AUTFL-2.1.2.2 テストの観点から、ASPICE の 4 つの評定尺度と能力指標の意味 を説明する。(K2)
プロセス属性
プロセス属性とは、『そのプロセスがどの程度の属性(レベルや達成度)であったか』を表す指標です。このプロセス属性を元に、プロセス能力レベルを評価していくことになります。
● PA 1.1:プロセス実施
テスト担当者が基本的なテストプロセスに従ってプロセスを実施する。
● PA 2.1:実施管理
テスト担当者が、主にテスト活動の計画、管理、制御を行う。
● PA 2.2:作業成果物管理
テスト担当者が、主にテスト文書の品質チェックを行う。
● PA 3.1:プロセス定義
テストプロセスの責任者が主に全般的なプロジェクト戦略の定義を行う。
● PA 3.2:プロセス展開
テスト担当者が、PA 3.1 で定義されたテスト戦略を適用する。
プロセス実施指標
プロセスの基本的な取り組み(BP:Basic Practices(基本プラクティス))と、その取り 組みによって生み出される客観的なエビデンス(WP:Work Products(作業成果物))を元に 決定される指標です。プロセス毎に固有のものとなるためプロセスカテゴリー毎に『BP』 と『WP』が設定されています。
● 基本プラクティス(BP)
プロセスを実施するために必要な最低限の要件を定義する。
● 作業成果物(WP)
プロセスの実施によって作成される成果物を定義する。
プロセス能力指標
プロセス能力指数とは、そのプロセスの能力を評価するための指標です。『そのプロセスカ
テゴリー自体が備えるべき能力を有するレベルになっているのか』を評価するための指標と
なります。そのためプロセス能力指標は、プロセス実施指標とは対照に全プロセスカテゴリ
ー共通となります。
● 共通プラクティス(GP)
複数のプロセスに適用できるプラクティスを定義する。
● 共通リソース(GR)
複数のプロセスで使用するリソースを定義する。
能力レベルとプロセス属性の関係性
評定尺度
● 達成していない(N)
Not achieved(0 ≦ 15%)
プロセスが実装されていない、または実装されていても、要求事項を満たしていない。
● 部分的に達成している(P)
Partially achieved(> 15 ~ ≦ 50%)
プロセスが実装されているが、要求事項を十分に満たしていない。
● おおむね達成している(L)
Largely achieved(> 50 ~ ≦ 85%)
プロセスが実装されており、要求事項を満たしている。
● 十分に達成している(F)
Fully achieved(> 85 ~ ≦ 100%)
プロセスが実装されており、要求事項を十分に満たし、改善の余地がない。
能力レベルの測定
プロセスが特定の能力レベルに到達するには、その能力レベルの指標が「おおむね達成 (L)」でなければならない。より低い能力レベルの指標は「十分に達成(F)」でなけれ ばならない。
練習問題
Question #7 (1 Point)
【出典元】
ISTQBテスト技術者資格制度
Foundation Level Specialist シラバス
自動車ソフトウェアテスト担当者
日本語版 Version 2018.J03