春吉省吾 2024年の総括
私にとっては「努力の年」忍耐の年
今年も残り僅かとなりました。各位には御元気でお過ごしのことと存じます。今年は、この十年間で一番「勉強」した年でした。
2年越しの「深慮遠謀 初音の裏殿・第三巻」も上梓し、電子書籍も「『愚民論』を糾す 愚民のままだと命を失う」(2024.4.10)、「欺される者の責任~善を装う悪を見抜け~」(2024.10.10)も上梓しました。ただ2冊の電子書籍などは、オールドメディアの論調とは、相異する考え方で、かなり先読みした論調ですので、読者はとまどったかも知れません。思ったより反応が鈍かったのは残念です。
まあ、オールドメディアに抗っているのだから、それは承知の上です。
しかし、これまでの私論・私見はその数年後には、ほぼ全て正しかったことが証明されていますし、まだ結論が見えない事項についてもいずれそうなるはずで、あるいはそうしないと危ういという結果になります。
これらの書籍を書くにあたり、全方位の「勉強」をしたことで、「物事の本質」が従来より見える様になり、次年度以降の大きな財産になりました。
今年1年の私自身の総括はワンフレーズのみ、「努力の年」でした。
思いもよらなかった病気
7月に頸椎の不調のため、街の整形外科医を診療、ついでに気になっていた別なところもX線で撮影したところ、直ぐにMRA検査を勧められました。
検査後、病名も判定できず、「日本では、国立癌研以外に、数ヶ所の大学病院にしか専門医はおりません」と某大学病院を紹介されました。いろんな検査の結果、その腫瘍は陽性ということで、3ヶ月に一度、検査をすることで今に至っています。悪性だったら、まあ一巻の終わりでした。その間随分と精神的なストレスがありました。
お陰様で「今のところ日常生活には問題がないでしょう」という医師の言葉を良いことに、弓道も居合道も、従前よりも稽古の量が増えました。不思議なもので、そういう精神的な修羅場を潜ると、ようやく業の「深さ」が見えてくるから不思議です。両者とも伝書や奥義書から「事の本質」はどこにあるのだろうという視点で読み直しています。
弓道の本質 「武経射學正宗」「武経射學正宗指迷集」
弓道の「武経射學正宗」「武経射學正宗指迷集」という今から381年前の明代の高頴という方が記述した弓術書があります。昭和になって、3人ほどの先生が、詳解・解説されておられます。私は、昭和5年の村河淸先生の解説書が「前序・後序」くまなく記されていますので、この解説書を主資料として読んでいます。
この書は江戸の初期・中期に日本に入って、荻生徂徠先生が国訳したと言われていますので(しっかりと纏めたのは、平瀬光雄・通称又右衛門)、江戸期の弓術家はこれを目にしているはずで、多大な影響を受けています。和弓と唐(から)弓の長さや仕組は違うのですが、なるほどと思える「弓の業の本質」が記載されています。しかし、日本の各流派の「伝書」を比較するに、一番大事な処を伝えていない様に思えます。
さらに現代の「弓引き」達は、部分的には読んだとしても、この二巻全てを本気になって読んだ方はおそらく希有でしょう。私もこれまで「弓道小説の資料」(「冬の櫻」「夏の熾火」などの長編時代小説)として上っ面しか読んでいませんでしたが、この「射學正宗」の二冊は、本質的な技術論です。現代弓道にも直結する業の根本が記載されています。というわけで、「射學正宗」のエキスの部分(とは言っても大変な訳出になる)を、科学的な力学・物理学も援用して、今後に続く弓道人達に「弓道」の本質を伝えられたら良いなと、数年かけて纏めたいと思っています。
弓道の本質を熟知していた指導者との出会いがなかったことは残念ですが、繰り言は未練です。
現在30数年来の固癖をどう払拭するか、老体に鞭打って稽古をしています。しかし、理屈は正しくても身体が……。
次世代に伝えたいもの
12月15日は父の命日でした。生まれた日となくなった日が同じで、満85歳の一生でした。亡くなる2年間はほとんど寝たきりでした。
15日の日曜日は、4才の孫と、まもなく2才になる孫娘と遊んでいました。
孫達の尽きることのないエネルギーに驚きつつ、この孫達の世代に、深い事物の捉え方をしっかりと伝えたいと強い使命感を覚えました。
それは、「新興日本」を造るための、柔軟な哲理です。
縦横にしたたかに、世界のリーダーとして日本人達が大活躍する時代を切り拓くためです。
元気で生きていれば、多少なりとも彼らの役に立つはずです。
晩年の父の様に寝たきりにならないために、武道の稽古、頭脳労働、食事の管理と日常の雑事もやっています。面倒ですが、惚けない秘訣です。買い回り品の値上がりや、在留外国人の激増など、はっきりと実感できます。
ただ、次々と知的好奇心の分野が広がり、同時に、執筆の資料収集・読破に多くの時間を費やしますので、睡眠時間が大幅に不足しています。ここをどうするか……、解決法は見つかっていません。
現在「初音の裏殿」の第四巻〈愛別離苦〉を95ページまで執筆中。その他に、時局を題材にし、その本質を判りやすく纏めた電子書籍を執筆しています。戦後80年来の歪んだ歴史観を質(ただ)す両輪ですが、「初音の裏殿」シリーズは、天才宇良守金吾の半生を通して、読者の精神を活性化させる物語です。 ただ従来の「大衆歴史時代小説」より大分歯ごたえがあります。この物語の意味・意図するところが判る方が増えれば、日本は変わるでしょう。
新しい「外圧」を活かす
さて、前回のブログで、日本は有史以来、「外圧」がなければ変わらないと申し上げました。遠くは飛鳥時代の白村江の戦いから、元寇、大航海時代の秀吉とスペインとの駆け引き、そして鎖国から、ロシア、イギリス、アメリカのペリー来航と続き、敗戦後のアメリカGHQの進駐(現在も日本はアメリカの属国です)など、「外圧」によって、日本は変貌してきました。
今回の第二次トランプ政権の本気度は、第一次と違い、日本の新たな「外圧」です。奇跡的に暗殺を免れた彼に怖い物は何もありません。
詳しくは執筆中の電子書籍で詳細に論述しますが、結論から言うと、日本は「トランプ外圧」によって大きく変わります。変わらざるを得ません。大きな変革になるはずです。
戦後80年を経た現在の日本の状況は、社会全般に澱が沈み、ヘドロとなって、悪臭を放ち、もはや「外圧」がないと取り除けなくなってしまいました。今、日本は崖っぷちです。
省庁の独善、想像を絶する天下り、外郭団体がアメーバの様に肥大し、税金は吸い取られるまま。税金を払わない大企業のエゴ、その元締めの経団連は目先の金ほしさに親中・グローバリスト達の巣窟で、どうにも思考が浅く甘い。
この国を一層貧困に追い込む政策を次々と打っていく傀儡政府と既存政党。彼らのほとんどは、中国に媚びを売り、親韓に靡く。それに迎合するマスメディア。日本国民の権利と豊かさを次々と奪っていきます。一体どの国の人間なのだろう。
「上手くやられたな」と思う。これについては、次年度で〈司馬遼太郎氏の功罪〉で私見を述べます。更に厄介なのは、中国、ロシア、朝鮮半島の異変、台湾のしたたかさなど、それら裏の経済活動と政治的な駆け引きを知らない日本人。
知らされていないのだから当然だが、そのカラクリに蓋をし、報道しないオールドメディアに幻惑され続けている大多数の日本人。「上手くやられた」事すら知らないのです。
「外圧」を国民の為に利用する
残念ながら「トランプ外圧」がなければ、日本は覚醒しません。トランプは厳しい対応を日本政府に迫ってきます。従来のオールドメディアは、自分たちの既得権益も侵食されるので、ネガティブ報道しかしないはずです。
トランプの本当の標的は日本に巣くう、日本国民を食い物にするグローバリスト達です。国民も大きな代償を払うことになりますが、それに耐えないと、日本の真の独立の足がかりは出来ませんし、新しい日米関係は見えてきません。日本人が覚醒するための「トランプ外圧」と思ってください。
但し、トランプはすれっからしの商売人だから、日本に有利なことなど一切しません。しかし、日本人はそれには十分耐えられるのです。トランプの外圧に発狂寸前の日本の輩は、これまでのアメリカ民主党政権の隷属関係に甘んじて良しとする似非右派の既得権益者やグローバリスト達です。勿論、オールドメディアの特に、報道番組のディレクターやアンカーマン達の「嘘」が暴かれるでしょう。
2025年、2026年の二年間は、日本にとって目の離せない年になります。
それらの詳細は、日常的な防衛策も含めて電子書籍にて記述します。いずれにしてもトランプ親分の動きは勿論だが、その政権で大きな役割を担う、イーロン・マスクとロバート・ケネディ・ジュニアの言動から目が離せません。
2024.12.19 春吉省吾