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【DEATH NOTE】新世界の神・夜神月の台詞「無理に決まってるだろリューク」にぼくは救われている【デスノート】

今年で生誕20周年を迎えた『DEATH NOTE(デスノート)』

そのジャンプコミックス版3巻に収録されているpage.17「芥(ゴミ)」という回がある。この回は集英社の公式HPで無料で1話丸々試し読みできる。

所謂ポテチ回。
Lの作戦により、主人公・夜神月(ライト)の部屋にまんべんなく盗聴器と監視カメラが取り付けられてしまった!絶え間なく宿敵に監視されてしまっているこの状態で月はこれまで通りデスノートで殺戮を続けられるのか!?というガチのピンチに追い込ませる話。

デスノートを使わずやり過ごすのならデスノート使用パティーンをある程度見破られるも同然。確実にライトくんが怪しまれてしまう。一度外へ出て書き殺すのもかえって露骨にバレてしまう諸刃の剣だ。なんとしてでも怪しまれずに使わざるを得ない。もう企画性の時点ですごく面白い。

だのでポテチの袋の中に39,800円の小型液晶テレビと短い鉛筆を入れて内側にデスノートの断片を貼り付けて普段通り殺すというトンデモガバガバトリックは今でも語り草になっている。
まずいつ仕掛けたんだよと。テレビ画面はどうやって見るんだよと。正確に文字は書けるのかよと。テレビの光の反射でバレないのかよと。受験勉強のお供がポテチなのは変だろと。もうツッコミ所がポテチの量よりもワンサカ湧き出てくる。あまりにもおかしすぎるのにすごく面白い。

初めて読んだときはクソガキ時代だからかそんなツッコミ所は全く気にしていなかった。
『DEATH NOTE』=神漫画という魅上照みたいな認識が1話からぼくの中で絶え間なく形成されていたからだ。もちろん今でも神漫画だと思っている。こんな超絶面白い漫画を提供してくれたガモウ先生には感謝している。

「右手で方程式を解きながらポテチを手に取りノートに書き食べる」
これをあたかも当然のごとく実現させる力技。
新世界の神になるため39,800円は躊躇わず犠牲にする覚悟。
このムリゲーな難関を一話で突破する美しすぎる構成。
完璧だと言っていい。もうこの勢いはジャンプらしい。

アニメでは大胆過ぎるスタイリッシュ演出のおかげでツッコむ気が失せてくる。

わざわざ検証動画を作る人だっている。ツッコミ所満載なシーンとはいえ、実際に可能かどうか試したくなる探求心を煽らせた読者を惹きつけた名シーンなのは間違いない。

それで、今回はいまさらそんな散々擦られまくったネタが主題ではなくて、この回に登場する、

「無理に決まってるだろリューク」

ぼくは日頃この言葉に救われている。
最早説明不要だろうが、本来の用途はズバリ監視されている状態でライトくん以外視認できないリュークがリンゴを食うと不自然にリンゴが浮いてしまうから「無理に決まってるだろ」。

じゃあ一体どういう場面で使うんだよ、エアリュークを召喚するのかよと言われるとまあ実際そうなのだが。
ぼくはライトくんやLみたいに幼稚で負けず嫌いな性格なので、たとえば「だめだこいつにはかてない」「こいつは本格的に頭青藍島だ。ムカつくが認めざるを得ない」と劣等感を覚えるシーンが稀によくある。

たいていこうなる

だのでソレに至った瞬間、

「(ああこれは…勝てない…これは)無理に決まってるだろリューク」

何の罪もないリュークになにか余計なものをぶん投げているみたいなのだが…

要はエアリュークとコミュニケーションを図ることで心を安静にしていられるわけだ。極めて平和的に諦めの境地に至れるとも言える。実際これでより一層ポジティブシンキングになれている。半分ネタ記事のつもりでこれを書いているが、マジのガチでオススメである。
なによりエアリュークはデスノートを拾わなくてもリンゴでおびき寄せなくても召喚できるのが強みだ。たまごっち感覚で機嫌を伺う必要もない。大マジにオススメだ。エア友達みたいで惨めだと言われそうだがエアリュークには所詮バカには見えないだけの話である。
えるしっているか 死神はすべてをなぐさめてくれる

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