#10 水が流れるように
火山の次に作りたいと思い浮かんだのは、滝だった。勢いのある滝の水しぶきを表現するのは難しく、結局は静かに流れる透き通った滝が完成した。でも、今の自分の心の中を覗いてみると、確かに、ゴーゴーと流れ落ちる滝というよりは、この透明感のある静かに流れる滝の方がピッタリとくる。そうか、これでよかったんだ。
マグマが爆発するように噴火して、子どもへのイライラはマシになったけど、なんとなくスッキリしない重たい感覚がしばらく続いていた。それが今ちょっと抜けた感じがある。静かに淡々と水が流れていて、透き通った滝壺がきらめいてとてもきれい。
感覚が切り替わったきっかけは、少し前に自然のエネルギーのとても強い場所に行ったことと関係しているのかな?とも思う。自然のエネルギーによって身体が浄化されて満たされた、そんな感じ。同じ出来事が起こっても、こちらのこころの余裕によって、受け止め方が違っている。そんな風に日々、波がある。いいときと悪いとき。そのバランスをうまくとれるようになりたいと思う。こころに余裕が生まれるひとつのキーワードが、私にとっては"自然に満たされる"ということのよう。前からわかってたような気もするけど、たぶん無自覚的にやってた部分もあったかも。それを今あらためて自覚してみる。
ラピュタのとあるセリフがまた思い浮かぶ。
「土から離れては生きられないのよ」
もともと自然が好きな私が街の真ん中で暮らしている。今の生活はとても便利だし、恵まれていると思う。だけどやっぱり意識的に浄化していかないと気は滞り、重たくなる。太陽の光を浴びて、身体の中の滞りを土へ流していく。ただそれだけのことなのに、建物に囲まれて陽を浴びるのも難しく、わずかな坪庭があるだけの暮らしでは、知らず知らずに家や身体の中の循環が悪くなる。
街や都市を否定したい訳じゃない。その恩恵をたくさんうけて暮らしているからむしろありがたいことだ。否定や批判だけでは何も生まれない。まずは自分の中で調和し、バランスをとるにはどうしたらいいのか、それを模索してみたいと思う。今はそんな流れに感じている。
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