体という項目に分けることができます。これらのどこかであろうと、取り組み始めやすいところから始めましょう。
この後の章ごとに、このマイナス・スパイラルを解消し「売れる販売員」「売れる営業マン」になるためのきっかけが散りばめられています。この「スパイラル」を頭に置きつつ読み進めていってください。
-目次-
Ⅰ 接客・営業・販売に活きるカウンセリング技法 ・・・ P.6
○ カウンセリングの基本スタイル「話す」よりも「聴く」
○ お客様は買うことが大好き
○ 悪い接客をよく見てみましょう
○ いい接客の根本に持っておく「想い」
○ 話すよりも「聴く」
○ オープンクエスチョンを使う
○ クローズクエスチョンを使う
○ 「共感」的に聴く
○ お客様が「喜ぶ」のはいいが「喜ばせる」のはいい接客にならない
○ 「無条件の肯定的配慮」とは?
○ 「カタルシス」とは?
○ まとめ
○ 付録 ~営業への活かし方~
Ⅱ 実践ではこうする! ・・・ P.25
売れないわけがない
先入観に気づく
なぜ「売れないわけがない」のか?
商品分析のしかた
声をかけましょう!
機会損失を防ぎましょう!
立ち位置を工夫しましょう!
「これください」にはこう対応する(ひっくり返す)
在庫欠品で代替え商品を紹介するときはご用心
難しそうに見える「これください」のひっくり返し方
「聴く」接客の方が時間短縮になる
これは絶対やってはいけない!
接客にはメンタルが強く影響する
まとめ
付録 ~営業への活かし方~
Ⅲ 売るためには「準備」が主役! ・・・ P.49
準備が全てです!
商品分析は「絶対評価」と「相対評価」と「尺度」
スペックはより正確に覚えましょう!
製品を好きになる!
旧製品を知っていると強い!
目標を立てましょう
裏ワザを持っておきましょう!
チームワークを強化する
売り場の作り方
まとめ
付録 ~営業への活かし方~
■ 上巻のまとめ ・・・ P.113
■ 下巻の項目
◆注意◆
Ⅰ 接客・営業・販売に活きるカウンセリング技法
心理学、その中でも特にカウンセリングに関わる技法の中には、普段の生活や仕事に活かせるものがたくさんあります。その中でもカウンセリングのどの流派でも「基本」とされているものを紹介しましょう。カウンセリングとは「コミュニケーションによって不適合を解消する」ことを目的としている流派が多いのですが、その技法は一般のコミュニケーションにおいて誰にでも応用がきくものです。特に接客を例に挙げながら紹介していきます。
カウンセリングの基本スタイル「話す」よりも「聴く」
「傾聴(けいちょう)」「共感(きょうかん)」「無条件の肯定的配慮(むじょうけんのこうていてきはいりょ)」という3つが主になります。ひとつずつ見ていきましょう。
「傾聴」とは簡単に言ってしまえば「話をよく聴く」ということです。「聞く」ではなく「聴く」です。「聞く」ですと話だけを頭で追っていくような聴き方になります。カウンセリングにおける「聴く」とは、話を追うだけでなく、その裏側に流れる感情を察しながら聴くということになります。
私が販売員を教育する際、まず始めに教えるのがこれです。営業でも販売でも、何かモノを売ろうと思ったときに「どうやって売ろう?」という問いが初めにくるでしょう。いずれにせよお客様への商品説明が必要になってきます。「どのように説明しよう?」「どうやってプレゼンテーションしよう?」ということを思いつくでしょう。
しかし、そうやって入ってきた新人に私が初めに教えるのは「話すよりも、いかに聴けるかだ」ということです。
「え?」と思う方が多いかもしれません。「モノを売る」ということを「プレゼンテーション」や「説得」に近い形をイメージしている方が多いのではないでしょうか?
お客様は買うことが大好き
そうではないんですね。話すか、聴くかの前に知っておかなければならない結論、それはお客様が
「買うことが大好き」
だということです。
「え?でもお客様は接客されるのを嫌がるじゃないですか!?自分も買い物に行って接客されるのが嫌いですもの!」
接客の素人はだいたいこういう意識を持っています。これを読んでいる方の中でも、接客や営業にまだ違和感や嫌悪感、苦手感を持っている人がいるとすれば、これと似た考え方なのかもしれませんね。「お客様は接客を嫌がる」でも「プレゼンテーション」しなければならない。こういった葛藤の中にいる方は多いでしょう。
もう少し正確にしてみましょう。
「お客様はお金を使うことが大好き!買うことも大好き!
でも売られるのは大嫌い!!!」
なんです。
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