小さな勇気
わたしに足りなかったのは、小さな勇気だった。
ロングボードを始めて3年。
パワフルな波に乗るのに、ビビるのはそろそろ卒業。刺さるのを恐れず、ボードの前に乗って、刺さりそうになったら体を傾けてこらえる。静かにボードの上に立つ。もっとカッコつけて乗ればいい。
今日で3回目のミッドレングス。
鬼パドルで、ギリギリまでパドルをやめない。ヤンキー座りくらいの踏ん張りでいい。でも、脳内では癒しのvoice、エンヤをかけて心と体全体はあくまでもリラックス。体感は、波の上を滑る感じだ。
サーフィンは哲学でもある。どのボードで、どんな波を選んで、どんなフォームで乗るか。
波を見極めてから、方向を変えて、パドルをして、テイクオフ、その後は、ステップやターンをスキルに合わせてやる。その一連の流れを自分でストーリーを作って波を楽しむ。余程沖にでない限りは、1分ほどのストーリーを、一瞬で見極めていく。
この短い時間を、何度も繰り返し、気がつけば数時間経ってしまうほど、夢中になってしまう。
そんな海とサーフィンに、わたしは今日も教えてもらった。
勇気を持ちな。と。ビビるのは卒業。
自分を信じな。と。もう充分練習した。
幸せや喜びを受け取るのにも、勇気が必要な時がある。それらがキラキラしすぎていて、自分には眩し過ぎる時、ひるんでしまうのだ。望んでいたものにも関わらず。
ほんの小さな勇気なんだ。それが自分の世界を変える。
ほんの小さな一歩なんだ。それが新しい世界の入口に繋がる。