心に残る美味しんぼの83巻
前回の話はこちら
古本屋時代の話が何故かちょっとハネて、びっくりしてその話も続きを書こうかと思いつつも一番俺らしい記事とはなにか? そう、必要以上の美味しんぼディスを食らえ!(こういう奴です皆様改めてよろしくお願いします!)
初めて見た人はともかく、ここまでこのnoteを読んだ人なら俺が美味しんぼに一言も二言もあるのは承知であろう。何故そんな事になってしまったのかと言うと、あのマンガが本質的にはイカれているからに他ならない!
「美味しんぼ」38巻より
ラーメン三銃士という言葉を使いたいがために登場したと思われる多木康の雑さ(なんだよ具の専門家って!)
こんなこと俺が言わなくても、ネット登場以来散々突っ込まれているだろう辺りではあるが、好きなんだからしょうがない!
だが今日の課題はこれだ!
前回が82巻だから、というわけではない。前回のおむすび対決も酷かったが、今回の表題「最高の豚肉」も酷い! 結婚、金上編以降の後期でもこの2冊は悪目立ちしている。
まずは誰も気にならない俳句会の存亡を、調子こいた山岡がお得意の「君たちは無知だなぁ博識な私が事実を教えてあげよう」スタイルで解決。手垢のついたスタイルのため、オチも弱く山岡の珍しい顔以外見どころはない。マックの描写が時代を感じさせますね。ちなみにわざわざ岡星と寿司ともをハシゴしたにも関わらず、夏子のセリフはゼロ!
そして問題の「最高の豚肉」である。
肉を断って50年の画家、永家さんが余命半年と宣告されたので肉食わせてくれという話。重すぎる!
だが勝手に岡星を巻き込み、最高の豚肉を食わせるとのことに(しかし岡星っていつも山岡達以外の客いねぇな……)。しかし前のページで京極が気になる事を言ってるのは皆スルー。
だからお前らは最高の豚肉をという事で話が進んで行くのだが、普段なら「関西が牛肉の本場なんて思ってるなんて古すぎる」くらいのこと言いそうな山岡が納得するかね? あと最高の鶏肉は食わせないのか?
「美味しんぼ」1巻より
注、この女の子は栗田さんです
1巻の時点で鶏肉にこんなうるさいのに!
ともあれ、まずは岡星に頼り切り様々な豚肉料理を食わせる一行。
永家さん満足(やっぱ栗田さんはどっかで別人と入れ替わってるよなぁ……)。しかし山岡は納得が行かない様子で、
なんて事を言い出す。そしてこの後、驚愕の展開が待っていた……
?
昼休みに富井副部長が戯れにやったフラメンコから、この結論を導き出した山岡!
「ボボボーボ・ボーボボ」3巻より
ちょっと意味がわかりませんね
ということで若干の京極の反対がありつつも永家さん自身も前向きなため、余命半年のガン患者をスペインに連れ出す山岡一行。
徐々に力強い顔になってくる永家さん(しかし美味しんぼって、間違いなく画力はあるはずなのに全然飯が美味そうに見えないのは何故なのか?)。
で、この後もなんやかんやあり立派に豚が飼育されたかどうかを見た後、永家さんはこう言って幕を閉じようとした……
ここで終われば、まぁ良かったんだろうがそうは問屋が卸さない。世の中にはいらない一捻りを加えたがる作家というのはまぁまぁ存在するわけで……
今読んでも、なんて破壊力に満ちたビビるオチ! こんなん新人がネーム出したら激怒されるよ! さすが大物劇画作家だぜ……
「殺し屋1」9巻より
しかし何を隠そう美味しんぼ、実は美味い物食って病気が治るというのは実は単行本1巻からあった流れ! 何を隠そう、栗田さんの祖母である!
「ボボボーボ・ボーボボ」19巻より
「美味しんぼ」1巻より
ブロイラーではないちゃんと飼育された鶏を食えばボケは治る! スペインできっちり処理された豚肉を食うと末期癌が治る! 美味しんぼは1巻からずっとこんな感じだったのだ!
ここまで注釈のない画像はすべて「美味しんぼ」83巻より
それ以外はただ説教臭い話が多いが富井副部長の見所がまぁまぁあるので83巻、オススメします!
「将太の寿司 全国大会編 文庫版3巻より」