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【自閉症スペクトラム・児童発達支援】「コミュニケーション能力向上のための手立て」【ミッケルアートキッズ版】
以下は、ミッケルアート開発メンバーとの議論の要約です。
福祉分野で活躍されている方々にとって、新たな発見や示唆に繋がれば幸いです。
※このメンバーは、中学校教諭一種免許、中学の教員免許、高校教諭一種免許、特別支援学校教諭、児童発達支援士、発達障害コミュニケーションサポーター、SSTスペシャリストを取得しています。
【目次】
1.議題
2.背景
3.課題
4.解決策
1.議題
「コミュニケーション能力向上のための手立て」
年長(自閉症スペクトラム)Aさん
発達障害と思われる子の場合、集団が苦手であり、言葉でのやりとりに困難さがある。聞き取る力、話す力を身に付ける必要がある。
2.背景
Aさんはプリンセスが好きで、少し恥ずかり屋なところもありますが、とてもかわいらしい子です。
保護者の悩みの一つが、“質問の意味を理解して答えることができない”でした。家庭内では保護者が理解すれば十分であるため、心配はしていないとのことでした。
しかしながら、友達とのやりとりで話が噛み合っていないことに違和感を覚えたとのことです。実際にいくつか質問をしてみると、決まっていること(例えば「名前は?」「何歳?」「どこの幼稚園に通っている?」)には答えられるようでしたが、決まっていないこと(例えば「朝は何を食べた?」「今日は何をした?」)に答えるのは難しいようでした。場数を踏めば答えられるようになるのではと考え、支援の冒頭に2~3の口頭質問を答える活動を行いました。口頭での質問は難しく、首を傾げる様子が見られました。
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・支援(1)「文字を活用」
自閉症スペクトラムは視覚的な情報を得ると聞いたので、次にひらがなで書いた質問カードの作成をしました。すると、自らそのひらがなを読むという自発的な行動が見られました。Aさんは文字を読むのは難しいとのことでしたが、「質問に答える」と「文字を読む練習」の一石二鳥だと考えました。
しかしながら、2つのことを同時に行うことは難しく、文字を読めたという達成感はあっても、その内容を理解して答えることまでは至りませんでした。そもそも内容理解に遅れている子に対して、先述の方法は早まりすぎたのかもしれません。
・支援(2)「イラストを活用」
次に考えたのは、イラストを見ながら質問に答える方法です。例えば、食べ物のイラストを4つ用意し、「赤い食べ物はどれ?」「食べたことのあるものは?」など、簡単な質問から本人の情報を引き出すことを試みました。その結果、本人も楽しそうに答える様子が見られました。ただし、保護者によると、本人の情報が間違っている場合がしばしばあり、改善策が必要です。
また、もう一つの例として、以下のようなカードを用意しました。
- 青い手袋をしているクマさんがブランコをしている
- 黄色い帽子を被っているウサギさんがブランコをしている
- 黄色い帽子を被っているクマさんが滑り台をしている
- 青い手袋をしているウサギさんが滑り台をしている
このカードを使って、「青い手袋をしているクマさんはどれ?」といった質問をしました。すると、最初は答えられなかったものが徐々に答えられるようになっていきました。
・支援(3)「分類分け」
保護者からは“分類分け”(例えば、陸に住む動物と海に住む動物など)に関する困り感も伝えられました。そこで、食べ物・お店屋さん・海に住む動物・陸に住む動物などのカードをそれぞれ5枚ずつ用意し、またタッパーを4つ用意して、それぞれの例となるイラストを貼って分類するよう指示をしました。まだ個々の知識が身についていないこともあり、分類には時間がかかりました。
3. 課題
コミュニケーション能力の向上を促す手段の不足
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4. 解決策
ミッケルアートキッズ版の活用
具体的な活用方法はこちらの記事をご参照ください。https://note.com/hashiguchirin/n/n3fda46358f01
日々私たちはこのような議論を通じて、社会課題に目を向け、課題解決に導くためのアートの開発を目指しています。
皆様の気づきに繋がれば幸いです。
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