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森の中でタマゴタケに出会えた

去年はキノコが不作だった八ヶ岳。雨が少なかったのです。
今年は雨がある程度降ってくれたので、夏キノコが一斉に飛び出してきました。素晴らしい。
夏キノコの代表といえば、もちろんタマゴタケです。

いま、八ヶ岳周辺の直売所などでも、タマゴタケが大量に販売されています。大小入り混じって10本くらい入ったのが、600円程度です。探すのが大変で貴重なキノコの割には、随分安いと感じてしまいます。
でも、それには理由が。タマゴタケに限った話ではないですが、自然から採取したキノコはすぐに傷んでしまうのです。当日中に食べるのであれば問題ありませんが、翌日になると形がどんどん崩れてきて、身も柔らかくなってしまいます。だから、東京都内のスーパーなどで売られることはほとんどありません。
直売所では、基本的にその日の朝に取ったキノコが並んでいるのだと思います。そして、平日はあまり売れないようです。美しいキノコですが、真っ赤な見た目は毒々しいと思われるようで、知らない人は敬遠してしまうようですね。

どこに生えているのか

タマゴタケを探すのは、素人の私にはとても難しいことでした。
森の中を歩き回ってみても、タマゴタケはおろか、キノコ自体をほとんど発見できません。たまに発見できても、カワラタケのような倒木に生える固いキノコや、名前もよく分からないようなマイナーなキノコばかりです。

基本的には、タマゴタケは広葉樹が多い森に生えるようです。
そして、森の奥の方というよりも、人や車が通る道のそばなど、ちょっと開けた場所のほうに生える傾向があるようです。

といっても、そんな場所は山ほどありますよね。
去年、キノコなどを写真に撮りたくて下を向きながら森を散歩していましたが、滅多に出会うことはできませんでした。

で、とてもラッキーなことに、キノコに詳しい人に案内していただいたので、ついに自然の中に生えているタマゴタケに出会うことができました。
タマゴタケに似た毒キノコ(タマゴタケモドキとか)もあるので、自己判断で食べるのは危険です。その点でも、詳しい人に確認していただけるのはとてもありがたかったです。

自分の家からそんなに遠い場所というわけでもなく、過去に私自身も通ったことがある山道の近くでした。こんな身近なところに、本当にタマゴタケが生えているのかなあと不思議に感じましたが、めっちゃ生えてました。

赤い色の目立つキノコ

タマゴタケが生えているという前提で森の中を探していると、真っ赤なタマゴタケをすぐに見つけることができました。
おお、ほんとに生えてる。美しい!!

最初に出会ったタマゴタケには感動!

茶色と緑色に覆われている森の中では、赤い色を探すのは簡単です。
最初にタマゴタケを見つけることができれば、次から次に見つけることができます。
タマゴタケも含めてキノコはとても成長が早く、1日とか2日という時間であっという間に大きくなります。
ですので、タマゴタケが生える場所さえ見つけることができれば、そこには一斉にタマゴタケが生えていて、あちらこちらで姿を見ることができます。たとえ数日前に誰かが採取していても、新しいタマゴタケがどんどん生えてくるからです。

以下の写真、タマゴタケが何個生えているか数えてみてください。

手前の2つだけでなく、奥のほうにもチラチラと見えますね

すごいですね。写真を拡大しないと分かりにくい場所もありますが、少なくても8個のタマゴタケがあります。
あるところには、あるんですね。

判別するポイント

タマゴタケは、幼菌の姿がタマゴに似ています。
「つぼ」と呼ばれる白い外皮膜に包まれた状態から、赤いボールのような幼菌が姿を現します。白い卵の殻から真っ赤な卵が出てきたような見た目なので、この名前がついています。

幼菌はスクスクと成長し、傘を開いていきます。
1日も経てば、あっという間に立派なキノコの姿になるのです。

傘を開いたタマゴタケ

これくらい傘が開いたものだと、傘の部分の身が崩れやすくなっています。
ビニール袋とかに手荒に放り込むと、すぐに形が崩れてしまいます。カゴなどを用意して、丁寧に置いていくのがいいでしょう。

先ほどのタマゴタケを、下から眺めた様子

キノコの「ひだ」(傘の裏の部分)や「つば」(柄の真ん中にあるスカートのような部分)が白いものは、別種の毒キノコ(タマゴタケモドキなど)です。
必ず、この2か所を含めてキノコの裏側が黄色いことを確認します。

赤いキノコは、他にもたくさんある

こうやって、写真で見ていくと間違うことはないと思いますが。
私の友人は、渓流沿いで赤いキノコを見つけて、もしかしてタマゴタケ?と勘違いしていました。
この写真です。

タマゴタケじゃないですよ。ベニタケの仲間

見るからに、タマゴタケとは異なりますよね。
でも、タマゴタケの実物を知らない人や、うろ覚えの人は、赤いキノコというだけでタマゴタケを連想してしまうものです。
これは、ベニタケの仲間です。ベニタケの中にも色々な種類があるので、細かな種類までは分かりませんが。

ベニタケの仲間は、うちの庭にも生えていました。
とってもかわいい幼菌です。小学生の次男が発見して、興奮していました。

レンガの際から生える幼菌

1cmあるかどうかの小さな幼菌です。レンガから真横に生えているような不思議な生え方をしています。この先どうなるのかが、楽しみです。

自然の恵みを頂く

話をタマゴタケに戻しまして。
せっかく見つけたタマゴタケ。自分たち家族が食べる分だけを、持ち帰らせてもらうことにしました。

立派なタマゴタケたち

タマゴタケは、本当に美味しいです。
去年、道の駅で半信半疑で購入したタマゴタケを料理して、濃厚な旨味の強さに驚きました。クリームパスタにするのが最高ですし、塩味のスープにするだけでも美味しいです。

今回も、冷蔵庫の残り物で、とりあえずクリームパスタに。
生クリームがあればもっと濃厚なソースにできたのでしょうが、牛乳しかなかったので、ちょっと水っぽいあっさりとしたソース。麺も、できればフィットチーネのような太麺が良かったですが、在庫がなかったので普通のスパゲッティーニで。
でも、惜しみなくタマゴタケを使えるので、美味しいパスタになりました。

にんにく&ベーコンと合わせただけのクリームパスタ

昼食はパスタ。夕食はスープに。
という形で、1日で写真のタマゴタケを完食しました。傷んでしまってはもったいないので、なるべく当日中に食べきりたいですからね。

キノコの記事が続きましたが、自分が知らない食材を食べたり、自分が自然の中で発見した食材を食べるというのは、実に楽しいものですね。
観察したり写真に撮るのも良いですが、自分で味わうという付加価値が加わると体験に厚みが出ますね。
今回も、八ヶ岳で楽しい週末を過ごすことができました。

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