メタバース事業の契約・規約を読み解く① ファイナルファンタジーXIV編
現在プレイされているメタバース事業の契約・規約はどんなものがあるのか、まずは定番のファイナルファンタジーXIV(FF14)から利用規約を見ていきたいと思います。
なぜ、FF14なのかというと、Facebookの社名変更の際に「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏が「ファイナルファンタジーXIV(FF14)の後追いっすよね」と言ったように、自分もメタバースのはしりはゲームだと思っています。
利用規約についてはスクウェアエニックスのホームページに掲載されています。
まずは目次から、
第1条 定義
第2条 本規約の適用
第3条 本規約の範囲
第4条 本規約の通知・変更
第5条 ユーザー登録及び本サービスの利用
第6条 利用料金等
第7条 禁止事項
第8条 ユーザー登録の取消し・一時停止等
第9条 プレイヤーデータ
第10条 通知
第11条 当社の責任
第12条 準拠法
となっています。
条数は意外と少ないです。細かい禁止事項はこちらに記載があるようです。
第1条 定義
「当社」とは、株式会社スクウェア・エニックスをいいます。
「本サービス」とは、「ファイナルファンタジーXIV」及び当社が「ファイナルファンタジーXIV」に関連してユーザーの利用に供するウェブサイト上のサービスをいいます。
「ユーザー」とは、本サービスをご利用になるために、本規約に同意の上で第5条の定めに基づきユーザー登録をされたお客様をいいます。
「本規約」とは、本サービスの利用にあたってユーザーが遵守すべき規定である、当「ファイナルファンタジーXIV利用規約」をいいます。
「他者」とは、国内外を問わず、ユーザー本人及び当社以外の第三者(他のユーザーを含む)をいいます。
「スクウェア・エニックス アカウント」とは、当社が提供する個人認証システムである「スクウェア・エニックス アカウント」をいいます。
「アカウント規約」とは、ユーザーがスクウェア・エニックス アカウントに登録する際に同意する規約をいいます。
「ソフトウェア使用許諾契約」とは、「ファイナルファンタジーXIV」のゲームソフトをご利用になる際に同意する「ファイナルファンタジーXIV ソフトウェア使用許諾契約」をいいます。
「プレイヤーデータ」とは、ユーザーが「ファイナルファンタジーXIV」をプレイすることで当社のサーバー及びユーザーのハードウェア(家庭用ゲーム機又はパーソナルコンピュータ、及びその関連機器をいいます)に蓄積されるデータをいいます。
「本サービスデータ」とは、本サービス内で取得したゲーム上の通貨、キャラクター、アイテム、ポイント、データ、情報等をいいます。
「利用料金等」とは、ユーザーが本サービスを利用する対価として継続的にお支払いいただく利用料金(以下「継続利用料金」といいます)及び、本サービス内でのユーザーの選択の結果として発生するその他の対価をいいます。
定義なので、2条以降の条文について1条で定義づけしています。
注目点は「プレイヤーデータ」と「本サービスデータ」を分けているところでしょうか。
プレイヤーデータは9条に項目があります。
第9条 プレイヤーデータ
ユーザーは、当社のサーバーに蓄積されたユーザーのプレイヤーデータその他の情報について、いかなる知的所有権、請求権その他何らの権利も有しないものとし、それらを複製、頒布、その他利用する権利及び削除する権利を当社又は当社の指定する管理者に与えたものとします。
前項に基づく当社の権利行使には、ユーザーのプレイヤーデータを、ウェブ上に随時公開することも含まれるものとします。
ユーザー若しくは第三者の行為、又は天災地変、火災、停電その他の不可抗力により、プレイヤーデータの全部又は一部が消失・損壊した場合について、当社は何ら責任を負うものではありません。また、当社が合理的な理由に基づいた判断により、プレイヤーデータの全部又は一部を消失させた場合でも、当社は何ら責任を負うものではありません。
ユーザーからのプレイヤーデータの削除請求には応じることはできません。
プレイヤーデータは、いわゆるアカウント情報になるのかな?
キャラデータは本サービスデータとしてカテゴリーされてます。
第7条 禁止事項
(1)本サービスデータを、直接、第三者による仲介又はインターネットオークション等その手段を問わず、本サービスデータ以外の一切の対価(金銭、物品その他の財産上の利益、本サービス以外のサービス上の通貨、キャラクター、アイテム、ポイント、データ、情報等を含みます。以下同じ。)と引き換えに、譲渡、譲受、貸与、借用、委任等する一切の行為(いわゆるRMT(リアルマネートレード)を含みますが、これに限られません)
(2)本サービス内におけるユーザーの行為に対して本サービスデータ以外の一切の対価と引き換えに、譲渡、譲受、貸与、借用、委任等する一切の行為
(3)本サービス内又は本サービス外で何らかの利益を得るために、本サービスを利用する行為
(4)本サービスにおけるユーザーの情報(スクウェア・エニックスアカウントID、パスワード、ユーザー名等)を、本サービス内で他者に使用させる行為
(5)その他、アカウント規約又はソフトウェア使用許諾契約で禁止されている行為
(6)上記(1)ないし(5)の行為の広告、宣伝、勧誘、申し込み、承諾等を含む準備行為
(7)上記(1)ないし(6)の行為を本サービス内又は本サービス外で幇助又は教唆する行為
RMTの禁止についてですね。
RMTが何故禁止されているか、RMTが法律上違法かどうかはまた別の機会にします。今現在オンラインゲーム、オフラインゲーム問わずRMTは禁止されているのが一般的です。
FF14においては、ユーザーアカウントについてはユーザデータ。
ユーザーデータ内にあるキャラクターやポイント、アイテムなどのデータは本サービスデータとし、RMTを禁止しているのが利用規約で分かります。
詳しく読んでみましょう
本サービスデータ以外の一切の対価(金銭、物品その他の財産上の利益、本サービス以外のサービス上の通貨、キャラクター、アイテム、ポイント、データ、情報等を含みます。以下同じ。)と引き換えに…
となっています。つまり本サービスデータとの引き換えに譲渡、譲受、貸与、借用、委任をすることは可能ということです。
ゲーム内で一緒にモンスターを討伐してくれた代わりにアイテムを譲渡、
装備が弱いから一時的に武器を貸与、
ミッションが難しいから代わりにプレイしてもらう等
は問題とはならなそうです。
あくまで、ゲーム内なので、FF14のアイテムを譲渡した代わりにDQ10のアイテムを譲受のはダメです。
つづく