才能について思うこと
わたくしフリーライターをしておりまして、取材相手から「とっちらかった話を上手にまとめてくださってありがとうございます」みたいなお礼をよく言われます。
「いやいや、仕事なんで」
「すごい才能ですよ!」
「いやいや、20年も続けていれば、誰でもできますよ。訓練です、訓練」
なんてやりとりをしていて、思い出したことがありました。
昔、あれは私が出版業界に入ったばかりの、28歳の頃。キャスターの安藤優子さんに取材させていただく機会がありました。
著者インタビューだったから、安藤さんが著した本について伺うはずが、素人同然だった私は取材にかこつけ、自分の悩みをダダ漏れさせていたのでしょう。
どんな流れで行き着いたのか、もう忘れてしまいましたが、「才能とは?」という話になりました。
安藤さん曰く、「続けられることが才能」とのこと。
続けられるかどうか、その才能があるのかどうか、わからないから悶々としているのに、続けられれば才能があったということだし、続けられなければ才能がなかったということ、という話に納得がいったような、いかなかったような。
そうか、わたし、これ、才能あったんだな。
これ、ってのは、文筆業です。
だって、20年も続けてこられたんだもの。
安藤さんが言ったこと、こういうことだったんだな。
気になって、あのときの安藤さん、おいくつだったのだろうと調べてみたら、いまのわたしくらいの年齢でした。
ミドルエイジにならないとわからないことって、あるんですね。
でね、思うの。
たとえ仕事にしていなくても、換金できなくても、なんだかんだ、続いちゃってる、続けちゃってることってありませんか。
それってやっぱりそのことに才能があるんだと思う。
それに、何歳になっても、新しいことを始めたくなるときがある。そんなときは、才能があるかどうかなんて考えずに、とりあえず始めてみちゃったらいいと思うの。才能があれば続くし、才能がなければ続かないんだから、始める前から考えても意味なし。心配ご無用。
わたしにも、お金にはなっていないけれど、断続的に続けていることがある。これは才能があるんだ、と自信を持ちたい。
それから新しく始めたいこともある。才能があるかどうかはわからないけれど、まずはやってみたいと思う。