子育てしやすい環境とは、その①保育施設の役割
10年間、認可外保育施設立ち上げから、認可小規模保育事業所を運営してきて見てきた、保護者の実情を踏まえて、子育てしやすい環境とは、をテーマーにシリーズで出稿したいと思います。
保育園に預けるのは可哀想?
「小さいうちから保育園へ預けて可愛そう」「3歳までは自宅にいる方が良い」私達は「3才時神話」と呼んでいたこういった考えも、今は古い考え方として認知が進んでいるようです。
実際、小さいうちから保育園で預けられる子どもは可哀想なのでしょうか?
結論から申しまして、子ども達は保育園ですくすくと成長しています。両親を含む家族への愛着というのはありますが、必ずしもそれがないと「愛に飢える」といったことは無いので、保護者さんに不要な罪悪感を持ってほしくありません。
保育園での日常は全て成長に繋がっている
保育園ではだいたい同年代のこどもが集団生活を営んでいます。成長とともに個性はより顕著になっていき、活発なこども、内向的なこども、自己表現が得意、不得意様々です。
保育士は個々、あるいは集団の園児達を踏まえて、成長の計画を立てて、子どもたちの自主性を重んじながら、成長を支援できるような日常を送っています。わかりやすい例で言うと、リトミック(音楽に合わせて、体操するリズム遊び)や絵本の読み聞かせなどです。保育所保育指針ではこども達の成長に関して「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」の5領域について、明確にねらいを定めています。
普段何気なく遊んでいても全てがここにつながっているということです。
保育士以外の専門知識を有する職員
こども達自身は自覚ないかもしれませんが、保育施設はこういった保育方針のもとに、多職種、多数の経験豊かな大人の中で成長していきます。保育士はもちろん、栄養士、心理士、嘱託医や看護師といった具合です。夫婦共働き世帯が増える中で、こどもの成長を個人で負担するには、時間的に限界がありますし、今はこどもを社会で見守り育てる時代だと私は思います。
保育施設は「保護者の代わりに子どもを育てる」施設ではなく、こどもの成長を支援するとともに、保護者や子育て世帯のあり方についてもサポートしていく、「多機能化」が求められています。
そういう意味でも「保育園に通う」ことは、こどもとの時間が少なくなるかもしれませんが、とても有意義なことだと私は思います。
そのために児童福祉はより手厚く、さらに子育て世帯にとって頼りになる存在として地域の下支えをなる重要拠点であると感じています。