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『ミギとダリ』第2話「ウェルカムパーティー」感想 横軸はギャグだが縦軸はガチサスペンス!…か?


◆これまでの感想

◆ストーリーが気になるギャグアニメ第2話

安定して面白い。最後までそれが約束されるだろう。
が、やはり出オチアニメーション故に1話ほどの新鮮味や衝撃が視聴者に襲い掛かり、腹筋を悉く破壊させるほどのパワーは今週秘めていなかった。いや今週もちゃんと笑ったんだけども、1話Cパートのクッソひどい種明かしほどの特大ネタはなかったかなあと。あれは「第1話」として完成された瞬間だったからなあ。

だがしかし、このアニメは本筋のストーリーが気になり出してきた。
元より第1話から『坂本ですが?』とは異なり、何か闇深いガチのシリアス事情があるのではないかと強く匂わせてきたのだが、おまけとは言い切れないサブ要素となった。嬉しい誤算だ。
最後まで飽きさせない展開がわれわれを待ち構えていそうだ。そもそもどういった結末を迎えるのすら、今のところ予想できなくなってきた。ギャグかシリアスどちらで締め括るかどうかさえも。

◆神戸市北区山側 オリゴン村

マジか…

「オリゴン村」というクロマティ高校みたいなトンチキネーミングの時点でおかしいが、日本が舞台だと前回時点で分かっていながらも神戸市が舞台なのが衝撃だった。
神戸市に限らず、日本のどこが舞台でも確実に衝撃を受けていそうだが、あまりにもマイナーな市町村だと「え…?どこ?」とリアクションに困りそうだし、都内のどこかに位置してもそこまで面白みがない気がする。そこで神戸市というチョイスは絶妙だ。
というか、なんだか神戸市が魔女裁判やりそうな魔境のように見えてきてしまった。

◆アンジャッシュ

毛根
毛狩りマシン

部屋には大量のウィッグ。
老夫婦が買ってきた謎のマシン。
これはウェルカムパーティーと称した、毛刈りショーだ!!

もうこの時点でねーよとしか思えないし、そもそも第1話で老夫婦がアホムーヴかましていたというのに「実はね、きみたちが双子なのは気付いていましたよ」と言い出すのも視聴者はどうリアクション取ればいいのか迷いそうである。
よってあからさまなアンジャッシュなのはこの時点で確信せざるを得なかったのだが、だからといって毛刈りショーと言う発想はどんな波乱万丈な人生を送ったら思いつくのだろうか。
マジに毛刈りショーならこのシリアルキラーな老夫婦ほんとこええよ。何考えているのかすら分からないよ。

第1話もだが、本作は敢えて結末を予想できる上で、肝心の過程が明後日の方向であることに精力的のようだ。逆に言えば、今回の結末(老夫婦は真摯に秘鳥くんのためにプレゼントを用意していた)は本当に予定調和なので弱いと言えるかもしれない。
ただ個人的には平和であってほしいんだよなあ。寧ろこれは期待通りのほっこりオチだ。今のところ老夫婦はおもしれーコンビなので、マジで黒だったらヤだし。ミギダリの支えになってあげてほしいし。たとえ双子バレしても本当の孫のように快く受け入れてくれそうだし。

だが、結末は予想通りとはいえ人体発火作戦を企てていたのですごい声を上げて火傷した。ここムチャクチャ面白かった!ホームアローンみがある!そもそも虫眼鏡で人体発火しないだろ!

今週のメガヒット「この赤ワイン、スーパー辛口だわ!」
このおばあさんには最終話までずっと勝てないと思った。スーパー辛口とかCMみたいなワードが飛びかかってきて面白すぎるし、なにひとつ覆せない強者感ある。めっちゃベロベロになってもまだまだ戦えるみたいだったし。

それにしてもこのアニメはBGMが流れるだけで笑える。
作中で一番頻繁に流れるBGMは「♪ふ~る~るっるっる~のテーマ」と勝手に呼称しているのだが(実際そんなふうに聞こえるから)、デスノートみたいな心理戦をやっている中でこのBGMが流れると本来ならばミステリアスなのに逆にアホらしさが増してくる。これはすごい事態だと思う。
また、今回はBGMキャンセルも採用されており、やはり面白い。だるまさんがころんだ感覚で急に一時停止するからな、それもギャグだからな。

◆ミギダリかわいい

おばあさんから用意された寝巻がファンシーでかわいい。あのおばあさんならこういうカービィの爆弾投げてくるザコキャラっぽいものを用意しそうだが、ミギは「こんなはずでは…」な表情していてかわいい。

素で笑い転げるダリかわいいなお前!!
勿論なんかアメリカンな笑い方であり、こちらが見ていてツボである。こいつにも可笑しいと思ったら全身動かすくらいのリアクションするんだなあって。

地味にこの点が良かった。
第1話は「耽美に色気を誘う双子。但し――――なんかおバカ。」というキャッチコピーを付けられる子たちだったのだが、今週で歳相応の少年に見えてきた気がした。今回のアンジャッシュに翻弄されるアホの子要素も含めて、巻き込む側が逆に巻き込まれたみたいな、そういう想定外のリアクションを見届けたくなったまでもある。
ギャグアニメ(漫画)は笑う者(主犯側)も笑われるべきなのが空知先生やぼくの持論なのだが、まさにその通りだ。

『坂本ですが?』の坂本くんもそうだったなあ。
最初 ヤンキーと一緒にシャボン玉やってたり、ゲオもどきでAV借りていったり(即返却したけど)、なんだかんだで歳相応な一面があったんだよな。最初はソイツの持ち味を魅せてから、意外とわれわれと似たような感性を披露することで親近感が湧いてくる、そんなテクニックなのかもしれない。

◆悲しい過去…

このアニメはアバンとCパートがつながる構成のようだ。
アバンはなんだか意味深な演出だったが、その実Cパートではミギダリの母親がオリゴン村の人間に殺されたという悲しい過去が開示された。

…マジで??
ギャグアニメであるはずなのに急に重くなり出したが、だがミギダリが老夫婦が犯人候補ではないかと過度に疑うのも無理ではなくなった。印象逆転だ。すげえな。

ギャグにしか見えないが本人たちは本気というシチュがよくあるが(必死であるほど逆に面白い)、そのような必然性に至るバックボーンを付与してきたのは新しい。…ガチ死亡だとちょっと笑っていいのかどうか悩ましいところだが。ていうかガチ死亡なの?ドッキリじゃなくて?でも墓があるんだよなあ。

最後、ふたりの影がひとつに溶け込む演出がかっこよかった!
これもアニメならではの演出だ。原作では大きなフキダシを添えながら2,3コマ用いてやっているのかもしれない。原作を読むのはアニメ終了後のおたのしみにしておきたい。

因みに今週で原作1巻分終了とのこと。
原作は全7巻なので、一部カットされそうだが1クールでの完結は実現できなくはないだろう。断腸の想いで捨てざるを得ないネタがあるかもしれないが、製作側はそこを振り切って頑張っていただきたくある。

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