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「税務」の勉強を苦に感じないのはなぜか?


こんにちは。あおです。
表題の件、早速ですが結論を書きます

【結論】
1.社内で税務を勉強している人が少ないから
2.独学で基礎から勉強しやすいから
3.実務に直結するから
4.税務の知識が誰かの役に立っている実感があるから
5.転職しても役立ちそうな知識だから
6.条文の意味がわかるから
7.プレイヤーとして働き続けるために必要な知識だから
8.働き方の選択肢が増えるから

一部、重複するところはありますが順番にご説明します。



1.社内で税務を勉強している人が少ないから


私は事業会社の経理部門の中でも税務担当として働いていますが、税務を進んで勉強する人がとても少ない印象があります。

「税務」という分野自体が中々とっつきにくいということもありますし、弊社が税務担当をあまりローテーションしないということもあって属人化していたのも原因だと思うのですが、「税務のことはよくわからないから、税務担当に相談しておけばいい」といった風潮です。

私自身は相談を受けること自体は好きなので、この状況はおいしいと思っています(笑)

同じ経理部内でも自分より10歳以上年上の先輩からも頼りにされ、「この分野なら勉強すればする分だけ自分が先駆者になることができる」というモチベーションで勉強することができています。


2.独学で基礎から勉強しやすいから


新卒入社してから2年ほどは管理会計に携わっていましたが、管理会計は会社によってルールが違いすぎて基礎が何かすらわからない状態です。

また、知識を深めようと思っても市販の教材はいい意味でも悪い意味でも抽象度が高いものが多く、なかなか実務に直結した勉強を独学ですることは難しいです。

そのためとにかく管理会計部にいた他の経理の方にいろいろ質問をしながら勉強していましたが、正直体系的な勉強はできておらず今でも「うちの会社にいるのにそんな基本的なことも知らないの!?」といわれる可能性はあると思っています。(笑)

一方で、「税務」という分野は市販の教材がとても充実しており、独学で基礎から体系的に勉強することが十分可能だと考えます。
(例えば、法人税なら以下の記事は参考になると思います)


私は税務担当になるまで税理士試験の簿財は合格済みで、消費税法を勉強している途中に税務担当となりました。

簿財の知識は税務相談にはそこまで直結しませんが、消費税法は直結します。
実務に非常に役立っており、「税務担当になる前に消費税法を勉強しておいてよかった」と心の底から思っています。

税理士試験の話をすると、現在消費税法のリベンジに向けて勉強をしていますが、基礎をしっかり勉強することの大切さをひしひしと感じています。

税法は相談される内容が似ているものはあってもまったく同じものはあまりない印象で、その都度原理原則に基づいて判断をする必要があると思っています。

原理原則を身に着けるためのロードマップが整備されている「税務」は私にはぴったり当てはまっていたんだと思います。


3.実務に直結するから


2番と重複する部分もありますが、税務の魅力は何といっても勉強したことがすぐに実務に直結することです。

市販の参考書や税理士試験の勉強で培った知識を実務に還元することができます。

さらに実務で調べたことが今度は税理士試験の勉強の時にも役立つことが多々あり、仕事と資格勉強が循環しているのを強く感じています。
(これは税務というより税理士試験の勉強のモチベーションにつながる話ですが・・・)

若いうちは勉強することが大事だとなんとなく頭ではわかっていても、そこまで興味のない資格試験の勉強は長続きしなかった私にとって、実務と密接にかかわる勉強をできることはとてもうれしいです。

ある意味、「何のために勉強しているかわからないけどとりあえずやるか」という意識で勉強していた時間が長いからこそ今の勉強時間は苦に感じないのかもしれません。


4.税務の知識が誰かの役に立っている実感があるから


経理部内でも税務の知識を持っている人は少ないこともあって、日ごろから税務相談をよく受けます。

特に消費税の区分判定に関する質問はよく受けるのですが、その際に自分がこれまで勉強した知識を使って質問に答えられたときに「役に立ったな~」という実感があります。

これは特段、税務特有の話というわけではないので、管理会計に携わっていたころも事業部の人からの質問に答えられたときに自分が誰かの役に立っている感覚はありました。

しかし、「これは自分じゃなくても答えられるよな」「こんな知識うちの会社でしか役に立たないよな」といった気持ちになることも多かったのです。

それが税務担当になってからはほとんどなく、税務相談に適切な回答をできたときに「これは自分だから回答できた!勉強していてよかった!」と心の底から思えています。

おそらく弊社に税務担当が少なく、ブルーオーシャンのような感じなのでそう感じるだけなのかもしれませんが、それでも自分の知識が役に立っていると感じられるのはうれしいものです。


5.転職しても役立ちそうな知識だから


これが私の中では1・2を争うくらい大きな理由だと思っています。

20代で税務を経験している人はなかなかいないと転職サイトのエージェントからよく耳にします。

今でも求人は見ているのですが、割と大きめの会社でも税務のポストが空いている印象です。

私は税理士試験の勉強をしているものの、明確なキャリアビジョンというものはありません。
しかし、一つの会社で定年まで勤めあげる姿も想像できません。

年収・勤務地・人間関係など、どんな理由で転職活動を再開するかはわかりませんが、いざほかの会社に行きたいとなったときに税務の知識は必ず役立つと考えています。

いま勉強した分だけ未来の自分が感謝する
そう思えるので、勉強すること自体は苦に感じないんだと思います。


6.条文の意味がわかるから


例えば消費税法だと納税義務の免除の特例というものがたくさんあります。

一定規模以上の事業者は消費税を納めるように法律を作ったものの、抜け道がたくさんあったのでその都度、穴を埋めるようにして条文が加えられています。

いたちごっこみたいなところもあるのですが、条文を読んでいると「たしかにこのスキームなら納税しなくて済むな。だからこの条文が作られたのか。」みたいに腑に落ちることが多くあり、この瞬間が結構好きです。

勉強の仕方が悪かっただけかもしれませんが、高校の頃に数学・物理・化学を勉強していた時は何をやっているのかがさっぱりわからずただ暗記しているだけでした。

自分の頭のスペックで理解できる、あるいは理解しやすい分野だと勉強をしていても苦にならないのかもしれません。


7.プレイヤーとして働き続けるために必要な知識だから


少し視点を変えますが、私はマネージャーよりもプレイヤーとして仕事をする方が好きです。
(得意分野はマネジメントなので、好きと得意が一致していないのはつらいところですが・・・)

税務というのは常に知識をアップデートする必要がある分野だと思っています。

「プレイヤーとして働き続けたいのなら勉強をするしかない」という強迫観念に駆られているので「勉強しないと!!」と思えます。

また、地元の会計事務所の所長のように定年近くになってもプレイヤーとして税務相談に対応できるのであれば、一人でも仕事ができるんじゃないかと思っています。

みんなで力を合わせて仕事をするスタイルも好きですが、自分のペースでじっくりコツコツプレイヤーとして仕事ができる可能性も考えると、税理士は魅力的だなぁと思います(また税理士の話に脱線してしまいました(笑))


8.働き方の選択肢が増えるから


上記1~7番までで何回かお話してきた内容にはなってしまいますが、キャリアビジョンが見えていない以上、できるだけ働き方の選択肢は増やしておきたいと考えています。

・事業会社の税務担当
・税理士法人で国際税務
・地元の会計事務所で事務職のような働き方
・独立/開業でひとり税理士

いろいろな道を選べるようにするためなら勉強も頑張れます。
私はワークライフバランスを重視している今どきの人間ですが、ワークが楽であればあるほどいいとは思っていません。

自分の知識・経験を活かして誰かの役に立つ
という私のモットーのようなものを大切にしながら、家族との時間も大切にできるような仕事を続けるためには一定の勉強時間・勤務時間が必須だと思っています。


最後に


興味を持ちながら進んで勉強できる分野を見つけることができたら、それはあなたにとっての得意分野になると思います。
私にとってはそれが「税務」でした。

読者の方にもそんな分野が見つかることを願って、結びとしたいと思います。


ありがとうございました!

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