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【法人税】未経験から始める勉強ロードマップ

こんにちは。あおです。
今回は未経験から法人税法の勉強するにあたっての勉強方針と、勉強をする際におすすめの参考書をご紹介します。

さらっと読むものか、熟読すべきものか。といったところも塩梅をつけながらご説明します。



勉強の方針(ロードマップ)


筆者は管理会計からキャリアを始めたので、法人税法と聞いたときに何をやるのか全然わかりませんでした。

交際費の上限が5,000円から10,000円になる。とか、税務だと益金・損金という言葉を使う。とか断片的な知識しかなく、何から手をつければいいのか方針を立てるのに苦労しました。


そこで、まずは皆さんには法人税法を勉強する際の大まかな方針(=ロードマップ)をお伝えします。
(僕が一番大事にしている「ベクトル」ともいえるものです。)


ロードマップは以下の通りです。

①法人税を計算するにあたって、どのような論点があるのかを理解する。
法人税法独特の単語の意味を理解する。

②申告書の作り方を理解する(特に別表4・5)

③自分の会社の申告書を読み解く(元資料が何かを一つずつ紐づけながら理解する。

④自分で申告書を再現してみる


①法人税ってなに?


まずは法人税とは何か?というところから勉強しましょう。
いきなり申告書の作り方を読んでも挫折します。


そこでまずはストーリー仕立てで読み進められる本をお勧めします。
以下の2冊はどちらも複数のキャラクターが対話形式で話を進めながら、法人税の論点を説明してくれるので読みやすいです。


順番的には「世界一わかりやすい法人税法の本」→「よくわかる法人税法入門」がいいと思います。


こちらはあくまで導入用の本なので、さらっと読むくらいでいいです。
何十回も読み直すものではありません。
「法人税ってこういう話があるんだな~」くらいのイメージができたらOKです。


◆世界一わかりやすい法人税の本

◆よくわかる法人税法入門



②申告書ってどう作るの?


なんとなく法人税の論点やキーワードがわかり始めてきたら、いよいよ申告書の作り方を学んでいきましょう。


法人税の申告書は別表○○という名前がついていて、種類が膨大なのですが、まずは別表4・5を勉強しましょう。
別表4・5を理解しているかしていないかで、ほかの別表を勉強するときの理解度が大きく変わります。


よく、別表4は会計でいうところのPL、別表5はBSといわれますが、まさにその通りで、この2つの別表がわからないと法人税法の勉強は先に進めません。


ということで、まずは別表4・5の勉強から始めたいのですが、おすすめの参考書は以下の3冊で、順番としては「法人税申告書作成ゼミナール」の第1部だけ→「法人税申告書のしくみとポイントがわかる本」→「法人税申告書作成ゼミナール」「基礎の基礎 1日でマスター法人税申告書の作成」の好きな方から繰り返し読む。がいいと思います。


◆法人税申告書のしくみとポイントがわかる本

◆法人税申告書作成ゼミナール

1日でマスター 法人税申告書の作成


最初に「法人税申告書作成ゼミナール」の第1部だけ読むのは、この章が対話形式で書かれており読みやすいかつ、決算から申告までの流れが簡単にまとまっていて全体像の把握に最適だからです。
ここもさらっと読む程度で構いません。


次に読む「法人税申告書のしくみとポイントがわかる」がとても重要です。
この本に書かれていることはほぼすべて理解できるレベルにしましょう。
この本では別表4・5のつながりをメインに取り扱っています。
最初のうちは法人税法独特の言葉であったり計算式がたくさん出てきます。
1周目は本当にゆっくりで構いませんので、1つずつ疑問を解消しながら読み進めていきましょう。


この本はさらっと読むことをお勧めしません。
なぜなら、1章が理解できて2章がわかり、2章が理解できて3章がわかるという風な構成になっているからです。
ただし、わからなかったときは前のページを読み直すだけではなく、ネットの情報も積極的に活用しましょう。


別表4・5はいろいろな人の解釈を見たり聞いたりすることで、自分に合った理解の仕方があります。
もちろん、間違ったことを教えている人の記事を読むのはまずいですが、税理士事務所の先生が書いているHPだったらそこまで間違っているものはないはずです。


別表4・5の計算式がある程度イメージできたら、ご紹介した他2冊の好きな方から読んでください。
この2冊は申告書の全体像を学べるものになっていて、寄付金や交際費の別表など個別論点で説明がされています。
別表4・5をある程度理解していると、これらの個別論点の別表の計算結果がどのように納税額の計算に連動されるかがイメージできるようになっていると思います。


「法人税申告書作成ゼミナール」「基礎の基礎 1日でマスター法人税申告書の作成」の2冊はそこまで熟読しなくてOKです。
③のステップで自分の会社の申告書を読む際の補助ツールとして都度見返すのをおすすめします。


ここまで出来たら会社の規模感によっては③のステップにいってもいいのですが、自社の申告書で別表4の別葉にたくさん調整項目が書かれている場合は、「法人税申告書 別表4・5ゼミナール」をおすすめします。


◆法人税申告書 別表4・5ゼミナール


先に言っておくと、本書は僕のバイブル的な存在です。
この本があったおかげで自分の会社の申告書も理解できるようになったと思っています。
本書は別表4・5に徹底的に特化した教材となっていて、特に第4章までの内容は税務担当なら全員読んでおいて損はない内容だと思います。
全400ページくらいの分厚い本ですが、4章までなら150ページほどなので、余裕があれば読むことをお勧めします。



③自分の会社の申告書を読んで意味が分かる?


ここまでくればあとは、自分の会社の申告書を読み解いていく作業に入れます。
別表1から順番に数字のつながりを意識しながら読み進め、わからないところがあったら、これまで読んできた参考書と照らし合わせてみたり、ネットで調べたりします。


このときに、申告書に入力する数字を作っている元資料(Excel、他部署からもらったPDF)なども一緒に紐づけられるようになると、日常業務や決算時期になぜこの資料を収集しているのか。といったところまでわかるようになります。



④ゴールは自分で申告書を作れること


③まで終わったら申告書を「わかる」状態にまではなっているので、あとは申告書を作ることが「できる」レベルに持っていくだけです。
過年度の申告書を自分で作れるか再現するだけですね。



最後に、おすすめ参考書をジャンル・難易度順で整理したものを以下に記載します。
上記では税務に関する本を一部紹介しましたが、僕が勉強する中で役に立った会計の本などもリンクを貼っておきましたので、ぜひご参照ください。


ありがとうございました!!!



税務


初級


世界一わかりやすい法人税の本

よくわかる法人税法入門


中級


法人税申告書のしくみとポイントがわかる本

法人税申告書作成ゼミナール

1日でマスター 法人税申告書の作成


国際税務のよくあるケース50



上級


法人税申告書 別表4・5ゼミナール

Q&Aで理解するグループ通算制度


会計


基礎知識


財務3表一体理解法

財務数値への影響がわかるケース100

すらすら減損会計

すらすら退職給付会計


税効果会計

すらすら税効果会計

税効果会計における「税率差異」の実務



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