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廃都の物語(Ruinaリメイク)体験版感想/ #TGS2023


アーガデウムが降りてきた

Ruinaリメイクの報が突如発表された2022年のTGSから早一年。今日に至るまで、原作を尊重しつつアレンジが加えられた新規イラストに興奮し、RPGツクール2000のBGMがアレンジされたコンセプトトレーラーで暖を取り、体験会が中国で開催されるといったニュースにこっちにもやらせてくれよ!!!!と歯噛みしたこともありました。あまりにも長く、無邪気にはしゃぎ、そして続報の無い期間を耐える日々は苦しいものだった。
──だがそれも今日までの話。己はここに、アルケア帝国の復興を宣言する!!!!!

なお、写真はOKをいただいていましたが「えっ!?Ruinaリメイクが現実に!!?」と気が動転するあまりほとんど撮影していないことを帰りの電車で気づきました。レポ記事かくの死ぬほど向いてないなお前な



キャラメイク

前(後)髪、顔立ち、服装に加えて「特徴」で小物を足すことで結構自由度のある立ち絵の設定が出来ました。出生ごとに最初からある程度「それっぽい」グラが割り当てられていたものの、それらを無視して好みの顔を作れる!!というのはロールプレイの幅が広がっていいものですね。
原典と比較して「白髪」「白肌」「赤目」の色相が明確化したことでアルビノの共通項が見て取れ、主人公ズの「一人の人間を異なった筆致で描いたかのような」質感がより強化されるのもまた良し。鎧やトーガの色もバリエーションがありました。


短時間で作った割に結構好みの顔に。魔術師風のローブもあったけどトーガは神秘的かつ古代ローマ風な華やかさがあっていいですね。あと俺はセミロングくらいの髪をまとめてるタイプの何を考えてるのか分からない男が好き。この顔の神殿主人公がさ、日々神殿に募る避難民の姿に心を痛めたり固有イベントの前に己の真実を突きつけられる時の表情を想うと興奮で脳が焼かれそうですよ。


これは小物をいじってたら誕生した「都会からやってきた刺激的なお姉さまに憧れ初めてのお洒落に手を出した」系概念のマナです。公の体験会でそんな二次創作じみた遊びを?


マップ探索

Ruinaといったらゲームブック風の探索画面!原典の「未知の空間を踏破し既知の場所が増えていく」ダンジョン探索の面白さはそのままに、未踏破の部分にも壁画を思わせるイラストが描かれることで、世界観の奥行きを伺わせる手法がRuinaの雰囲気に沿っていてかなり好感触。滝の洞窟では夜種と思しき異形とそれに恵みを与える女性?が配置されて考察が捗ります。

探索済み・未探索のアイコンがかなり分かり安くなっているほか、ツルハシで壊せる岩などのポイントも把握しやすかったなぁと。オートセーブ機能も良いぞ。

ただカーソル移動にクセがあり、移動速度が遅いほか微妙にキーレスポンスが悪いので快適性に欠けて感じました。原典の縦横4方向への移動から変化したのもあるかもしれないですが、直感的な操作ができないのは不満点ですかね。
あとUIがやや煩雑な印象があり、アイテム使用画面はCキーだが装備の変更やキャンセルはEsc、仲間との会話はスペース…と使うキーが多岐にわたるため慣れないうちはどこがどれだったが分からず混乱しきり。特に装備の変更は聞き逃してしまったのか途中まで全然わからず、武器を買ったのに装備しないまま戦闘に突貫するというRPG初心者みたいなムーブをもかましてしまった。
一度の探索で一定の経験点を積むとボーナスSPを入手できるTTEXPシステムが体験版では無くなってるのも首を捻る。あれはボーナスを狙って先に進むか安全を考慮し退くかを選択する駆け引きがゲーム体験に深みを与えていたので、是非とも製品版で復活してほしいところです。

とはいえキャラのステータス画面が手帳風になってたり、序盤で入手できる「旅人の手記」のイベントが凝っている辺り原作の雰囲気、ひいては作品に触れプレイヤーの感情が揺らぐ様は大事にしている印象は色濃く感じました。Ruinaのもつ良質なファンタジーの描写が好きな自分にとってここは外してほしくない点だったのでこの点は満足度が高いですね。前述のシステム的な点を改善したらより没頭できるんでないかな、と考えており、今後のアップデートに期待したいですね。


キャラクター

マップ上のキャラや顔グラのリメイクはこの一年に渡って小出しにされて期待が高かったんですが、いやどれも凄く良いな!!!と感嘆としてしまった。
表情差分はこの時代当たり前といっちゃそうなんですが、今まで慣れ親しんだ仲間たちの側面がより解像度を高めた実感となり襲い掛かる!!

ネルとか「ネル~?可愛いとは思うけどあいつは女の子って感じじゃなくて何でも話せる友達っていうか?犬とかそういうタイプの可愛さじゃない?wwいや別に好きじゃねーし?」みたいに思ってたんですよ。

うう…可愛すぎる……そんな笑顔むけられたら明日から幼馴染じゃなくなってしまう。こんなん思春期を迎えた辺りでその魅力に気づいてしまうタイプの幼馴染ヒロインにしか許されない火力ですよ。表情がころころ変わる元気な女の子はいつの時代も輝いていますからね。

今回は騎士ルートをプレイしたんですが、冒頭でフランに話しかけた際に主人公の身を案じて傷薬をくれるイベントがあって微笑ましい気持ちに。無茶をしないでください、と釘を刺しつつもカムールからの命と知って狼狽える時の表情でウワーーー美少女!!!と目が焼かれた。フラン、お前はこれほどまでに幼い顔立ちだったのか?こんな健気な従者は我が身をかえてでも守護らねばならぬ……。
他にもパリスはチュナと話すときに狼狽えたり表情が顕著に変わるのが良かったですね。パリスは特に仲間との会話で輝くタイプなので、チュートリアル後でキャラが増えたあとの化学反応がより楽しみだなぁ。具体的に言うとシーフォンと連れまわしたい。

テキストは原文から引用されてるものの、追加された会話や地の分が何とも言えない感じに精度の低い翻訳っぽくなってるのは直球で残念なので、この辺もどうにかしてほしいところではありますね。Ruinaはテキストの美しさで表現される世界観が愛おしい作品なのでな。


バトル面(ネタバレ多め)


かわいいスキル名から効果がガチすぎる

なんかボスが超強化されてるーーーー!??
土、石の小鬼は耐久度も火力も原典通りのそこそこな戦力といった感じだったし、序盤ボスの死霊戦士も楽勝でしょ…原典を10週以上した俺がこの町を守りますよ、くらいのテンションで挑んだら、甘い甘い!!!と言わんばかりに知らない攻撃で葬られてしまった。なんで3、4ターン毎にパーティを半壊させる全体攻撃してくるんだよ!!脅威度がおぞましき鉄串を想起させるレベルだしYoutubeの考察チャンネルであいつの正体ダーマディウス説を提唱します。

これでは既プレイヤーの面目丸つぶれだと、神殿の近くにある隠し宝箱から入手した金で装備と薬を整え、聖槌二刀流をパリスに装備させて…パリス兄貴が聖槌を装備できなくなってる~~!?
仕方がないのでネルに聖槌を装備させて強打を連発し、ネルの鬼火(3ターン火傷を付与するスキルに変わってた)で削り、ネルの店から買った傷薬をキャシアスとラバンで投与しまくって辛勝しました。ネルお姉さんは全てを解決するんだ…!
とはいえ隠し宝箱の救済措置が前提みたいな難易度だったし、さすがにこれはバランス調整しないと厳しいんではないかな…。あ、そういえば大長虫と戦うの忘れてたわ。

補足になりますが、雑魚敵のグラフィックはほぼ原典に忠実なものになっていましたが、ボスはイラストが描きなおされていた上に画面の大部分を占めるレベルの大きさになっており存在感が強化されてましたね。あとBGMの原曲アレンジがすこぶる良かったです。ボス戦は確かシーフォンとかメロダークと戦う時の曲だったかな。この調子で魔将戦BGMも頼むぞ…!



なんといっても語りたいのは「告死鳥」。新たなキービジュアルにも抜擢され、序盤の壁にもなるボスです。

我等は汝を待っていた――
遠き調べを聴くがいい。廟に臥したるすめらぎの、呼ばわる声は汝が為。
遠き調べを聴くがいい。河岸をさまよう独り仔の、帰りを待ち侘ぶ地の声を此岸は汝の故郷にあらず。参れ奈落のこつぼへと。始祖のくびきを砕くがいい――!

告死鳥の語りは、Ruinaの物語のメインストーリーを象徴するとともに、このゲームが誇る文章表現の美しさが遺憾なく詰め込まれた名文といっても過言ではないでしょう。
そんな告死鳥に追加されていたのは、まさかまさかの「新たな唄」!!戦闘中、苛烈な攻撃の合間に紡がれるその唄の美しさたるや、奇才・枯草章吉の再来を実感させてじわりと目頭を熱くさせました。他の追加テキストが軒並み怪しい翻訳感があったにもかかわらず、ここはリズムや言葉選びに流麗な響きを感じたのでかなり監修が入ったんじゃないかな?と推察します。

Ruinaの幕を開けた告死鳥の唄が、装いも新たにホルムの町に響き渡る……それが呼び覚ますのは、昨年に公開されたコンセプトトレーラーが「別れ2」のアレンジBGMとともに始まった時と同じ興奮。「廃都の物語」が長き眠りより目覚めて胎動するという高揚感が胸を撫で、この一年リメイクの続報を待ち続けた時間の全てが報われたような心地に包まれる最高の戦闘だったな。

キービジュアルに告死鳥を選ぶセンスといい、この演出で再び胸をガッチリつかまれました。それはそうと対策がまるでできない序盤に全体睡眠を飛ばしてくるのは現代でも許されるわけないだろ!!!!!と笑ってしまった。ついでにあまりにデカすぎたのでルクかと思ったよ。令和でも強さ据え置きの告死鳥をよろしくお願いします。
告死鳥を撃破して国中に災厄が溢れるシーンは複数の一枚絵が追加されたPV風の仕様になって豪華だったぜ!





終わりに


全員集合図にいないことに気付き慌てて個別撮影したメロダーク

体験版ラスト、ひばり亭に冒険者たちが集うシーンがまた良かったですね~。全体的にキャラが可愛い感じに書き直されて原典とは違った趣だし、フランの店員っぽさが増してて見るたびに口角がどんどん上がっていくのを感じます。めいど!ってやって♡
エンダとキレハはいなかったんですが、まぁエンダはダンジョンで未だ眠ってるのだろうし、公式が投下してたイラストを見るにマスコット的なポジションで捉えられるようなので焦らしてるんでしょうね。キレハがいないのはもう竜の塔で遭難してるからだと思う。

告死鳥までの範囲とはいえ、新要素や随所に挿入される新規イラストを堪能してかなりガッツリと試遊しました。グラフィックやBGM周りは大満足なので、テキストやUIが改善して名実ともにRuinaの再誕となる日が待ち遠しいです。年明けに体験版が出る予定とのことでひとまずはこれに期待ですね。なににおいてもキャラメイクをじっくり楽しみたいんや。

どんな名作のリメイクでも、幸運な結果を迎えられるとは限らない。ただ今は新たな物語と冒険の幕開けに想いを馳せ、期待に胸を躍らせよう──








か、かわいい~~~~~~~~
テレージャ好きだけど体験版は告死鳥までだから今回はおあずけかな~~て構えを解いてたので突然の供給にボディが耐えられなかった。リメイクのテレージャ、あまりにも可愛すぎないか?テーブルに肘をつく気だるげなポーズはそのままに大きな目が痺れるほどキュートだし、上着の露出が驚くほどに多い色気まで完全再現されており素敵だ…。

コンセプトトレーラーではナーフされてたアレは「時代が許さなかった」「あれはサラシできつめに抑えてるだけだから」とごく一部の観測範囲で物議をかもしましたが、これ見る感じ割りと…いやかなりデカいのでは……?服の弛みか真実の膨らみかは有識者の判断を待ちたいと思います。あと三面図とかください。
なにはともあれ、今の時点では表情差分などないものの新たな魅力を再確認して大満足。また俺たちを振り回しつつ遺跡の薀蓄を楽しそうに語ってほしいな。

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