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"高専時代のSNS発信"が人生を変えた! 東大発スタートアップで活躍する、若きエンジニアの挑戦

HarvestX株式会社は、「未来の世代に、豊かな食を」を企業理念に、ロボットによる植物工場の開発を進めています。
まだまだ小さな会社で露出も少なく、どんな人が働いているんだろうと疑問を持たれる方も多いと思います。

そこで、高専生の際に執筆していたブログ発信により、当社の代表の目に留まり、直接オファーを受けて入社された…
奇才集まる当社でも、群を抜いた輝きを放つ、エンジニアの洗大智さんにインタビューさせていただきました!
当社に入るきっかけから、実際に働いてどう感じているか、入社して1年7ヶ月という期間で取り組んできた仕事や、感じていることなどを伺いました。

🍓編集者コメント
今回、非エンジニアのインタビュアーがお話を伺い、今まで知らなかったロボティクスの世界を少し垣間見ることができ、社内インタビューの枠に留まらず、読み物としてもとても面白い記事になったと思います。
是非、業界以外の方でも、最後まで読んでいただけましたら幸いです🙇

🤖 洗大智さんについて 🧑‍💻


インタビューを受ける洗さん

高等専門学校(高専)では、ロボットコンテスト(ロボコン)や研究において、回路・制御の開発を通じてソフトウェア開発を網羅的に経験。
新卒でHarvestXに入社し、ロボット向け組み込みソフトウェア開発のほか、ROS 2(Robot Operating System 2)パッケージの開発・MLOps(Machine Learning Operations)構築を担当。



HarvestXとの"運命的"な出会い


──洗さんのご専門とされている領域について、これまでの経緯を教えてください。

中学生の頃にテレビで放送されていたロボコンを見たことがきっかけで、ロボットに興味を持つようになり、熊本の高専に入学しました。
高専に入ってからは、自動車関連の制御周りを中心に研究をしていました。
もちろん、ロボコンにも毎年参加していました。
ただ、コロナ禍にロボコンをはじめとした、外部のイベントが軒並み中止・延期になったんです。

──コロナは社会全体に大きな変化をもたらしましたが、その影響を受けたわけですね。

はい。そのような環境下だったこともあり、"SNSでモノをつくって発信していくこと"が今後の自分のためになると考えて、コードを書いて実際に動かした内容を記事にする活動を始めました。
最初の1年間は、誰の目にも留まらなかったのですが…、継続して発信していたことで、2年目頃から話題にあがることが出てきました。

その時は、ひとつのロボットに色々なゲーム機のコントローラーを順次繋ぎこんでみて、それぞれのコントローラーで操作したものが同じ稼働をするようなプログラムを書いていました。

当時、洗さんが開発していたロボット

意外と同じデータを送っても、コントローラーによってはボタン配置が異なるなど、必ずしも互換性があるとは限らないんです。
そういったプログラムを書いてみては記事にして発信していました。

そのうちに、当時のHarvestXのCTOの目に留まり、実際にCTOが作って試し判明した改修箇所に関して、プルリクエストを投げてきてくれたんです。
その後も技術のやり取りをしていて、代表の市川さんからX(旧Twitter)のDMで「HarvestXに興味ありませんか」と直接ご連絡を頂いたのが最初でした。

──技術発信から繋がり、今がある…運命的な出会いですね!

そうですね。当初は突然DMが来たことで多少不安もありましたが(笑)
ただ、当時からメディアにも取り上げられており、アルバイトであれば大丈夫かなとも考えて、熊本からリモートで働き始めることにしました。
働き始めて数か月後には実際にオフィスにも訪れて、1年くらい関わった頃には正社員として働きたい思いも強くなっていて。2023年4月から正社員として働き始めました。

──当時を振り返ってみると想像もできないような関わり方ですよね!

DMを頂いた当時、就活に向けたインターンシップも終わっており、機械系よりも情報系に興味をもって進路選択しようか悩んでいた頃でした。
HarvestXは、ハードウエアもソフトウエアも栽培もあるので、そのような環境に関わるとは当時の自分には正直考えられなかったですね(笑)

いつもロボットとパソコンの間で、確認しながら働いている洗さん

新たな視点! 商用利用を強く意識した開発


──現在のお仕事内容について教えてください。

ロボットと周辺機器を統合したり、画像処理関連を担当しています。いちごの苗をロボットが認識すると、ロボットが動くような仕組みですね。

正直、植物と画像処理の相性は、あまり良くないんです。
動物よりは静かですが植物も動くので、撮影して後日、同じ場所に同じ状態で存在するわけではありません。伸びていたり、茎が絡み合っていたり。色の識別に関しても、葉の健康状態や個体差によっても異なるので、求めている結果をどの植物にも再現させるのは非常に難しいです。

1年前までは、花や実のついている場所の確認や、その分類をするAIを、ロボットで動かせるサイズまで小さくする取り組みについて注力していました。
今は、栽培担当者(いちご栽培の研究員)がどこを見極めて判断しているか、質問しながら写真を撮り、データ収集を進めています。

現実の環境下では、人間が優秀すぎて、多少の誤差でも上手に分類してしまうんです。
当社では、理論ベースのモデル(特定の理論や規則を元に開発を行うこと)に終始せず、実際に栽培に関わる人の話を聞いたり、自らさまざまな環境でデータを収集・検証をしてモデルに反映させています。
栽培室が同施設内にあり、栽培チームとの距離も近いため、課題はたくさんありつつも進めやすい環境が整っているのが当社の強みだと思います。

──高専で学んだスキルやご経験で活かせていることを教えてください。

高専での経験はすべて活きていると思いますよ。
ロボコンに向けては、一通り誰が何をしているのかを把握できましたし、研究ではどのように論理立てていくかも間近で見てきました。
このように周辺領域についても、一通りの内容を知ることができて、全体像を把握してきたことが、今の仕事に活かされていると思っています。

──HarvestXに入社してから新しく得たスキルやご経験についてはいかがですか。

当社は良くも悪くも組織規模が小さく、他分野の領域…例えば、工場建設や栽培などの分野についても知る機会がありますし、知らないと仕事にならないという状況です。
他にも、新しい学びとして、商用利用を強く意識した点がありますね。

ロボコンですと、極論を言えば、制限時間内において問題なく動けば良いわけです。商用利用ですと継続的に動くようにしなければなりません。
ロボットも自分の癖がついているとでも表現すべきか、他の人が触った途端にエラーが起きるということがあります。
製作者側からすれば絶対に行わないような操作であっても、たくさんの人が使うと想定外の動きをしてしまったり。その辺りは新しく得た経験だと思います。

──商用利用ですと、誰が操作しても動くという観点は、確かに欠かせませんね。

大切なことは、とにかく早くサンプルを作って、レビューをもらうことです。意識的にバックグラウンドがロボット系と異なるメンバーに確認していただいています。
自分が関与したロボットなので思い入れは人一倍ありますが、やはり自分主体でのロボット開発ではなく、実際に使ってもらう人の視点を強く意識するように心がけています。

作って、動かして、成果(いちご)が生まれる環境。楽しそうです。

新しい価値を提供し続けるための挑戦がしたい!


──お話を伺っていると、ロボットへの愛着がある中で、“自分”が主語にならず、HarvestX(会社)が主語になっている点が、技術者として素晴らしいと感じました。

技術者として、そうあるべきだと思っています。
正しい挙動だからといって、必ずしも上手くいくわけではないので、あくまで"他の人に使ってもらって正しく動く"ようにすべきです。
そのため、1日で簡単な試作をつくっては、関係者に投げるようにしています。その試作のスピードは当社の強みのひとつですね。
短期間で実証実験ができて、関係者が一丸となって連携できるから、更にスピードが出てきます。短期間で結果がでるからこそ、より多くの提案ができるという好循環ですね。

──成長環境として、HarvestXはどう感じますか?

向き不向きもあると思いますが、良いものが何であるかを様々な関係者と議論し高速でフィードバックをもらい、突き詰めていくことが好きな人にとって、最高の成長環境があると思ってます。
実証実験を早く回せるのも規模が小さく、他分野のチームとスピーディーにコミュニケーションを取れるのが大きいです。
失敗に対する寛容度もありますので、たくさん挑戦したい方にお勧めできます。

──会社のカルチャー(社風・人・働き方など)はいかがですか?

…難しい質問ですね(笑)
とにかくやってみようという熱い想いをもった人が多いと思いますよ。
Slackなどのテキストコミュニケーションも多いのですが、個人的には丁寧な言葉遣いとスタンプを多用するように心がけています。
スタンプは最高のコミュニケーション手段です!

──今後のキャリアビジョンについて教えてください。

将来を考えるというよりは、常に新しいことに挑戦し続けて、それが結果的に将来に繋がったらいいなと思います。
リーダーになるとかポジションを考えるよりは、新しい価値を提供し続けたいと考えています。
例えば、もともと興味のあったVRも、ロボットと組み合わせたら面白いことが出来ると思い、最近はVRにも手を出しています。
何かに繋がる技術が出てくる度に、それを提案できる環境がHarvestXにはあるので、引き続き提案していきたいです。

──これから入社を検討されている方に向けて、熱いメッセージをお願いします。

当社は、壮大な夢に挑戦している企業だと思っています。
新しいことを試して議論することが気軽にできるカルチャーですので、色々なことに追求していきたい人や、世に広めていきたい熱意のある人と一緒に働きたいです。

──インタビュー中は終始楽しそうな印象でしたね(笑)

自分が楽しいことが大事だと思っています。
楽しんでいることが、チャレンジする意欲に直結し、それが提案する頻度にも関わってくると思うんです。
その上で、必要なプロダクトの方向性と自分の興味ある分野のベクトルを、あわせにいく感じですね。

──本日はありがとうございました!


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