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【劇評338】『Medicine メディスン』は、耳も目もふさぎたくなるような現代を映し出しす。

 世界はノイズに満ちている。
 しかも、ノイズは、牢獄のなかにこそ、充満しているのだ。

 エンダ・ウォルッシュの新作『Medicine メディスン』(小宮山智津子訳 白井晃演出)は、世間とは隔離された施設で展開する。
 コングラチュレーションの横断幕、パーティの名残で散らかっている一室に、ジョン(田中圭)が、パジャマ姿で入ってくる。姿の見えないだれかから質問され、ぎこちなく答えるところから劇は出発する。

 やがて、老人のリナルなお面をつけたメアリー(奈緒)、ロブスターの着ぐるみを着たメアリー2(富山えり子)、そしてドラム奏者(荒井康太)が現れる。どうやらジョンが書いた台本を、この三人の演者が上演するらしい。ジョンが生まれてからの物語で、ふたりのメアリーは、父と母に扮する。ジョンがなぜ、この施設に入ったのか、シアターセラピーによって読み解こうとしているかのようだ。

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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。