【ミニ社長塾 第42講】あなたの言語化力を鍛える4つのトレーニングの話。
おつかれさまです。
中小企業診断士で、社長の後継者に【徹底伴走】するコンサルタントの長谷川です。
昨年11月にスタートした社長塾の20期生は現在「価値創造計画」づくりの真っ只中です。「価値創造計画」とはいわゆる「中長期経営計画」のことなのですが、「価値創造」と付けているだけあって新たな価値を生み出すことに焦点を当てています。
後継経営者ならば、第二次創業、第三次創業を、創業者ならばご自身が掲げるビジョンの実現のために、考えていただいています。
そこで大事になってくるのが「言語化力」で、経営者の頭のなかにだけ「画」が見えていても意味がないんです。計画は実行されなければ意味がなくて、描いている「画」を社員の方々に見せないと実行に移せません(視覚から得る情報量は聴覚の100倍だそうです)。
また、自分自身でも情報の整理ができていなければ、言葉で表現することもできません(「アレだよ、アレ!」ではダメです……)。
そこで今回のミニ社長塾は『あなたの言語化力を鍛える4つのトレーニングの話』です。どうぞよろしくお願いいたします。
1.「言語化力」が高いとどんなメリットがある?
「言語化」という言葉はよく耳にされると思いますが、言葉は正しく定義しておいた方が良いと思いますので、まずは言葉の説明をします。
Weblio 辞書によると、言語化とは「言葉で表現すること。感情や直感的なものを説明・伝達可能にすること。」です。
ただ、私は「言葉にすればいい」というわけではなくて、大事なことは「相手が理解しやすい言葉にすること」だと考えています。なぜならば、言語化力が高いと、次のようなメリットがあるからです。
このうち「①意見や提案が通りやすくなる」が大きなポイントです。会社は一人ではなく集団でものごとを前に進めていくことばかりです。周りの人たちに何らかの行動や変化を促すためには、相手の理解を得たり心に訴えかけることができなければいけません。
このとき、「言語化力」が高ければ、相手が持っている情報量に合わせて、相手に伝わりやすい表現や言葉を適切に使うことができます。そうすれば、相手に納得感や実現可能性などをあたえることができ、自分の意見や提案が伝わりやすくなります。
また、「②整理して考える力が身に付く」ということも、相手が持っている情報量を受けて自分の言葉を考えるときに役立ちます。会話の中で、「それって、○○ということですか?」と言い換えて相手の理解度などを確かめることをすることで、相手と建設的な会話ができるようになります。
このあと、「言語化力」を鍛えるトレーニング法として、僭越ながら私が実際に行っている4つのことをご紹介させていただきます。ビジネスの日常で取り入れられることばかりですので、参考にしてみてください。
2.言語化力を鍛えるトレーニング法
①ビジネス関連の本や記事を読む
言葉や表現の方法を知っておくということで本を読むことは大事です。また、専門的な言葉が分からないと自分で調べるので、相手に合わせて言葉や表現を変えたりするときに役立ちます。また、本だけではなくネット記事やビジネスに関する情報を追うことで、自分の分野に関連する情報を広く入手することも出来ます。
私は主に通勤の時間などのスキマ時間で読むことのほか、「1時間読む」と決めて時間を取るようにしています。
②ビジネスメールで練習する
メールは日常的に使われる代表的なコミュニケーション手段です。ですが、皆さん、どれくらいメールを意識して使われているでしょうか?
ある調査によると、一日でメールを処理する時間は合計2時間30分かかっているそうです。※引用元:ビジネスメール実態調査2021
この時間を「もったいない」と感じる方もいらっしゃると思いますが、メールは「短い文で要点をまとめる能力」が求められるので「トレーニングのチャンス」と見ていただきたいです。
メールでは、やり取りしている相手に「一番伝えたいことは何か?」「それを伝えるためには、どのような情報を書けばよいか」というようなことを考え、自分の意図を正しく伝えるトレーニングになります。
また、意図が正しく伝われば、メールのラリーは少なく済むので、結果的にメールの総処理時間も短くすることができます。以上のことから、メールを練習の一つとして意識して使われると良いと思います。
※ちなみに、私は過去にメールのやりとりでお客様にご迷惑をかけてしまったので、注意してやり取りをするようになりました。
③プレゼンテーションを行う
プレゼンテーションといっても何らかの発表を社内で行いましょう、ということではなく、提案や商談の場面で行う活動も含まれます。例えば商談を円滑に進めるためには相手との会話を想像しながら準備や練習を進めますよね。そこが「言語化力」を鍛える上では大事になってきます。
冒頭で「言語化」で大事なこととして「相手が理解しやすい言葉にすること」とお伝えしました。プレゼンテーションの目的は、相手に自分の意見や提案を明確に伝えること、であり相手があってこそのものです。プレゼンテーションを成功させるためには、テーマの整理からプレゼン資料の作成、そして口頭での練習といったことが欠かせません。だからこそ、「言語化力」が鍛えられます。
④ディスカッションやミーティングに積極的に参加する
①~③とは異なり、④は即興性が求められます。自分の意見や考えをその場で的確に表現しないといけないからです。また、他の人の意見や発言を理解したうえで、適切に反応、発言する必要があります。社内だと多少変なことを言っても許される空気がありますので、私はディスカッションやミーティングの場面では発言するようにしています。
以上、「言語化力」を鍛えるトレーニング法として、私も実際に行っていることを4つをご紹介いたしました。
3.まとめの話
「言語化力=語彙力」と思われる方がいらっしゃいますが、「言語化力」を構成する要素としては大きく3つあります。それは、「準備力」「決断力」そして「語彙力(表現力)」です。
確かに「語彙力」がないと、相手に合わせた言葉や表現ができませんが、それはアウトプット手段の一つに過ぎません。一番は自分が相手に「何を伝えたいのか」といったコミュニケーションを取る目的や内容を明確にしておくことです。今回ご紹介したトレーニングの②~④でも自問自答、自分が伝える内容を考えることになりますので、「準備力」「決断力」も含めて言語化力を高めていただきたいと思います。
今回の記事は『あなたの言語化力を鍛える4つのトレーニングの話』ということで話をいたしました。何かしらのお役に立てておりましたら幸いです。
次回の【ミニ社長塾】も、どうぞよろしくお願いいたします。
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