長谷川 翔平/フリーアナリスト

元野村アナリスト・経営コンサルタント/アナリストランキング(ヴェリタス)ランクイン実績…

長谷川 翔平/フリーアナリスト

元野村アナリスト・経営コンサルタント/アナリストランキング(ヴェリタス)ランクイン実績あり/20才でCMA2次合格/noteでは企業分析のやり方や株式市場について思うことを書いてみます/今の会社:https://corporate.ishare-emh.com/member/

最近の記事

フェアにいこうぜ

はじめに 初めまして、又はこんにちは。フリーアナリストの長谷川です。普段は、自身で開発・運営するリサーチプラットフォームIshareで、直接的にも間接的にも発行体からフィーを頂かない”真に”中立的な立場でアナリスト・レポートを執筆・発信しております。また、「戦略・経営コンサルタント」×「セルサイド・アナリスト」といったキャリアを活かし、経営×IRの両輪で推進する企業価値向上コンサルやIRコンサル、ベンチャー企業支援などを手広く手掛けております。  IR系Advent Ca

    • 投資視点|通期決算前の確認事項10選

        多くの国内上場企業の決算月は3月のため、通期決算開示を目前に控えた4月は個別株投資において事前確認しておくべき事項が多いです。思わぬ考慮漏れで足元をすくわれないように、ポジションを抱えている又は抱えようとしている銘柄は、下記の「確認事項10選」をチェックしておきましょう。  ①計画と着地見込みの差異  会社が開示している最新の業績計画と着地見通しが相応に異なるなら、事前に修正開示が出る可能性がある点に注意しましょう。基本的には売上高で10%、各段階利益で30%の乖離が修

      • 分析の窓①|数値開示のないグラフ、読み取ってますか?

        はじめに 決算説明会資料を見ていて、「このグラフのKPIを知りたいけど数値が開示されてない!モデルが組めないではないか!」と歯ぎしりしたことはありませんか?数値非開示のグラフは、企業として”生データは開示したくない(できない)けれど、ぜひ投資家に知ってもらいたい”と考えるキーチャートですので、可能な限り読み取ってモデルに落とし込みたいところです。    私が知るセルサイドアナリストの中では、決算発表直後に当該スライドを引き延ばし印刷して、定規で図ってミリ単位でモデルに入力する

        • 投資視点①|平均給与上がってますか?

          はじめに 銘柄選定の一つの着眼点として、「平均給与を上げてもなお、好業績をあげられる企業なのか」、または「収益水準を維持するためには、平均給与横ばいを維持しなければならない企業なのか」、といった見方や確認はアリなのではないか?といったお話です。  昔、とある大手機関投資家に、「給与が上がっていない企業には積極的には投資しない」と言われたことがあります。以前は「なぜ給与水準を上げるんだ、コストが嵩むじゃないか」といった意見を持っていたものの、中長期目線の企業業績や組織力の強さ

          バリュエーション④|DCFは柔軟性が高いが他手法でのダブルチェックが必須

          はじめに 前回はPBRやNAV倍率といった解散価値法について、その実務的な見方・使い方をご紹介しました。今回は、DCFについて、特にセカンダリーマーケットにおける立ち位置や使い方をご紹介します。  なお、DCFの計算方法自体は(多少の違いや厳密な意味での理論的整合性は兎も角として)世の中に説明資料が溢れており、検索エンジンで調べれば似たような説明がいくらでもヒットしますので、本稿では割愛し、DCFの計算方法自体は一定ご存じであることを前提に話を進めます。  なお、未読の方

          バリュエーション④|DCFは柔軟性が高いが他手法でのダブルチェックが必須

          バリュエーション分析③|PBR等の解散価値法はPERと掛け合わせて確認しよう

          はじめに 前回は株式市場で最もオーソドックスな評価手法であるPERについて、その見方・使い方をご紹介しました。今回は、PBRやNAV倍率といった解散価値法について、その実務をご紹介します。  なお、未読の方は事業理解①|兎にも角にも、まず有価証券報告書の「事業の内容」の項を読もう|長谷川 翔平/フリーアナリスト|noteからの閲覧をオススメします。 解散価値法は1.0倍が基準 PERやEV/EBITDAといったフローの財務指標を基に算出する継続価値法に対し、PBRやNAV

          バリュエーション分析③|PBR等の解散価値法はPERと掛け合わせて確認しよう

          バリュエーション分析②|万能選手「PER」を使いこなせるようになろう!

          はじめに 前回はバリュエーションの種類やその概念についてご紹介しました。今回は、株式市場で最もオーソドックスな評価手法であるPER(又はP/Eと表記)について、見方・使い方をご紹介します。  なお、未読の方は事業理解①|兎にも角にも、まず有価証券報告書の「事業の内容」の項を読もう|長谷川 翔平/フリーアナリスト|noteからの閲覧をオススメします。 PERは株式市場でバリュエーションを語る上での共通言語 EPS(又は当期純利益)を元としたマルチプルで企業価値を推し量るPE

          バリュエーション分析②|万能選手「PER」を使いこなせるようになろう!

          バリュエーション分析①|検討すべき方法論は究極的には2種類しかない

          はじめに 前回まで、PL及びBSの基本的な分析手法を説明しましたので、本稿以降ではバリュエーションのやり方についてご紹介できればと思います。なお、セカンダリーマーケットで株価の割高割安を判断することを主目的とした整理や手法紹介となりますので、未上場の新興企業に対して行うアートに近しいバリュエーションや、M&A等ある程度の型・作法が決まっているバリュエーションとは、一部異なる説明となることを予めお含みおきください。  なお、未読の方は事業理解①|兎にも角にも、まず有価証券報告

          バリュエーション分析①|検討すべき方法論は究極的には2種類しかない

          バランスシート分析③|資産の効率性やポテンシャル、リスクを把握しよう!

          はじめに 前々回、前回とバランスシートの基本的な着眼点や分析手法を体系的にお伝えしましたが、バランスシートにはまだまだ見るべきポイントがあります。今回は、ピンポイントで確認すべきバランスシート分析パターンについて、図表を用いたケーススタディで、いくつか視覚的に企業分析を進める方法をご紹介します。  なお、未読の方は事業理解①|兎にも角にも、まず有価証券報告書の「事業の内容」の項を読もう|長谷川 翔平/フリーアナリスト|noteからの閲覧をオススメします。 資産の効率性分析

          バランスシート分析③|資産の効率性やポテンシャル、リスクを把握しよう!

          バランスシート分析②|BSは情報宝庫、有報には取引先明細も開示されている

          はじめに 前回は店舗運営型企業のバランスシートの基本的な着眼点や分析手法をご紹介しました。今回は、Webサービス運営事業者のバランスシートについて、インターネットを用いてスキルの供給側(個人)とスキルの需要側(法人又は個人)をマッチングするフリーランスプラットフォームを運営するクラウドワークス(3900)を例に、図表を用いたケーススタディで、いくつか視覚的に企業分析を進める方法をご紹介します。  なお、未読の方は事業理解①|兎にも角にも、まず有価証券報告書の「事業の内容」の

          バランスシート分析②|BSは情報宝庫、有報には取引先明細も開示されている

          バランスシート分析①|ROE構成要素の2/3を占めるBS、軽視してませんよね?

          はじめに 前回は特別損失および法人税等で気を付けるべきポイントを紹介しました。これで最低限、損益計算書に関する主な分析手法はご紹介しましたので、今回からはバランスシート(貸借対照表)の着眼点や分析手法について、図表を用いたケーススタディで、いくつか視覚的に企業分析を進める方法をご紹介します。  なお、未読の方は事業理解①|兎にも角にも、まず有価証券報告書の「事業の内容」の項を読もう|長谷川 翔平/フリーアナリスト|noteからの閲覧をオススメします。 バランスシート分析は

          バランスシート分析①|ROE構成要素の2/3を占めるBS、軽視してませんよね?

          収益性分析③|特別損益・税金計算、イレギュラーケースに対応してますか?

          はじめに 前回は収益性分析を深掘りする際の分析パターンをいくつかご紹介しました。今回は、損益計算書上の営業外損益以下の項目に目を向けます。  損益計算書上の分析は営業利益までで、それ以下はざっと目を通すだけの方も多いでしょうが、株主に帰属する利益はボトムライン(当期純利益、又は親会社株主に帰属する当期純利益)です。資本効率の指標として最重要視されるROEもボトムラインを元に算出されます。思わぬところで足元をすくわれないように、特に気を付けるべき特別損失と法人税等に関して何点

          収益性分析③|特別損益・税金計算、イレギュラーケースに対応してますか?

          収益性分析②|在庫回転や店舗運営、広告効率、生産性の分析手法を紹介

          はじめに 前回は収益性分析のファーストステップとして、売上高を100%とした各費用科目の積み上げ棒グラフやセグメント利益率の折れ線グラフで概観を把握する方法をお伝えしました。今回は、収益性分析を掘り下げる際に複数業界で応用が効きやすい分析メソッドについて、図表を用いたケーススタディで、いくつか視覚的に企業分析を進める方法をご紹介します。  なお、未読の方は事業理解①|兎にも角にも、まず有価証券報告書の「事業の内容」の項を読もう|長谷川 翔平/フリーアナリスト|noteからの

          収益性分析②|在庫回転や店舗運営、広告効率、生産性の分析手法を紹介

          収益性分析①|変動費と固定費を分けてみて、売上増減の感応度を把握しよう

          はじめに 前回まで計6回にわたり売上分析のやり方をご紹介してきましたが、以降は損益計算書のやや下に目を落とし、売上原価や販管費の分析の仕方について、図表を用いたケーススタディで、視覚的に企業分析を進める方法をご紹介します。  なお、未読の方は事業理解①|兎にも角にも、まず有価証券報告書の「事業の内容」の項を読もう|長谷川 翔平/フリーアナリスト|noteからの閲覧をオススメします。 原価・販管費明細で主な費用科目を把握しよう まず、調査対象企業の主な費用が何かを確認しまし

          収益性分析①|変動費と固定費を分けてみて、売上増減の感応度を把握しよう

          売上分析⑥|分析深度を高める、一歩先の売上分析パターンを紹介

          はじめに 前回まで複数回にわたり売上分析のやり方を体系的にお伝えしてきましたが、分析の標準化と定量評価にフォーカスしたため分析メソッドとしての抜け落ちが多々あります。今回は、売上推移の背景や企業の強みを把握する際に役立つ着眼点や分析パターンについて、図表を用いたケーススタディで、いくつか視覚的にご紹介します。  なお、未読の方は事業理解①|兎にも角にも、まず有価証券報告書の「事業の内容」の項を読もう|長谷川 翔平/フリーアナリスト|noteからの閲覧をオススメします。 B

          売上分析⑥|分析深度を高める、一歩先の売上分析パターンを紹介

          売上分析⑤|競合との業績格差は、競争優位性や経営戦略の違いを如実に表す

          はじめに 前回は、業界動向と個社業績を掛け合わせた分析手法をご紹介しました。今回は、競合企業との比較分析の一例について、図表を用いたケーススタディで、視覚的に企業分析を進める方法をご紹介します。  なお、未読の方は事業理解①|兎にも角にも、まず有価証券報告書の「事業の内容」の項を読もう|長谷川 翔平/フリーアナリスト|noteからの閲覧をオススメします。 上場・非上場問わず競合をリストアップしよう 競合分析のファーストステップは、上場・非上場を問わず類似企業をリストアップ

          売上分析⑤|競合との業績格差は、競争優位性や経営戦略の違いを如実に表す