『ミギとダリ』第7話「おばけじゃなかった」感想 意外な三角関係からのショッキングな急展開で感情ぐちゃぐちゃ
◆これまでの感想
◆サリーちゃん再び
ダリ扮するサリーちゃんが再登場！！
ただこれは再登場しそうな布石はあった。以前水族館で買ったイルカの番いのアクセサリだ。別れの際にイルカを二つに分けたのなら、そのうちミギに正体がバレてしまう展開の布石なのでは？と予感していたのだ。
早速ダリ落としてんじゃん…
こうもあっさり落としてミギに拾われてしまうのはちょっと作劇の都合を感じさせられてしまったが、逆に見つからないほうがかえってあっさりなのでこれくらいは許容範囲だ。ともあれ、ダリはサリーちゃんのすがたで瑛二くんに接触することとなった。
瑛二くん結構メンタルよわよわだよな…
クラスメイツとの恋バナで金髪の女性に思いっきり反応したのか、ミギダリママを殺してしまった事実に嘔吐だとか相当トラウマ案件になっている。瑛二くんの弱みを握るに十分だが、あまりやりすぎてはいけない良心も働いてしまう。
キャー！不法侵入よ不法侵入！だが男だ。
口止め料として瑛二くんのもっと恥ずかしい姿が見たいと迫るサリーもといダリ。村瀬歩さんの女声ほんとすごいなあ…ただの女声だけじゃなくて魔性を感じさせられるものになっているのが是非とも押さえたいポイントだ。瑛二くんが逆らえない説得力も兼ねているのもすごい。ガチ惚れしたらマズいやつだ。
クリスマスの日にはボタンがなくなっていることに言及。瑛二ママは案外こういうのには気にしていなかったのだろうか？
しかしダリが「サンタなんて来たことがない」「5さいの頃の写真はない」と言っちゃうのが切ない。幼少期からずっと施設で育ってきたわけだが、ロクにクリスマスイベントには集まる気はしなかったのだろうか？施設時代はそのうち描写されるのだろうか？まあ、サンタといわれると大抵両親が第一に先行されるだろうが。
◆ガチ恋画伯ミギとジェバンニ秋山くん
サリーちゃんが彼女が帰ってきたことにはしゃぐミギかわいい。遠くの町へ引っ越した件（という設定）を完全に忘れがちだが、それでも再会できるのはワンチャンだからな。些細な疑問なんて今は気にする必要はない。あと単にミギがアホの子なのもあるが。
というわけでおたずねものの張り紙作ってあちこちへコピーしたものを張り付けたわけだが屈辱クラスにひでえアートだな！女神じゃなくて邪神じみてるよ！もう別れてからそれなりに経っただろうが、ミギのサリーちゃんへの愛はそんなものか！？と問い詰めたくなれる。
まあ、逆に絵が上手いミギは極めて解釈違いだしなあ…この絵を見て「ああいつものミギだ…」と謎の安心感あったくらいだもんなあ。ともあれこれならダリ＝サリーとバレる展開はあるまい。
秋山くんがガチで怖くなった瞬間だった。
彼は鳥好きなので化石から生前のモンタージュを作るのが趣味なのはわかる。やっていて楽しそうだよねそういうの。で、ミギの絵から誰なのか特徴をとらえて分析して今回こうしてこうなった。
…あの、その。
秋山くんは良い奴だし頼れる友人なのは理解しておりますが、このアニメは敵に回すとやべーやつが多すぎじゃねーかな！なんでこんな完コピ巧すぎるんだよ！？法廷画家を余裕で目指せるレベルだよ！実際今回秋山くんのおかげで「瑛二くんはサリーを探している」という情報をゲッツしちゃったからなあ。
◆まさかの三角関係
とうとうミギとサリーの再会を果たしてしまった。
「私、瑛二くんと付き合ってるの」
ミギの脳破壊イベントが発生した。せっかく再会できたというのになんて残酷な仕打ちを………まあミギには気の毒だが、この詰み展開を突破するにはやらざるを得なかったからなあ。
なおここで改めて念のために言っておくが三人全員男子である。ひとり女装のBLラブコメとかあったなそういうの。
そして招かれるダリもといサリー。ミギが敗北者すぎるよ…
瑛二くん惚れてんじゃねーか！NTRやんけ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～！！
◆
今回の目的は瑛二くんに退行催眠をかけて情報を引き出すというもの。だからといってミギで試すとますますかわいそうになってきたんだけど！？
失恋に慰めてくれる園山夫婦マジ聖人。ミギはこういう疑似両親がいて本当に良かったね…こういう清涼感あるフォローが好きなんだよなあ。だからって未成年にヤケ酒勧めるのはやめようか！
◆シエスタのお時間
催眠をかけるために瑛二くんに添い寝を誘うも、仮眠は不要だと断られる。惚れていたとはいえ、流石にそのような関係に発展するのは時期早だしな。ひとりだと寝られないとカマをかけてみれば…
瑛二くんは天然なの！？バカなの！？
「カルト教団の寝床か？」というツッコミも面白かったんだけど、ジオラマに飾られていたホラーじみた人形が一気にギャグツールと化したのがなによりすごかったよ！あとオリゴン村のみんなが並列になって一緒に寝ている光景もすっげえ平和に見えてきたよ！アホな絵面になっているとこんなにも印象変化させられるのだなあ…！
だが男だ。
こんな色仕掛けには低俗だと動揺している瑛二くんがわかりやすい童貞である。なんだか瑛二くんのことが嫌いになれなくなってきたよ。
まだ恋人になっていないので、その条件として、ベーゼ、つまりキスを迫る瑛二くん。えっそうはなるの！？
流石に野郎相手に接吻は無理とはいえ、
ズキュウウウン
や…やりやがった！！BL展開やりやがった！！
それはそうとなんでこんな男前なツラなんだよ！？もう女のカケラもないだろ！！顔が良いな！！
こうして催眠をかけて情報を引き出すことに成功した。ダリのはじめての相手が野郎だとか、無茶しやがって…
◆再アタック
おじいちゃんは実はおばあちゃんに何度もフラれた上で何度もプロポーズを繰り返して、今の夫婦関係に至ったのだという。意外な事実というか、具体的に若い頃はどうだったのか見てみたくなったな…外伝エピソードとして膨らませられそうだ。
この逸話がミギの背中を押し出してくれた。それはいいのだが、やはりダリ＝サリーとバレてしまう危機に繋がってしまうのは皮肉なものだ。もちろん誰一人悪いわけじゃないのに、だ。
ミギよくここまでよじ登れたな…
邪魔者は排除と言わんばかりに瑛二くんが彼を突き落とそうとするも、
ファイト一発感覚で間一髪救助。だが、素の男声が出てしまったからにはいよいよ正体がミギにバレてしまった…助けてくれたのにどうして…ここ原作漫画だとどんな表現になっているんだろうな。
◆母の死の真相
瑛二くんがミギダリママを殺したのは事実だった。が、殺したというか、不慮の事故だな。
クリスマスの日、今回のミギ同様ママを怖がるように突き落としてしまった、このときにボタンが外れてしまったという見事な伏線回収。今週ここが「ああ～～～～！！なるほど…！」って声になるくらい一番興奮させられましたね…！瑛二くんが殺したとかほんとか～？と疑っていたら、点と点が繋がり信憑性が増した快感が素晴らしい。ハッとなる魅せ方も良いんだろうな。
瑛二くんのトラウマになったのも、化け物呼ばわりするのも十分納得なのだが、う～んでもやっぱり腑に落ちない点がまだ残っているな。まずなんでミギダリママは壁をよじ登ってきたんだ。そこはギャグにも取れそうだが（親子共々変な奴）、壁をよじ登れと誰かに指示された線もあるのではないだろうか？
実際、瑛二ママがやっぱり怪しいんだよな。ミギダリママの遺体は消失したし（別の場所へ移動されたのをミギダリが発見したっぽい）、金髪長毛の女は存在しない・お化けだと吹き込んだのがメチャクチャきな臭い。
◆ギスとギス
「お前を許さない！」
ミギその顔やめてくれ…こわいよ………
これまで「ミギはアホかわいいなあ！」とキャッキャしていたぼくにとっては非常にショッキングだった。今回ばかりは冗談ではなく、真剣にキレている・怒りが伝わってくるのが余計にしんどい。つらい。ここに至るまでのギャグ展開が皮肉ながらも良い感じにバネとなり、怒りを露わにするギャップが凄まじかった。普段は兄のようなダリですらこれは傷心だろう。
勿論、ふたりとも間違っていない。
まあミギがサリーちゃんに惚れてしまった予想外な展開が最大のノイズなのだが、容姿がかわいいのはもちろん、村瀬歩さんの女声がマジに可愛いから惚れてしまう説得力は十分にあった。だから禁断の恋愛であれど「惚れてもいい」と受け入れるようになってしまった。個人的意見だが、その禁断の恋愛を許してしまったこちらも責任を感じている…
ラスト、粉々に砕けたイルカのアクセサリを映したのもセンスのある演出だ。双子の絆が諸共粉々になってしまった比喩演出にもなっている。皮肉にもそれが効果的で巧い。とても認めがたい、哀しい展開なのに。
丁度今週で折り返し（全13話予定）なので、この後戻りできなくなってしまった急展開はターニングポイントとして丁度良い節目だろう。勿論双子の和解という約束された結末を迎えてくれることには期待している。問題はやはり肝心の過程なわけだが、ハードルが高いからこそ以前よりも双子の絆が増してより更に尊くなれるリターンに強く期待できる。本作なら間違いなくやってくれるはずだ。
というか、ちょっとした…とまでは言えないが、兄弟喧嘩みたいなものだからそれくらいこの中盤という時期に起こり得てもいいよなと判断している。双子同士トラブルを起こさないまま終えるのも普段はあまり気づかないだろうが変な話だろうし。
あとこれは個人的感情論なのだが、本作が超絶面白アニメーションだからこそ「どうせ仲直りするんだろ」と怠惰な気持ちではなく「どうか仲直りしてくれ！」と積極的にノレるのもデカい。
しかしこのイルカのアクセサリはそのうち買い戻すのかな。ミギに新たな恋が実ることが彼にとってなによりも幸せなことだが。どうか幸せになってくれ。