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天下無双、漢、海老蔵

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市川海老蔵が、不当な非難を受けていることを、残念に思います。役者は舞台がすべてです。海老蔵について書いた劇評を集めました。野性、暴力性、破天荒が評価されてきた海老蔵に、市民社会の…
年末に團十郎襲名を控えていると噂される海老蔵を応援するマガジンです。
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2022年7月の記事一覧

【劇評265】「観客はおれを見に来ている」。みじんも揺るがぬ海老蔵の自信。

 海老蔵の当たり狂言となった『夏祭浪花鑑』。六度目の上演である。  今回は、鳥居前、三婦内、長町裏の三場が出た。海老蔵は団七役を十八代目勘三郎に教わったが、勘三郎は串田和美の演出のもとに、発端、お鯛茶屋からはじめて、長町裏のあとには、団七内に戻り、屋根上を出す半通しと比べると、今のご時世に合わせて、万事が簡潔に、この芝居のエッセンスを伝えている。  勘三郎は、団七の心理をリアルに伝えることに主眼を置いた。海老蔵は回を重ねるごとに、『夏祭浪花鑑』の様式美を重く見る。善し悪しを

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