ALTA-E-4.1.1 (K3) 効果的なテストツールパイロットと導入作業を支援するガイドラインを適用する
パイロットプロジェクト
パイロットプロジェクトの目的
パイロットプロジェクトの狙いは、TASを使用して意図したメリットを実現できることを確認することにある。パイロットプロジェクトの目的には、 以下が含まれる。
TASの理解を深める: TASの機能や特徴を徹底的に理解し、業務への適合性を検証します。
既存プロセスとの整合性: TASを既存の業務プロセスにスムーズに組み込むための調整を行い、必要であればプロセス自体を見直します。
テスト担当者のニーズに合わせた設計: テスト担当者が効率的にTASを利用できるよう、インターフェースを設計します。
資産の管理: テストデータやスクリプトなどの資産を効果的に管理するためのルールや方法を定めます。
効果測定: TAS導入による効果を定量的に評価するための指標を設定し、継続的な改善に繋げます。
コスト対効果の検証: TAS導入によるコストと効果を比較し、投資効果を最大化します。
スキルギャップの分析: TAS運用に必要なスキルを洗い出し、不足しているスキルを補うための対策を検討します。
適切なプロジェクトの選定
パイロットプロジェクトは、以下のガイドラインに基づいて慎重に選択すべきである。
重要なプロジェクトを選ばない。TASの導入によって遅延を引き起こす場合 、それが重要なプロジェクトに大きな影響を与えてはならない。
単純なプロジェクトを選ばない。単純なプロジェクトで成功したとしても、単純でないプロジェクトで成功するとは限らず、導入に必要な情報もあまり得られないため。
選定プロセスに必要なステークホルダー(マネジメント 層 を含む)を関与させる。
パイロットプロジェクトの SUTは、組織の他のプロジェクトの適切な基準となるべきである。
パイロットの計画
パイロットは通常の開発プロジェクトとして扱い、計画の作成、予算およびリソースの確保、進捗の報告、マイルストーンの定義などを行うべきである。
留意すべき点
他のプロジ ェクトで作業のリソースが求められているとしても、TASの導入に携わる人員( スペシャリスト )が導入作業を十分に行えるようにすること。
TASが社内で開発したものである場合、その開発担当者を導入作業に関与させる必要があること。
パイロットの実行
導入のパイロットを実行し、以下の点に注意する。
TASが期待どおりの機能を提供したか(また、ベンダーが述べたとおりであったか)。そうでない場合、できる限り早く対処する必要がある。
TASと既存のプロセスはうまく連携できているか。そうでない場合、連携させる必要がある。
パイロットの評価
評価にはすべてのステークホルダーを関与させる必要がある 。
導入
パイロットの評価が完了し、それが成功と見なされた場合、TASを他の部署/組織に導入すべきである。導入の成功要因には、以下が含まれる。
段階的に展開する
TASの使用に適したプロセスの適合と改善を行う
新規ユーザーに対し、トレーニングや コーチング /メンタリングを行う
利用ガイドラインを定義する
実際の使用状況に関する情報収集の方法を実装する
TASの使用、メリット、コストを監視する
TASのテストチームと開発チームを支援する
すべてのチームから、得られた教訓を集める
改善点を特定し、実装する
ソフトウェアライフサイクル内でのTASの導入
通常、新しいTASや新しいバージョンのTASの導入は、プロジェクトの初期段階、コードが固まるタイミング、スプリントの終了時など、ある程度の区切りとなるタイミングで行われます。
TASの導入にはテストや修正といった作業が必要となり、時間がかかるため
導入によってテスト自動化プロセスが中断してしまうリスクを避けるため
練習問題
Question #18 (2 point)
Question #19 (2 point)
【出典元】
ISTQBテスト技術者資格制度
Advanced Level シラバス
テスト自動化エンジニア
Version2016.J01