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『ダンキラ!!!』紅アゲハがポールダンスをする理由とは?魂に刻み込まれた美意識

本日10月9日は紅アゲハの誕生日。少年ダンサー育成ゲーム『ダンキラ!!! - Boys, be DANCING! -』に登場するダンサーで、カリスマモデルとしても活躍している。

男女関係なく心をひきつけるアゲハの生き様は「美」そのもの
中性的な容姿も相まって、唯一無二の魅力を放っている。

そんなアゲハの特技はポールダンス
寮の自室にポールを設置するほど力を入れており、毎日のエクササイズにも活用している。
妖艶さと鍛え抜かれた肉体美が持ち味のポールダンスは、もちろんアゲハとも相性がいい。

しかし両者を結び付ける要素はそれだけだろうか。
ダンスとダンサーが密接に結びついている『ダンキラ!!!』なら、掘り下げればほかにもつながりが見えてくるに違いない。

そこで今回は、アゲハがポールダンスに目を付けた理由を探っていく。

※このnoteは100%個人の趣味で書いたものであり、公式等とは一切関係ない。

性別を超えて世界へ

ポールダンスの発祥には諸説ある。1920年代ごろから原型と思われるダンスが登場しており、1968年以降は各地でパフォーマンスとして披露されている。

1920年代、アメリカのサーカスではテントの柱を利用した曲芸が上演された。
ポールダンスは肌の摩擦を利用するため、衣装は必然的に露出度の高いものになっていたと推測できる。狭い空間をうまく利用し、さらにセクシーな印象を与えるダンスは人々を魅了したことだろう。

1968年には、オレゴン州のクラブでポールダンスが披露された記録が残っている。
さらに1970年代に入ると、ショーパブの女性ダンサーが高いヒールで踊るときの支えとしてポールを使っていたという。

ポールダンスはもともとクラブやバーなどで上演されるジャンルであり、一般的にはそれほど広まっていなかった。
しかし有名人がエクササイズに取り入れたり、シェイプアップのプログラムに採用されたりすることで認知度がアップ。
現在では「ポールスポーツ」という競技としても認められており、世界大会が開催されるほど浸透しつつある。

ただしポールダンスは長年、「女性が披露するもの」としての認識が強かった。
また、高い柔軟性が求められるため身体のやわらかい女性に有利なジャンルともいえる。
それでも近年では世界で活躍する男性ダンサーも登場。性別の垣根を超えて親しまれるようになった。

蝶のようなトリック

国際ポール・スポーツ連盟ではポールダンスの技を「トリック」と呼んでいる。
さらに"Flexibility(柔軟性)"、"Strength(力強さ)"など求められる要素ごとに分類し、それぞれに名前や得点を定めた。
中には「コクーン」や「バタフライ」など、アゲハとのつながりを感じさせるトリックも見られる。

「コクーン」(トリックの分類番号はF35)は、ポールにかけた片脚で全体重を支えるトリック。さらにもう片方の脚を180度以上開き、かかとを両手でつかむ。
サナギのようなポーズからは、人間業とは思えぬ美しさを感じるはずだ。

「バタフライ」にはいくつか種類があり、"Butterfly twist one hand"(S27)、"Butterfly Reverse extension"(S34)などが挙げられる。
"Butterfly twist one hand"は片脚と片手をポールに密着させ、もう片方の脚を手でつかむトリック。
"Butterfly Reverse extension"では両手で体重を支え、両脚を180度に開く。
前者は蝶が木にとまる姿を、後者は羽を大きく広げるかのようなダイナミックさを感じさせる。

ポールダンスのトリックはどれもバランス感覚や体幹、全身の筋力を要する。
だからといって、ただ筋肉を増やせばいいわけではない。美しく見せるためには、しなやかな体型も維持しなければならないのだ。
食生活まで含めた地道なトレーニングの成果が、妖艶なポールダンスに表れている。

蝶が表すもの

ポールダンスのトリック名にも使われている「蝶」は、世界各国で象徴的な意味を持っている。

たとえば蝶を魂として見なす説。古代ギリシア語で霊魂を意味する「プシュケー」は、蝶の呼称としても使われている。

ギリシア神話における同名の美女・プシュケーを描くときにも、モチーフとして蝶が使われてきた。
プシュケーは美の女神アフロディーテから課せられた数々の試練を乗り越え、愛の神アモル(別名エロス、クピド)と結ばれる。
恋人たちの物語は、魂と愛の象徴として文学や絵画、彫刻になった。

余談ではあるが、アゲハと一緒にいることの多いシアターベルの八神創真は愛にあふれたダンサー。プシュケーがアゲハ、アモルが創真だとすると2人が互いの魅力を認め合うのも納得がいく。
ただし、創真の愛はどちらかというとアガペー(無償の愛)に近いため、これは筆者の深読みにすぎない。

また、蝶は生態的な特徴から変身の象徴にもなっている。

蝶は卵、幼虫、サナギを経て成虫へと変わっていく。
一度サナギになってから成虫になるプロセスは完全変態と呼ばれており、蝶や蜂などが該当する。
成長前後で同じ個体とは思えないほどの変貌ぶり。しかしより美しく変化することから、蝶にあこがれを抱く人も少なくない

アゲハが蝶にちなんだ名を持っているのも、なにがあっても美しく成長してほしいと思う親心があってこそだろう。
また、アゲハは内面を磨くことも怠っておらず、魂そのものを美しくしようと努力を重ねている。

途中経過は他人に見られたくない。しかし完成された美ならば、性別を超えて人々に光を届けることができる。
そんなアゲハの在り方は、ポールダンスやダンキラを介して世界中に羽ばたいていくことだろう。


参考
http://www.polesports.org/
https://dews365.com/archives/179368.html
https://diamond.jp/articles/-/145813
https://kotobank.jp/word/%E3%83%97%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%B1%E3%83%BC-618206
https://www.louvre.fr/jp/oeuvre-notices/%E3%80%8A%E3%83%97%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%B1%E3%81%A8%E3%82%A2%E3%83%A2%E3%83%AB%E3%80%8B
https://www.louvre.fr/jp/oeuvre-notices/%E3%82%A2%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%AB
https://www.nacsj.or.jp/shirabe/2011/05/1706/

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