記事によると、
平成20年に契約社員として雇用され、平成22年から正社員、平成26年1月以降はセールスチームのリーダーになって個人営業部の部長として37人の部下を持っていた。
平成27年7月に第二子を出産し、同月から育休等を取得した。
会社は平成28年1月に、組織変更により、4チームあったセールスチームを3チームに集約するとともに、アカウントセールス部門を新設し、リーダーだったチームは消滅した。
という経緯の中、
などの措置が男女雇用機会均等法9条3項、育児介護休業法10条などに違反するというものです。
事案の概要を見たとき、育休中に所属部署が消滅しているので同一部署に復職しようがないし、その中で復職後にもマネージャー職に就いたのですから、こんな状況でも違反を問えるの?というのが正直な感想でした。
根拠条文を紐解いてみます。
今回の措置が、規定中の「理由として」に該当するかどうかが問題となりますが、かなり広く考えられていることをこの判例を通して知りました。
以下、厚生労働省作成リーフレットからの抜粋です。
リーフレット中の「原則として、妊娠・出産・育児休業等の事由の終了から1年以内に不利益取扱いがなされた場合は「契機として」いると判断します。」というところですね。
さらに判決を読むと、事業者には労働者のキャリア形成への配慮が求められるという考え方が示されています。
単純に
「育休中に所属部署が消滅してるでしょ?同一部署に復職しようがないし、マネージャー職用意しといたからええやん?」
では済まされないということですね。
まとめ
所属部署が消滅した場合、同程度の職制を用意するだけではなく、労働者のキャリア形成への配慮もした対応が必要。
けど、企業規模などによっては難しいこともありそう。