マガジンのカバー画像

ショートショート

2
拙い文章ですが、ぜひ見ていってください。
運営しているクリエイター

#小説

優しい人を好きになれたら

優しい人を好きになれたら

蝉が鳴き始めた、大学3年の夏。

サークルのメンバー。適当に招集したメンツでお酒を飲んでいるときだった。

「私、コンビニで水買ってきますね〜」
そう言って立ち上がった私に誰かが声をかけてきた。
「え、夜だし、誰かついてった方がよくない?」
「あ〜じゃあ俺行くわ、タバコ買いたい。」
そう言って1人の先輩が財布をとりだした。

私と先輩を除くみんなが、にやにやしながら何か目配せしたように見えて、どう

もっとみる
ネックレス

ネックレス

「このネックレス、かわいいでしょ〜」

「ほんとだ、いいじゃん。」

…予想通りの返答に、私は内心あきれる。鼻がツンとなって、目にこみ上げてきそうなものを、あわてて横を向いてこらえる。

が、そもそも私の方など向いていないあなたには、無意味なことだった。

付き合ってそろそろ1年。

私より1つ年上の、少し大人な彼。
黒に近い茶色の髪で、落ち着いた雰囲気。話すと案外無邪気。
たくさん話はするけ

もっとみる