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リアルポートレートへの想い

私は 30 歳の時に当時働いていた職場を辞めて、夢であったカメラマンになるために、キャバクラ経営や、美容院・キャバクラ撮影等をしながらお 金を貯め、実績を積んでいきました。

写真の大学を出たり有名な先生に師事をしていない私にとって、写真家として生きていくことはとても難しいものでした。
写真界というピラミッドがあるのならば、間違いなく私は底辺にいました。

そんな頃、名古屋には話題になるような大きな写真展はありませんでした。当時は御苗場、大阪関西御苗場、ポートレート専科があるのに名古屋には無い。
これに匹敵する展示会を名古屋で誕生させたいと思いました。
名古屋で生きる写真家を知って貰いたいと願いました。

そんな気持ちで 11 年前の 2011 年にリアルポートレート第一回を開催しました。
数人の参加者からのスタートで費用もなくほとんど自分の持ち出 しで展示を行いました。
自分の好きな写真を展示する、他人の写真を否定しない。
それが自由な写真展という想いからテーマを「ポートレートはも っと自由になる」にしました。

私が立ちあげ、リアポを大きくしたいと言っても名古屋で日本最大のポートレート写真展などできる訳ないと笑われました。
東京にいないと、東京 で開催しないと人は集まらないと言われてきました。

しかしリアルポートレートを通して同じ思いを持つ仲間に出会うことが出来ました。
挫けず、諦めず主催として、毎年続けていきました。
私の写真の根幹は、絵画にあります。
小学校のころから漠然とカメラマンになりたいと思っていましたが、読んでいた本は、アサヒカメラや日本カ メラではなく、
毎週買っていた美術の雑誌「週刊グレートアーティスト」でした。

アサカメの写真には興味がなく、絵画の世界のような写真を表現 したいと読んでいたのが今の作風に繋がっています。

私は瞬間を撮ることよりも、頭の中にある自分の世界を具現化したいと常々考えています。
自 分が創作写真作家である所以です。

現在は一宮にスタジオを持ち、多い時は一日 5 本の撮影をさせて頂きます。

私の頭の中の世界観を再現するために自分で花を仕入れ装飾をしたり、小物等を制作します。
結果、今ではフラワーアーティストとしての仕事が来 るようになりました。写真は、写真展はこうあるべきだという枠を取り除き
自分が思うような写真制作をしていきたことがリアルポートレートに 繋がり、写真家として確立できたのだと思っています。

そう「自分の好きを貫き通したこと」です。

私から見て、写真の展示の世界では、仲間同士の褒め合いが蔓延していました。

なれ合いは作品の質を下げていきます、 自分の「合格点」を下げてしまうのです。
それは恐ろしいことです。
人の優しい言葉で成長は止まるという事なのです。
皆さんへのアドバイスがあるとすれば、自分の合格点を低くしないこと、
自分に対して厳しく見ること、貪欲な向上心を常に持ち続ける事、それが大切なんです。

其の為には大きな柱を自分自身に持てると良いでしょう。
例えば私は「合成や CG を使わずに」作品を創ります。
でもこれは、合成や CG の否定 ではなく「目の前に在るものを撮る」という「写真」に拘っているだけです。
その柱があるから、自分は自分でいられるのだと思います。

別にそれが正しいとかでは無いのです
ですが何でも良いから、自分の写真に於ける「柱」は必要です。

リアルポートレートが盛んになり、写真展の世界が変わったなどと言われる時があります。
どんな時代でも世界を変えるのは、沢山の人達ではなく一人の狂人が変えていくのです。
何かに向かって狂ったように執念を持って取り組む人間が皆を巻き込んで世界を変えると信じています。

名古屋からポートレートの世界を変えるために 私はリアポに、東京から名前の通ったプロのフォトグラファーを招待しました。
それらは全部自費で賄っていたのでずっと赤字でした。

それがようやく 8 年目に黒字になりました。
続けると決めてから、それまでは自分の持ち出しでリアルポートレートを運営してきました。

私の作品が好きではない人たちにも、主催者の作品は一番、情熱がある。

そう伝わるように採算度外視で気合の入れた作品を展示し続けました。

主催者とは参加者の中でだれよりも気合の入った人、そう信じて 11 年やってきました。
結果、今では日本最大級のポートレート写真展になりました。

名古屋での成功の後は、東京でリアポを開催し、来年はさらに大きく東京でも開催をします。

私が目指している写真展は写真が好きな人たちだけが集まって、褒め合ってどこの展示に行っても似たような人たちがいて、写真界の狭い話をす る場所ではありません。

私の考える写真展は、自由に展示ができ、写真に興味が無い人たちも集まって、来て下さる方々が、みんなでおしゃれして 来てくれるような映画館のような遊園地のような心躍る場所にしたいのです。

その日に見た写真で人生が豊かに変わるような、そんな場所にしたいのです。

まだまだ道は途中、私は、進んでいきます。ぜひ、リアルポートレートに遊びに来てください

HASEO


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