
【モノローグエッセイ】強迫観念ちゃん
そいつは、ゆっくりと、のんびりしている時にやってくる。
敢えて寝坊した日の朝
のんびり散歩をしている時
ぽけ〜っとしている時
皿洗いをしている時
遊びに行っている時
そいつはやってくる。
「こんなこと本当にしてていいのか?」
「これでいいのか?」
「休んでていいのか?」
「こんなことをしているうちにまた私の知らない所で仕事のチャンスを掴んでいる人がいるんじゃないか」
「私は休むほどのことをしてるのだろうか?」
「知らないうちにまた追い抜かれているんじゃないか?」
のんびりと時間を過ごしている私の頭の中には、こんな思想が合図とともに一斉に走り出す競走馬のように駆け回っている。
これが、強迫観念ちゃんである。
このじゃじゃ馬がひとたび頭の中で駆け回ると、頭も身体も非常に疲れる。
だから、「強迫観念」ちゃんと"ちゃん"付けをして、私の手の内でコントロール出来るように試みる。
きっとこの強迫観念ちゃんとは、長い付き合いになりそうだ。
そんな感じがするから、上手い付き合い方を探ることを試みている。
強迫観念ちゃんのいない安らぎを手にしたら手にしたで、私は終わる気がする。
なら、強迫観念ちゃんによって、動いている状態をキープした方が良いんじゃないかと思えてきている。
そいつは急にやってくる。
3等身くらいの魔物。
強迫観念ちゃん。