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【簿財合格済み】税理士試験の勉強を中断することを決意した25歳社会人の夏。


こんにちは。あおです。
無事、第74回税理士試験 消費税法の受験を終えました。
(結果はボロボロでしたが・・・)

当日のことについては以下の記事をご覧ください。


さて、タイトルにもある通り、税理士試験の勉強を中断することを決意しました。
その理由と今後やりたい事、税理士試験の勉強を再開する可能性について書きたいと思います。


【想定読者】
・これから税理士試験の勉強を始めようか迷っている人
・簿財を終えて税法科目の勉強を始める予定の人
・税法科目未経験で官報合格を目指そうか迷っている人



(はじめに)


過去の執筆について


僕は以前、以下の記事を執筆しています。
この時はまだ官報合格ができると信じていましたが、これから述べる様々な理由を踏まえ、受験することを中断しました。
仮に税理士試験の勉強を再開したとしても官報合格は目指しません。
確実に院免を選ぶと思います。

官報合格、大変だとは思っていましたが、想像の100倍厳しいものでした。
自分の人生をささげる覚悟はなくなりました・・・


消費税法を勉強したことは1ミリも後悔していない


税理士試験の勉強を中断することを決意したきっかけは、間違いなく消費税法の勉強にありますが、後悔は1ミリもありません。
むしろ、人生において税法科目に本気で挑戦できたことは本当にプラスだと思っています。


僕は現在、異動をして税務担当になっていますが、税理士事務所や税理士法人での経験が全くない中でもとりあえず業務についていけているのは間違いなく消費税法を勉強していたからです。
実務では問い合わせを受ける時のほとんどが消費税法に関することです。
特に最近だとインボイス関係の問い合わせは受けますし、そのほかにも請求書の非課税・免税・不課税の区分についても相談を受けることが多くあります。
もし消費税法を勉強していなかったら上記の質問が来ても自信をもって答えることは難しかったでしょうし、異動先の人たちも「この人大丈夫かな?」と心配になっていたでしょう。(実際、思われているかもしれませんが・・・(笑))


もう1回消費税法を受けるか?といわれると今の時点ではわかりませんが、今回の決断(税理士試験の勉強を中断する)も、自分の中でやり切ったと言えるからこそです。


理論暗記にうんざりしたから


理論暗記は修行


税理士試験の勉強を中断することを決意した最も大きな理由かもしれません。
もともと暗記は苦手な方ではないと思っていましたが、本当に苦痛でした。こんなの勉強じゃない。修行だ。と100回以上思いました。
(実際そうだと思いますが・・・)

消費税法は理論マスターだけで50題くらいあるのですが、A・Bランクで一部厳選しながらなんとか30題は最終的に暗唱できるレベルにまではなりました。
しかしそれができるようになったのも7月に入ってから。しかも1日でも暗唱をしないとあっという間に頭から抜け落ちる。
「今日暗唱をしなかったら今までの勉強が無駄になるぞ」という強迫観念にかられながら過ごした直前期でした。

消費税法ですらこれだけ悲鳴を上げているのに、法人税法なんてできるわけないと心が完全に折れてしまいました。
暗唱するために費やしている時間があるなら、その時間を使ってもっと他に有意義な勉強ができるんじゃないか?という気持ちと戦うことに疲れてしまいました。
(理論暗記には約400時間を費やしました)


大学受験の時は暗記が得意だった


実は大学受験の時はむしろ暗記科目は得意でした。英単語帳も端から端まで覚えていたと思いますし、世界史も山川の一問一答は紙が擦り切れそうになるまで使って丸暗記に近いレベルができていました。

しかし大人になると脳の作りは変わってしまうのかもしれませんね。
びっくりするくらい頭に残りませんでした。
上級演習などで一瞬は覚えることができてもあっという間に忘れてしまい、定着するまでに相当時間がかかりました。
最終的にはそこそこ覚えることはできたと思っていますが、勉強法などもいろいろ苦労しましたし、何より意味のないことに何百時間も使うことがつらかったです。(何度も言いますが・・・)


タイムパフォーマンスが悪すぎる


税理士試験はコストパフォーマンス(コスパ)はかなりいいと思いますが、一方でタイムパフォーマンス(タイパ)はかなり悪い試験だと思います。
1年に1回しかない試験なので、はずれの問題が出てきたらもう1年勉強しないといけませんが、理論の記憶を維持するだけでも相当の時間を取られます。
一発合格ができなかった瞬間、人生において相当のロスタイムが生じる試験です。
僕は消費税法が不合格なのを確信して、今からすぐにもう一度理論暗記を続けないといけないのか?と考えた途端、心がバキッと折れてしまいました。


試験問題の運要素が強すぎるから


税理士試験はすべての科目に共通して言えることがあります。
それは、みんなが取れる問題を落とさない人が受かるということです。

ただ、みんなが取れる問題が理論問題に多いのか、計算問題に多いのかは年によって変わってきます。ここがまさに運要素の部分です。
また出題内容も過去問題に類似しているのか、法改正をふんだんに盛り込んで今までにないパターンなのかも運要素です。

僕自身、簿財を合格できたのは傾向と対策を徹底的に行えていて、なおかつ本試験の問題もトリッキーなものがなかったからだと思っています。
つまり勉強を頑張ったのはもちろんそうなのですが、運要素で合格できた部分も沢山あるということです。

消費税法に関してはTACと大原の直前対策の模試を何回も解きなおして、市販の問題集も繰り返し行うことで、今まで出てきたタイプの計算問題であれば安定して40/50点は取れるようになっていました。
しかし、いざ本試験の問題を見てみるとインボイス特有の問題が多く、結果的には大体ですが25/50点しか取れませんでした。
もちろん、条件は受験生全員同じなので、言い訳はできません。
講義やテキストで法改正の中身をしっかりと理解して、今までに出てきたことがないパターンの問題でも冷静に対応できた方もたくさんいるでしょうし、単純に僕の勉強の仕方が悪かったところもあります。

まとめると、どれだけ勉強をしたとしても自分の得意分野・点数を稼ぐと決めていた分野が難化して、苦手としていた分野が易化した年は合格できる可能性は低くなると思います。


実務の勉強で手一杯になるから


税務担当になって実務で勉強することが山ほどあるのですが、消費税法の受験を終えるまでは最低限の勉強しかしていませんでした。
しかしこれからは申告に向けて様々な知識を蓄える必要があると思っています。
本来であれば税理士事務所や税理士法人で何年も経験を積んできた人がやるような業務を、税務未経験の自分がやるというのは恐ろしくハードルが高いものです。このようなチャンスをくれた会社には本当に感謝していますし、その期待を裏切らないようにするためにも4月に向けて実務の勉強を頑張るつもりです。

そうなると、今の僕には税理士試験の勉強まで続ける時間と体力はないと判断しました。もちろん娯楽の時間や睡眠時間を減らせばできる可能性もあるのでしょうが、自分の中で心身共に健康でいられる自信がありませんでした。

税理士試験の勉強を中断する以上、実務の勉強は絶対にさぼりません。
資格試験の勉強よりも重要と判断した以上、資格試験と同じかそれ以上に勉強する覚悟を持って臨みます。
そのためにも引き続き勉強時間はスタディプラスで記録をしたいと思いますので、もしよろしければ以下のQRコードから覗いてください。



税理士試験にこだわる理由がわからなくなったから


僕は以前、以下の記事を執筆しました。



総論のところで「未来の自分が後悔しないために頑張る」と書いていて、本当にその通りだと思いました。
いくつか理由を書いていますが、「資格がないことによるコンプレックスを持ちたくない」というのは今も変わりません。ですがコンプレックスを抱えないために心身ボロボロになりながら勉強を続けるのか、健康を維持しながら実務の勉強に専念するのかを天秤にかけた結果、後者を選択しました。

収入を上げたい・転職活動の武器が欲しい」という理由に関しては、実務経験を積むことである程度は解決できると思っていますし、今はBIG4に行く気持ちが完全になくなってしまったので、ここに関しては税理士試験にこだわる必要がなくなってしまいました。

せっかくそこそこ名の知れている企業の税務担当になることができたのに、資格試験の勉強でフルコミットできずに終わってしまう方が自分にとっては将来後悔することになるだろうと判断したので、一度実務の勉強を頑張ることを決意しました。

もし税理士試験の勉強を再開するとしたら?


タイトルにもある通り、あくまで中断です。

完全にあきらめたわけではないですし、やはりあと1科目取って大学院に行くことで税理士と名乗れるようになりたい自分もいます。
もし再開するとしたら、来年か再来年くらいだと思いますが、本業がどれくらい忙しいのかもわかりませんし、そのころには全く別の分野に興味をもっているかもしれません。

それでもこの1年間、消費税法を本気で勉強したことに後悔はありませんし、不合格確実ですが自分の中では完全燃焼できました。


(番外編)簿記2級からステップアップで始めるか迷っている方へ


以下の記事がかなり好評なので自分なりの考えを書くことにしました。


簿財を取ると社内でも社外でも見られる目は結構変わる


これは実体験ですが、簿財を取り終えていたことで自分は税務担当になることができたんだと思います。
実際には簿財だと全然税務のことなんて勉強していないのと同じなのですが、「税理士試験の勉強をしている=税務に興味がある」+「簿財を持っているんだから税務の適性もありそう」くらいの印象が持たれたのでしょう。
実際、2つ目に関しては簿財じゃ全く判断できませんが・・・(笑)

とはいっても、社内の人から「この子なら税務担当を任せてもいいんじゃないか?」と思ってもらえたのは簿財を取り終えていたことがかなり大きかったのは間違いありません(何人かの上司から聞きました)

また、過去に転職活動をしていた時も、面接のたびに「この年で簿財持っているのすごいね!」といわれましたし、税理士事務所で頑張りたいというときにも説得力を増す材料になっていたと思います。

そういう意味では、簿財を取ると社内・社外ともにみられる目は変わるのではないかと思います。
個人的には簿財なら計算が得意であれば理論を捨てても十分合格できると思いますし、簿記2級の延長線上として勉強するにはとてもいいと思います。
2科目で800時間くらい確保できればチャンスは結構あります。


おわりに


やり切った感はりますが、もちろん悔しい気持ちもあります。
「中断」という決断をしましたが、この決断が良かったのか悪かったのかを決めるのは誰でもない自分です。
だらだらしすぎることなく、本業でやるべきことをしっかりとやるためにも引き続き勉強を頑張ります。


読んでいただきありがとうございました。

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