プーチン大統領、併合宣言の演説で広島・長崎に言及
ニューヨークで核兵器の会議(NPT)に出てきた長崎市長・長崎県知事はなぜ沈黙してるのだろう。今発信しないでいつする!と思う。「長崎を最後の被爆地に」と唱えていたのではなかったのか。県知事もせっかくSNSを再開したのだからラグビーやNHK連ドラのツィートに加えて本件にも迅速に反応してほしい(むろん発信がない方よりはいいけど)。
プーチン大統領がウクライナ東部・南部をロシアに併合。2020年にロシアは、通常兵器の攻撃であっても国家存亡の危機なら核攻撃するという核兵器使用基準を公表。自国領に併合した以上、欧米諸国が支援するウクライナの領土回復がそれに当たらないという確証はない。
プーチン大統領は、これまでも領土を守るため核兵器使用の用意があると述べている。それに加えて現地9月30日の併合宣言の演説で、広島・長崎への核攻撃という前例を作ったのはアメリカだと述べたと報じられている。
それって単なる私の感想なのかもしれないけど、放置してていいはずないと思うんだよねー。
ただひと言、
「核攻撃の用意があるとこれまでも述べている指導者が、一方的な併合宣言の場で自己正当化のためわがまちの名前を引用しているのは極めて不愉快であり断じて許されない」
と臨時記者会見で述べるか、ツイートすればいいと思う。長崎市とかは「以前、核攻撃の用意があるといったときに抗議してるから」とか思ってそうだけど、自己正当化のため名指しされたんだから即座に改めて発信すべきだと私は思います。
ただ、プーチン大統領が「全体として述べたこと」は極めて興味深い。あまり報じられてないので、箇条書きにしてみる。一方的な併合宣言の演説で自己正当化のため名前を使われてることには反発するけれども、このアメリカに対する鬱屈した感覚は世界的にある程度共有されていると思うし、私も一部共感できるところがある。
・アメリカは広島・長崎に原爆を投下し、(核攻撃の)前例を作った唯一の国。
・アメリカはイギリスとともに、軍事的に必要ないのにドレスデンなどドイツの都市を壊滅させた。これは日本への原爆と同じ。(※ソ連が参戦し降伏間近だったのに長崎(=当初目標地点は市街地中心部)を核攻撃したことを指すか。)
・アメリカは今でもドイツ、日本、韓国を事実上占領し、シニカルにもそれらの国を「同盟国」と呼んでいる。
・アメリカにより「同盟国」のトップは尾行され、自宅まで盗聴されている(アメリカによるドイツのメルケル首相の電話盗聴疑惑を指す)。(「同盟国」ならぬ属国)のトップたちは奴隷のようにこの失礼な態度を黙って飲み込むほかない。
このプーチン大統領の皮肉たっぷりの演説はそれなりに響く。長崎への核攻撃は軍事的なものでなく、眼鏡橋界隈を目標とした旧市街住宅密集地の壊滅と非戦闘員の大量死を目指したものだったからだ。
「同盟国」のトップはもちろんそんなこと言えないし、市長や県知事といった「同盟国」の公職にある人も無理だろう。ただ、ロシアだけを批判して「最初に核攻撃した国」を免罪にしたりしないことと、「長崎を最後の被爆地の座から引きずり下ろすことにつながる動きにはどの国や組織であろうと徹底して反論する」のを旨とすること、これらが被爆地の市民を代弁する首長として大事だと思うので、週末の動きに期待しています。
(ロイター記事)
(プーチン大統領併合宣言の演説。53分あたりから)