白い雲は眠気を誘わず
眠れない日が来る。誰にでも来る。不安に塗れてだったり、怒りを堪えてだったり、自分にもわからずだったり。深呼吸して羊を数えて、やっぱり眠れない。返信のないあの人は今何をしているのかしら。ごろりごろりと寝返りを繰り返して、5分おきに開くスマートフォン。こんなことをしているから眠れないのだろうけれど。
抱える苛立ちと不安を吐き出すこともできず、数えた羊に乗せる。隅から隅まで、私の頭は羊でいっぱいね。眠れはしないのだけれど。白み始めた空を見て、少しの焦りと共にスマートフォンを胸に抱く。目覚めた時には返信が来ていますように。そう願って、いつもよりきつく目を閉じた。