とりあえずやってみよか。
ここ数日、白黒のフィルムが気になっている。
ちょうどカラーフィルムをあれこれ試しているところで。夏頃には160NSがたまらんなーと少しずつ在庫を買い集めてストックしていたのに。なんかちょっと気分とズレてきてしまった。
こないだはKodakのGold200を使ってみて。現像に出したお店でデジタルプリントの色味や雰囲気あれこれ話しているうちに…Portra160はどうですか?と提案された。
以前使っていたことはあったけど、最近あんまり使っていなかった。使っていたとはいってもしっくりくるまで使い切ったわけではないし。さすがに今のお値段でポンスカ使えんし。もー少し買いやすいのあったらいいなーと探していたんだけど。
やっぱりそうなるのかーとぶつぶつ言いながらも、今一番に使ってみたいPortra160をカメラに食べさせた。
ここからしばらく白黒フィルムの話。
現像の仕方でずいぶんニュアンスが変わるみたい。やったことないからわかんないけど。どうやらそうらしい。そういうことができるようだ。
フィルム自体は新しいすんごい粒子とか関係ない、昔ながらのトラディショナルタイプってやつが好みぽい。HP5とか手に入れやすいし色々と目安ができそうじゃないかと助言もいただいた。
と言いながらもADOXのCMS20IIとかAGFAのCOPEX RAPID 50とかの解像度系銘柄でトーン出してるのもめっちゃ好き
昼間、目に止まったのはRolleiのRETRO80Sを1時間くらいの静止現像しているのがすごく印象的だった。放置しとくから静止現像って言うのかしらね。初めて買ったデジカメがSIGMAのDP3Merrillだったこともここにきて繋がってくるのかと笑える。
結局のところ好みはあちこちで、質感あるのも好きだし、スカッと解像しているのも好きみたいだ。
で、またカラーフィルムに話を戻すと…
デジタルでのRAW現像やレタッチ?補正?の参考になるかなーと思ってカラーフィルムを使っているフシもあって。最近流行りの青みつよつよのサイバーなのも、夜なのに昼間みたいなのも自分は好みじゃないし。色味やコントラストやトーンなどの補正の雛形として、自分の中にフィルム感を一度入れてみたい。
そのあとどうなるかわかんないけど。そのうち勝手になんか自分の好きなとこに落ち着くだろーなと。
デジタルの強さっていろんな要素があるけど。ほぼ無限に各パラメーターを動かせることはすごいと思う。暗部をいいとこまで上げてハイライトすこし落としてここの色味はこう…しかもそれをササっと画面の中でやれてしまうのはとんでもなくすごい。
たとえばPCで文字組みをすると無限に動かせるだけに落とし所がすごく難しい。名刺を活版印刷所に頼んで作ってもらったことがあるけど、文字サイズやスペースや行間などの制約がきちんとあって。ここだ!となるバランスはただ一つ決まるところがあるように感じた。良い意味でのお約束がある感じ。
もちろん職人さんに熟練の素晴らしい感覚があったのは間違いない。
20世紀初頭のポスターや印刷物ってすごく気持ちのいい収まり方をしていて大好物。書体もなんだか体温があるように感じるし、カスレすらもたまらない。あの感覚があればPCの中で作っても、現代の印刷でもスッといいところに着地するんだろうなー。
といった感覚の物差しをフィルムを使うことで少しでも掴めるかなーーーとね。
で、あーだこーだ言ったところでこんなんただの道具や技術とかの話で。ただのってのは語弊あるけれど。あくまでも下支えの部分であって、写真自体の強度とは別のもんなんだろうなと思う。
じゃあそもそも僕ちゃん何を撮るのかい?ってことになるわけで。
それはたぶん祈りなんだと思う。
問いへの答えというよりは、自身のプロセスや行為自体の根っことして。いつか誰かに届いてほしいとか、寄り添う人への想いであったり…
ただただよくあってほしい、というシンプルな願い。