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Loopianの思想

Loopianとは、テキストによるオリジナルの音楽記述記法と、それを動作させるアプリ、及び関連する周辺デバイスを総合した、プロジェクト全体の総称です。
Loopianは、LoopとPianoを組み合わせた造語です。
この言葉の通り、Loopianでは主にピアノの演奏情報をループ状に扱うことによって、新しいピアノ音楽の生成をサポートします。
例えば、その一つの表現形態としてLive Codingが挙げられます。Live Codingとは、リアルタイムにプログラムを書くことで音楽を生成していくパフォーマンスのことです。
Live Codingでは観客は音楽を聴くだけでなく、プロジェクターで投影された映像を通して、プログラムがリアルタイムに書かれていく様子や音が映像に反映している様子を見ることができます。
このようにLive Codingでは、プログラムを書くことをパフォーマンスとして捉えます。

Loopianによるシステムも同様に、テキストで音楽情報を入力し、リアルタイムに音楽を変えていくことが可能です。
また、アプリの背景に再生中の音楽にシンクロしたグラフィックを表示します。
ただし、Loopianは一般的なLive Codingのシステムとは違い、プログラミングの形式でテキストを入力するのではなく、ターミナル等で一行ずつコマンドを入力するように、一行ごとに音楽的指示を入力していきます。
このように、Loopianには、他のLive Codingシステムとは若干趣きの違う幾つかの特徴があります。
以下に、Loopianの主な特徴を挙げてみましょう。

  • 上述のように、指示は一行単位で入力し、アプリは一行ごとに文字列で反応を返します。あたかもアプリとチャットしているようなインターフェースとなっています。

  • 上述した通り、基本的にピアノ音色のみを扱います。詳細な仕様はピアノ音色を鳴らすことを意識して設計されています。このためLoopianによる音楽は比較的落ち着きのあるクラシカルな雰囲気の音楽を志向します。

  • 音程の指示は、C,D,E,F...といった音名や数値ではなく、移動ドの考えに基づき、ドレミファソラシドの階名によって指示します。

  • Loopian記法はより音楽の仕組みに寄り添った体系となっており、将来的には教育分野でこの記法を利用するといった使い方も考えられます。

現在Loopianのシステムには、PC上で動作する専用アプリ "Loopian::APP" と、アプリと連携して動作するデバイス "Loopian::ORBIT" が存在します。
Loopian::APP は、Loopianの思想を体現する中核を成しているので、このアプリを単にLoopianと呼んでも構いません。
今後も、このLoopianの思想に基づいた様々なアプリ、デバイスが出現する可能性もあります。


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