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経営者はDXやるぞと口にしてはいけない

前世紀の「OA」機器はオートメーションでも何でもなかった。
手「書き」を手「打ち」に変えただけでした。
だからこそ、「勤勉&清貧&美意識」の 手書きジャパンワーカーズ たちにすんなり受け入れられたのです。

例えば、壁際にド〜ンと鎮座する超高性能複合機も、使われ方はいわば「超高級テプラ」にすぎない。そう言う風にdepreciateされた(=真価を認められなかった)のが、かえって普及にはよかったのだと思います。

ところが、DXときたら!
これら「OA」機器の役割を本質的に変えて、「データマネジメントのためのインタフェイス」に仕立てるところから始まるというのだ。

そんなもの、勤勉でも清貧でも美でもない、ハラにオチない、納得しない。
OA機器こそ使っているものの、あくまで誠心誠意手書きをしているのであり、会議室のスクリーンに投影されたり、A3にカラーでプリントアウトされるもの、それこそが成果物なのである。
おれたちの方眼紙Excelを否定するんですか。
あれですか、わたしのセル結合は有害だとでも。

ついでに誤解してるみたいだから言っとくけど、データごときをインプットしているなんてつもりは、さらさらない。
であるから、
「これからの労働とは、畢竟、データを発生させることなのであり、その分析・活用によって経営しないと云々」
な〜んて(正直に)言われようものなら、もう大炎上必至。

ようするに、DXはステルスでやらないとダメ。経営者が「わが社も、やるよ!DXっていうやつね!」と口にした時点で、手書きジャパンに猛反発され、既にうまくいかないこと確定ということです。

言霊かよ。

いや実際、そうなのかも。

「グローバル化するぞ!」も同じだったもんね。大化の改新や平家の昔から、グローバル化を掲げて長続きした政権はない。言ってはいけない 、真の名で呼んではならない、グローバル化するなら別の何かを擬制しないといけないのです。

さいきん、「デジタル」とか「グローバル」とか銘打った部署を発展的に解消する動きが始まってますよね。もはや何やってもデジタル&グローバルなんだからと。それ、正しいと思います。真の名を名乗ってはいけないのです。

そうそう、ECも同じでしょう。みんな「買い物に行く手間が省ける」などといい感じで誤解しているからこそ、喜んで利用する。でもECの本質は、利用者がデータ発生役を(文字通りお金を払って)買って出て、他でもない自分に関するデータを日々ポチポチと入力する、という営み。
それをけっして言ってはいけないことになってるわけじゃないですか。

Newspicksさんのアクセンチュア江川さんインタビューが話題ですが、


そのひそみにならって言えば、
DX導入はステルスでやりましょう
と顧客に薦めないようなコンサルさんは、きっと高い確率で.....
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